Hobonichi Striped-T Institute

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轟木さんが「ほんとうに着たいボーダーシャツ」は、
「見ためしっかり、着てみたら気持ちいい」ボーダー。
そんな、かしこい「スマートボーダー」に向かって、
なかなかの難関と思われた、
「素材決め」をひとまずクリアしました。


そういえば、轟木さん、ピッチを決めるときに、
デザインについても言及されていましたね。
たしか、
「今回は、ジャストで着たときに
 きれいなシルエットになるデザインにしたいです」と。


座談会でもお話したのですが、
 わたしがベーシックな『総ボーダー』を
 ジャストサイズで着ると、
 小柄だからか、おしゃれしていない感じに
 見えてしまう気がして。
 さらりと一枚で着ても、きりっと見えるような、
 シルエットがきれいなボーダーシャツが
 できたらいいなと思います。」


ああ、なるほど、それはいいですね!
では、まず轟木さんのサイズで
きれいなシルエットになるように、
サンプルをつくっていきましょうか。


「えっ、わたしのサイズでいいんですか?!
 たぶん、一番小さいサイズなので、
 あまり平均的じゃないと思うんですが‥‥。」


轟木さんが最初のユーザーですから、
まず、轟木さんが着て納得できるものにするのが、
いちばんいいと思うんです。
サイズは、ほぼ日のTシャツでいうと、XSでしょうか?


「ほぼ日さん、すてきです!
 はい、XSで。
 ‥‥あのう、
 『スマートボーダー』のかたちを決めるとき、
 パタンナーさんを指名することはできますか?」


「パタンナー」とは、服の型紙を設計する人のこと。
この場合は、轟木さんがイメージしたボーダーシャツを、
実際のかたちにしてくれるのが、パタンナーさんです。
轟木さんおすすめの方が、いらっしゃるんですね?


「はい、専門学校のときの先輩なんですけど、
 いろんなブランドのパターンを担当していらして、
 どれも、きれいなシルエットになんです。
 スタイリングのために
 よくリースするお気に入りのブランドの服も、
 たまたまこの方がパターンをひいていらした、
 ということも多くて。
 この『スマートボーダー』のパターンも、
 ぜひ、お願いできたらと思っているのですが‥‥。」


ああ、それは、願ってもないことです。
むしろ、ありがたいことです。


「よかった!
 では、さっそく連絡してみます。」


そして‥‥。



うれしそうな顔をしている轟木さんのお隣が、
噂のパタンナー、森 千春さんです。
なんと、森さんは大のボーダー好きだそうで、
学生時代は毎日のように着ていらっしゃったんだとか。
実は、轟木さんが
ボーダーについて語る座談会のメンバーを考えたとき、
まず思いついたのは、森さんだったそうです。


森さんが参加した最初のミーティングでは、
森さんが持ってきてくださったボーダーシャツも含めて、
どんなかたちがいいのか、話し合いました。



轟木さん
「肩のはじまりを、このへんくらいまで
 首のほうに入れたいんです。」


森さん
「ここね。」


轟木さん
「腕は、先が細くなっているほうが
 きれいですよねー‥‥。
 森さん、どう思いますか?」


森さん
「轟木の好きなようにしたらいいと思うよ。」


実際にいろいろなボーダーを着ながら、
全体のシルエットを、細かいポイントまで決めていきます。
森さんが轟木さんを呼ぶときに、
「轟木」とよびすてにする感じが
お二人の距離の近さをあらわしていますね。


こんなふうに、じっくりと決めたかたち、
森さんがどう実現してくれたのかを、
次回、お伝えいたします!


轟木 節子(とどろき・せつこ)

スタイリスト。
1972年、熊本生まれ。
ファッション誌、カルチャー誌、広告などで幅広く活躍。
シンプルな中にスパイスの効いた、
独自の空気感が漂うスタイリングが人気。
ナチュラル志向なライフスタイルも注目されている。
モデル・女優の今宿麻美さんのフォトエッセイ
『HEART BALANCE』(双葉社刊)で
フォトグラファーとしてもデビュー。
日々のスタイリングのヒントがつまった
『毎日のナチュラルおしゃれ
着こなし手帖』
が発売中。

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