HOBONICHI

つきのみせ。2021 私たちのほしい、心地いいもの。

毎日を気分よく過ごすためのアイデアを
たっぷりつめこんだ「つきのみせ」。
身体を締めつけず、気持ちのいいアイテムに、
うれしい声もたくさん届きました。

今年は周りからアイテムを教えてもらったり、
下着から選択肢を広げてみたり、
私たちのほしい「心地いいもの」を、
もっと、突きつめて考えてみました。
揃ったのは、シルク100%や大人っぽい色展開の下着、
乗組員や周りの方々が毎日に取り入れているアイテムなど、
気分よくなるアイテムがずらり。
ぎりぎりまでデザインや製造に時間をかけたため、
順次販売になりましたが、
どうぞ楽しみに待っていただけたらうれしいです。
ご一緒した方々に伺った開発やデザインのお話をお届けします。
※前編はこちら。

琵琶湖のほとりにあるばら農園・WABARAさん。
自然と共生するばらの現場を周りながら、
ばらへの思いや自身で開発するアイテムのお話を聞きました。
ハウスでは、WABARAをつくりだす
育種家の國枝啓司さんにお話を伺いました。
ほぼ日
はじめまして、
今日はお邪魔させてもらっています。
啓司
國枝啓司です。
ゆっくり見ていってください。
ほぼ日
あの、とっても素敵なばらの名前は、
啓司さんが決められているんですか?
バラ園に行った際に、
品種を開発された方が名付けられていると
読んだことがありまして、
啓司
うちの場合は、健一とふたりでほとんど名付けます。
名前をつけられるのは、生み出した人の特権なので、
娘と孫4人の名前のばらもあります。
健一
「葵」「ひより」「環」は子どもたちの名前のばらです。
ほぼ日
自分の名前がばらに……!
うらやましいです。
啓司
この八重桜のようなばらは、「花見小路」と言います。
京都の祇園にある花見小路通の桜並木の
八重桜にちなんで命名しました。
僕は、ばらの形や色から直感的に
名前をつけることが多いですが
息子は、そのばらのある風景や、
日本語のことばの意味も考えて名付けているようです。

岬や奏など、ひとの名前のような名前も多いので、
うちのばらは、「◯◯ちゃん」と
名前のように呼んでくださる方も多いんです。
ほぼ日
啓司さんはばらをつくられる際に
どんなことを大事にしていらっしゃいますか?
啓司
そうですね。
変なことを言うかもしれないけれど、
「ばららしくない花」を目指してつくっています。

ばらって、どうしてもエレガントな
イメージがあると思うんです。
プロポーズのときの花束のような、
日常とは少し違うシーンで使われるような。

だけど、僕はお部屋の中にそっと一輪飾りたくなるような
可愛らしいばらを目指していて。
風にたなびくような感じというんですかね。
ほぼ日
WABARAのばらは
可憐で、やさしい感じがします。
だけど個性がありますよね。
啓司
見た目は繊細なんだけれど、
芯があるというんですかね。
そういうものをつくりたいです。

あとは、あまり一つの決まった色や形に
縛られないように、花びらの数や形も様々で、
”WABARA”として全体で調和するような、
微妙な色の違いも大切にして、
グラデーションになるように意識しています。
健一
僕も「狙いにいかないことを大事にしてほしい」と
父によく伝えます。
作為的であればあるほど美しいばらから
遠ざかってしまうと思うので、
父のセンスや直感に任せてもらったほうが
いいばらが生まれる気がしているんです。
啓司
ばらの品種改良の歴史の中では、
「香り」よりも「お花の持ち」が
優先されてきてしまったのですが、
僕は、ばらは香りも魅力の一つだと思って、
様々な香りのあるばらも生み出してきました。

農園に来てくれた人は、
100人いたら100人、
みんなばらを見るとに顔を近づけて香りを嗅ぐんです。
香りを嗅ぐとパッと表情がやわらかくなる。

地域の小学生も毎年見学に来てくれるのですが、
退屈そうにしていた子も香りを嗅ぐと一瞬で
表情が変わって、他のばらも…って
どんどんばらにはまっていくんです。
ほぼ日
啓司さんがこれまでつくられてきた中で、
最も思い出深い品種はありますか?
健一
それは、シャルロット・ペリアンでしょう。
父自身「最高傑作だ」とよく話していますから。
啓司
そうですね。
自分の名前を付けたかったくらい、気に入っています。
▲シャルロット・ペリアン
健一
このばらは、フランスの建築家で、デザイナーとしても
活躍したシャルロット・ペリアンに捧げられたばらです。
日本とも縁が深いこともあり、
様々なご縁が重なって、
お名前をつけたばらが生まれることになりました。
ルイヴィトン美術館で開催された没後20年の大回顧展の
オープニングパーティーでも配っていただきました。

