行ったり来たりの場

「TOBICHI」とは、「ほぼ日」の飛び地です。

そして、「ほぼ日」の初めての「店舗」であり、
「ギャラリー」であり「イベント会場」です。

「TOBICHI」は、同時に
「ほぼ日」とコラボレーションする
作家やグループにとっての飛び地でもあります。

ここに蒔いた種が、新しい芽を出すことが期待されます。

「TOBICHI」で行われることは、
「ほぼ日」のコンテンツのひとつです。

「ほぼ日」で予告され、「ほぼ日」で特集され、
「ほぼ日」で報告されます。

「TOBICHI」で起こることはコンテンツですが、
同時にそれはメディアでもあります。

「TOBICHI」というメディアを、
他のメディアがコンテンツにすることも多々あります。

「TOBICHI」は、小さな見張り塔のようなものです。

ここから世界中の出来事や、
世界中のおもしろいものを発見していきます。

「TOBICHI」は、東京の小さな一点ですが、
そして世界中にまでも波紋を起こすような一点です。

いつも「TOBICHI」を観察していたら、
ひっきりなしに、おもしろいことが起きています。

「TOBICHI」でなにかをする人については、
基本的に、「ほぼ日」が声を掛けさせていただきます。

あらかじめどんなことをしたいかのイメージがある場合と、
なにをするかはわからないけれど、
その「つくるひと」と相談して決める場合とがあります。

「TOBICHI」では、「つくるひと」がなにかをします。

絵画やら写真、陶器、染織、ファッション、スポーツ、
園芸、建築、料理、お菓子、珈琲、本、玩具、
あらゆるモノやコトが、ここで人びとに会うことを待ちます。

コンテンツを、持ち寄る場なのです。

「TOBICHI」の建築デザインは、
「30歳くらいの特にお金もコネもない人が、
一所懸命になにかやりたくてつくった場所」

というコンセプトで企画されました。
あえてハングリーになれる場所をつくりました。

「TOBICHI」のなかでは、お金で表現できないような
贅沢なことが、次々に起こっていきます。

ほんとうにやりたいことなら、全力をつくす。

そのときには、大きな価値の洪水が見られます。

「TOBICHI」は、「ほぼ日」の立体化であり、
インターネット上のコンテンツのリアル化です。

「TOBICHI」で起こったことは、
インターネットの「ほぼ日」のほうに広がっていきます。

リアルの立体を、ネット上に変換することで、
リアルは波としてどこまでも広く伝わっていきます。

「TOBICHI」は、
建築やインテリアのカタログ(サンプル)でもあります。

ここにある什器や家具は、
製品として発注して買うことができます。

「TOBICHI」の使用料は無料です。

「つくるひと」は、コンテンツをつくって、
展示、販売することができますが、
その場合「TOBICHI」への手数料は無料です。

展示や催しについての経費や人の手配は、
すべて「つくるひと」の側で実行していただきます。

注)2017年秋に、この項目を変更。

展示・販売の手数料が無料ではなくなりました。

いずれは、企業などによる
「宣伝メディア」としての使用もあり得ます。

この場合は、メディア使用料を支払っていただきます。

「TOBICHI」は、さらに飛び地をつくるかもしれません。

それは、店というかたちでなく、チームかもしれないし、
別の会社になるかもしれません。
注)2017年6月にTOBICHI京都が誕生しました。

「TOBICHI」は、変化し続けます。

姿も、このままではありません。
コンテンツも変化しますし、建物も変化します。

「TOBICHI」は、動きません。

表参道の交差点を西麻布の方向に歩いてきて、
根津美術館の信号を左折して、
ひとつめの信号の角にある木でできた小さな建物です。

表参道の交差点にある交番から、「TOBICHI」までは、
歩いて10分もかかりません。
注)2021年1月に、神田にある本社ビルの1階に移転しました。

2014年8月 糸井重里

※注)は、これが書かれた2014年以降に備考として添えたものです。

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