さよならは、こんなふうに。 さよならは、こんなふうに。
昨年連載した
訪問診療医の小堀鷗一郎さんと糸井重里の対談に、
大きな反響がありました。
あの対談がきっかけとなって、
ふたりはさらに対話を重ね、
その内容が一冊の本になることも決まりました。



小堀鷗一郎先生は、
死に正解はないとおっしゃいます。
糸井重里は、
死を考えることは生を考えることと言います。



みずからの死、身近な人の死にたいして、
みなさんはどう思っていますか。
のぞみは、ありますか。
知りたいです。
みなさんのこれまでの経験や考えていることを募って
ご紹介していくコンテンツを開きます。
どうぞお寄せください。
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illustration:綱田康平
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お父さん、聞いてる?
うれしいね。
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私の父は、昨年末に急逝しました。



窒息です。餅に喉を詰まらせて!
えー?!
私は介護職なので、毎年
「水分と一緒にね、小さく切って食べてね」
と、さんざん声をかけていたのに。
77才。まだまだ早いとも言えるし。



母を40年前に亡くし、
男手ひとつで3人の子どもを育ててくれた。
思春期の頃は、もちろん反発し
口をきかない時期もあり。干渉が嫌で家出もした。
でも総じて、不器用で真面目な人柄が大好きだった。
聞けば何でも答えてくれる博識な父が自慢だった。



ある日、私の担当している利用者さんが
「あなたのお父さん、やさしい人でしょうね。
だってあなた良い人だもの!」
って褒めてくれた。
お父さん聞いてる? うれしいね。



まだ亡くなってから日も浅いので、寂しい。
でも、もうしばらく寂しい気持ちを味わうよ。



(なお)
2021-02-03-WED
小堀鷗一郎さんと糸井重里の対話が本になります。


「死とちゃんと手をつなげたら、
今を生きることにつながる。」
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『いつか来る死』
小堀鷗一郎 糸井重里 著

幡野広志 写真

名久井直子 ブックデザイン

崎谷実穂 構成

マガジンハウス 発行

2020年11月12日発売