さよならは、こんなふうに。 さよならは、こんなふうに。
昨年連載した
訪問診療医の小堀鷗一郎さんと糸井重里の対談に、
大きな反響がありました。
あの対談がきっかけとなって、
ふたりはさらに対話を重ね、
その内容が一冊の本になることも決まりました。



小堀鷗一郎先生は、
死に正解はないとおっしゃいます。
糸井重里は、
死を考えることは生を考えることと言います。



みずからの死、身近な人の死にたいして、
みなさんはどう思っていますか。
のぞみは、ありますか。
知りたいです。
みなさんのこれまでの経験や考えていることを募って
ご紹介していくコンテンツを開きます。
どうぞお寄せください。
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illustration:綱田康平
007 「めし食ってくれば?」
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2014年の2月に、
46歳になったばかりの主人を亡くしました。
前年の12月に診断がおり、
ステージ3~4の腺癌と診断されました。



主人は焼き鳥店を父と営んでいたのですが、
独立したいと準備をはじめていた最中でした。
「治療がうまくいけば」と未来を考えて、
お店の準備は止めないと決め、入院しました。



主人はだんだん病院食もとれなくなり、
口の中を冷やしたいとシャーベットのようなものしか
食べなくなっていきました。
そんな主人に付き添っていると
私も食事ができなくなっていて、
(職場ではなるべく食べるようにしていましたが)
主人は必ず「めし食ってくれば?」と
言ってくれていました。
最後の頃には声も出ず、ペンを持っても
やっと文字にできる状態で、
小さなメモに「めしくった」と書いてありました
(これが彼の最後の言葉になりました)。



彼とは同級生で、
23歳で結婚して子どももなかったので
「お互いが死ぬときについて」は
かなり話していました。
延命処置はしない、苦しそうであれば
痛みだけは取り除いて欲しい、できれば尊厳死を、等。
彼の母は「あの子の望みであれば尊重する」と言って、
彼の心臓が止まるそのときまで貫いてくれました。



その後、焼き鳥店は彼の弟が助けてくれて
今年で7年目を走っているところです。



(まるちゃん)
2020-11-11-WED
小堀鷗一郎さんと糸井重里の対話が本になります。


「死とちゃんと手をつなげたら、
今を生きることにつながる。」
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『いつか来る死』
小堀鷗一郎 糸井重里 著

幡野広志 写真

名久井直子 ブックデザイン

崎谷実穂 構成

マガジンハウス 発行

2020年11月12日発売


発行を記念して、
オンラインのトークイベントを行います。



日時:11/25(水)19:00

全国の紀伊國屋書店と紀伊國屋WEBで
『いつか来る死』を
ご購入くださった方に
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