Hobonichi Striped-T Institute

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さぁ、井伊さん同様、
轟木さんも「生地」からつくりはじめます!


轟木さん、ボーダーのピッチや柄の入り方について
なにかお考えになっていることを、ありますか?


「細めのボーダーで、シャツ全体に縞が入っている
 『総ボーダー』タイプがつくりたいです。
 わたしが小柄だからか、太めのボーダーよりも
 少し細めのボーダーがたくさん入っているもののほうが
 しっくりくるんですよね。」



なるほど、そういえば轟木さんは座談会で、
「わたしの場合、総ボーダーは
 メンズサイズをゆったり着て、
 上下に無地部分があるパネルボーダーは
 ジャストサイズできれいめに着ます。」
と発言されていました。
ということは、着かたは「ゆったりめ」を
お考えですか?


「わたし個人が着る場合はそうなんですけど、
 それがみなさんによろこんでいただけるか、と考えたら、
 必ずしもそうじゃないかもしれませんね。
 わたしは、みなさんがよろこんでくれる
 ボーダーシャツをつくりたいので、
 今回は、ジャストで着たときに
 きれいなシルエットになるデザインにしたいです。」


着るときれいに見えるボーダーですね。
それはよさそうです!
デザインについてはまた後日に
詳しくご相談させていただくとして、
まずはボーダーのピッチを決めていきましょう。
轟木さんにも、パソコン上でつくったボーダーを
プリントアウトし、それを見ていただくことにしました。


「そういえば、以前、
 あるキャンペーンの一環として
 エプロンとポンチョが一つになっている
 『エプロンチョ』というものをつくったことがあって。
 3種類あるうちの1つを、ボーダー柄にしたんですよ。」


へぇー、そうなんですか!
では、轟木さんがボーダーのピッチを考えるのは
はじめてではないんですね。


「はい。でも、考えたといえるのかな‥‥?
 関わった人しか知らないと思うんですけれど、
 実は、そのボーダーのピッチは、シャレで決めたんです。
 北海道のジャガイモとエプロンチョが当たる、という
 キャンペーンだったので、
 ボーダーの一本の太さを『8.31cm』にして。」


『8.31cm』、ですか‥‥?


「『ヤサイ(831)』なんです(笑)。」


なるほど!(笑)。


「今回も、なにか語呂合わせができればいいなぁ、と
 思っているんですけど、なかなかいいアイデアが‥‥。」


あ、ええと、轟木さん、今回はそれよりも、
轟木さんが「いいな」と思ったピッチにするのが、
いいかもしれません。


「そりゃそうですね(笑)。
 お気に入りのボーダーをいくつか持ってきているので、
 ちょっと測ってみましょうか」


結果は、7mm:13mmと、8mm:14mmでした。


「なんとなくですが、
 縞は7mmくらいの太さが好きです。
 ベースの部分は、もう少し広くしたいかも
 そうすれば、大人が着やすくなると思うので」



轟木さんは、なんと0.1mmの単位で
調節、検討を重ねていきました。
そして、たどりついた理想のピッチは、
6.7mm:15mm!



そして、井伊さん同様、同時に色の候補もえらびます。
ピッチを語呂合わせにしたいと考えた轟木さんらしく、
「レッドとブラウンの組み合わせって、
 ベリーや木の実のようでかわいいですよね」
そんな独自の視点から、たのしそうに、
かつ悩みながら色を選んでくださいました。



決まったのは、こちらの7色。



・オフホワイト
・レッド
・きなり
・チャコールグレー
・ネイビー
・濃紺
・ブラウン


ベーシックながらも、遊び心のあるチョイスです。
轟木さんが、これらの色を
どのように組み合わせるのかたのしみですね。


次回は、
「スマートボーダー」の一番のキモともいえる、
「素材」を決めます。


轟木 節子(とどろき・せつこ)

スタイリスト。
1972年、熊本生まれ。
ファッション誌、カルチャー誌、広告などで幅広く活躍。
シンプルな中にスパイスの効いた、
独自の空気感が漂うスタイリングが人気。
ナチュラル志向なライフスタイルも注目されている。
モデル・女優の今宿麻美さんのフォトエッセイ
『HEART BALANCE』(双葉社刊)で
フォトグラファーとしてもデビュー。
日々のスタイリングのヒントがつまった
『毎日のナチュラルおしゃれ
着こなし手帖』
が発売中。

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