パールのような光沢と艶やかさ、
これまでのばらにない質感を持っています。
啓司
いわゆるばららしい、華やかさを抑えながらも、
華ぎのあるばらというのは
僕の目指す究極のばらの姿の一つでして、
それをよく表現できたと思っています。
花びらが開いてくると、
次第に色味や香りが変わってくるのも楽しいです。
ほぼ日
なるほど。
ご自身の思い描いた花を形にできるなんて、
あらためて育種家は素晴らしい職業ですね。
お仕事の合間に、ありがとうございました。
啓司
こちらこそありがとうございました。
ほぼ日
健一さんは、
もともと東京で働いていらっしゃったんですよね。
健一
そうです。
東京の大学に行って、会社につとめて、
そこを辞める瞬間まで
家業を継ぐ気なんてゼロでした(笑)。

ですけど、都内で働いていたときに、
お祝いの機会があるたびに
父親のばらを持っていってたんです。
そうしたら、ものすごくよろこばれて。
ふつうのお花屋さんで買うものに比べて
日持ちもするし、色もきれいだと言ってもらって、
自分の家のばらの良さに
少しずつ気づいていきました。
ほぼ日
遠くにいるからこそ、
気づくことはありますよね。
健一
そうですね。
帰省して実家を手伝うとわかったのは、
花市場に売り出されたら、
生産者が消費者さんを知らないことが当たり前。
これだけ個性的なばらなのに
しっかり伝わらないのはもったいないと思いましたし、
構造を変えることで新しい生産者の形が生まれると思って
2006年から「ローズファームケイジ」に
関わりはじめました。

父がこれまでにオリジナルで作っていたばらを
「WABARA」と銘打って、販売し始めました。
ほぼ日
ばらはどんなところが魅力的ですか?
健一
世界中の人が知っているお花で、
みんななんとなくイメージを持っている。
でも、思いのほか色も形も、
また樹形にいたるまでさまざまで
まだまだ世界中の人がしらない
バラの世界を見せていけるところですね。
これが最高におもしろいところです。

加工も同じで、
やれることがたくさんあると思っています。
まだまだ実験や研究のしがいがありますし、
自由で可能性が大きいのがおもしろいですね。
ほぼ日
啓司さんのお話でも、
一つの色や品種にしばられず
自由につくっていらっしゃるのが印象的でした。
健一
基本的に、自分たちが好きだと思える
「きれいなばらをつくる」
ということをベースにしています。
何をもってきれいなのかというと、
僕らの場合は季節や環境に応じて
自分の力で育っている力強いばらが
いちばんなんじゃないかと思っていて。
ほぼ日
なるべく作為的にならないように、
土や環境づくりを徹底されていますもんね。
健一
時間も手間もかかるけれど、
ばらのあるべき姿や普遍性を追求して、
純度の高いものをつくりたい。
なので、加工する際にも、
なるべくばらの純度を保ったまま
毎日使いたくなるようなものを開発しようと、
「ばらの生体水」や「はなびらシロップ」を作りました。

ばらは昔から世界中で食されてきたんですよ。
WABARAは美味しい野菜を作るのと同じ、
土づくりにこだわり育ててきたばらなので、
きっと食べたら美味しいはずだと。
美しいばらは美味しいんじゃないかと。
ほぼ日
美しい=美味しい。
健一
そう思ったんです。
美しいばらをつくるために、
いちばんいいと思ったのが自然の成り立ちに
即した栽培方法だった。
そして、食用に加工する際はなるべくシンプルに、
自然と科学の力を借りながら
純度の高いものを開発するようにしています。
ほぼ日
美しいばらから食品まで開発されているんですね。
今回は「わたしが心地よく過ごすヒント。」の
シリーズ第1弾として、
毎日に取り入れやすいもので、
WABARAさんの香りやばらそのものを
自宅で楽しんでもらえるものを
セレクトさせていただきました。
ほぼ日
まずは、「ばらの生体水」。
こちらは、どんなものでしょうか?
健一
うちで育てたばらの花びらから
水分のみを抽出した、
ばらのエッセンス100%の
食品としてのローズウォーターです。
熱に弱い成分も壊さないように
45℃以下で抽出していますので、
ばらそのものの香りと力を取り入れられます。

WABARAの水分を、
そのまま自分の身体の中に取り入れる感じなので、
とっても気持ちがいいですし
ダイレクトに香りに癒されると思います。
ほぼ日
お水に数滴垂らすだけで、
ばらが身体の中に浸透する感じがありました。
健一
そう言っていただけて、よかったです。
お水や炭酸水に混ぜたり、
原液で舌下に垂らすのもいいですね。
ほぼ日
白湯に数滴垂らして
飲んでるほぼ日の乗組員もいます。
やさしくやわらかい香りが心地いいですね。
健一
ばらそのものの香りがなるべく残るように工夫して、
低温真空抽出法という技術を使っています。
この技法だと、ばら以外のものを
何も混在させずに生体水をつくることができます。
花びらを釜に入れて、
乾燥した花びらと水分に分離させて、
水分を「生体水」にしています。
ばら以外の水を一切加えていないので、
香りもほんとうに豊かです。
ほぼ日
ばらの品種もブレンドされていないですよね。
健一
ばらそのものに個性がありますし、
ばらそのものを楽しんでもらいたいので
あえてブレンドはしていません。
ほぼ日
いくつか香りがある中からチームで人気の高かった、
「かおりかざり」と「結」を選びました。
この2つはWABARAさんでうまれた
ばらのお名前なんですよね。
▲かおりかざり
健一
「かおりかざり」はその名前の通り、
香りを飾るような気持ちになれる
豊潤な香りを持つばら。
切り花でもよく香るので、生体水にすると、
WABARAらしさをより感じてもらえると思います。
「結」も香りのタイプが違いますが、
とてもよく香るばらです。
甘みと爽やかな香りが口の中に広がります。
▲結
ほぼ日
今回はこの「ばらの生体水」とばらの花束を
セットでお届けします。
特別に、ばらの花束の中に生体水に使用している
「かおりかざり」や「結」を入れてくださるんですよね。
▲「かおりかざり」が入った花束。
(写真はイメージです。「かおりかざり」以外の使用品種は65品種のばらからランダムに
お届けいたします。品種をお選びいただくことはできません。)
▲「結」が入った花束。
(写真はイメージです。「結」以外の使用品種は65品種のばらからランダムに
お届けいたします。品種をお選びいただくことはできません。)
健一
ばらとして、生体水として、
いろんなたのしみかたを味わってもらえたらと思います。
ばらの切り花は、私たちの象徴でもあるので、
その季節に収穫できたものを束ねてお届けします。
夏は天候の関係上、少し小ぶりなものになります。
ですが香りや中間色は
WABARAらしさを感じられるものですので、
贈り物にはもちろん、
ご自身へのご褒美にもおすすめです。
ほぼ日
そしてこちらは、「はなびらシロップ」。
健一
春に摘みたてのダマスクローズの花びらを、
グラニュー糖ときび糖のシロップにつけたもの。
一瓶に10輪以上のばらが使われていて、
ばらの香りがとっても豊かです。
シロップは、薬膳師であるLUDENS
田淵シェフにつくっていただいています。

薬膳の知識を盛り込みながら
田淵シェフがアレンジしてくださったことで、
身体を整えてくれるものになりました。
田淵
薬膳的に、きび糖は身体を温め、
白砂糖(グラニュー糖)は
口や肺をうるおす効果もあると言われています。

きび糖とグラニュー糖だけで
シロップのベースをつくって、
火を止めた状態でばらの花びらを入れて
数日漬け込みます。
加熱をしないので、
WABARAのやさしい香りが残るんですよね。
ほぼ日
田淵シェフとのお付き合いは長いんですか?
健一
以前、僕たちがWABARA Cafeというものを
やっていまして、
その時にメニューの監修をしてもらっていました。
田淵シェフは食材への愛情が深く、扱い方が
とっても優しくて、所作がきれいなんですよ。

東洋的なマクロで相対的な側面から
WABARAは表現したり解釈していきたいので、
薬膳の身体と調和させる考え方は
WABARAの大事にしていることとつながりますし、
新たなばらの楽しみ方になっていると思います。
ほぼ日
みなさんはどんな風に使ってらっしゃいますか?
健一
小さなグラスに原液を入れてそのまま飲むのもいいですし、
シェフのお店では季節のフルーツに合わせて
炭酸割りでいただいたこともあり、おいしかったです。
田淵
僕のレストランでは、
夏はグレープフルーツを絞って
シロップと炭酸で割っています。
柑橘系のフルーツは、なんでも合いますね。
桃など味がしっかりあるものもおすすめです。
僕は角煮や煮込みなど、
料理にも積極的に使いますね。
ほぼ日
美味しそうですね!
健一
自宅にいる時間が増えたこともあるんでしょうけど、
去年から直接お花やシロップを届ける機会が
圧倒的に増えました。
みなさん、癒しを求めていらっしゃるのかもしれません。
僕たちもばらの生産の可能性を探りながら、
どんどんみなさんにWABARAを知ってもらいたいですね。
ほぼ日
私たちもWABARAさんの農園にお邪魔して、
心も身体も癒されました。
ありがとうございました!
(おわります。)
つきのみせ。「わたしが心地よく過ごすヒント。」
WABARA

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