HOBONICHI

つきのみせ。2021 私たちのほしい、心地いいもの。

毎日を気分よく過ごすためのアイデアを
たっぷりつめこんだ「つきのみせ」。
身体を締めつけず、気持ちのいいアイテムに、
うれしい声もたくさん届きました。

今年は周りからアイテムを教えてもらったり、
下着から選択肢を広げてみたり、
私たちのほしい「心地いいもの」を、
もっと、突きつめて考えてみました。
揃ったのは、シルク100%や大人っぽい色展開の下着、
乗組員や周りの方々が毎日に取り入れているアイテムなど、
気分よくなるアイテムがずらり。
ぎりぎりまでデザインや製造に時間をかけたため、
順次販売になりましたが、
どうぞ楽しみに待っていただけたらうれしいです。
ご一緒した方々に伺った開発やデザインのお話をお届けします。
美しい、という言葉を象徴する気品と魅惑的な香りで、
化粧品などに「心地よいもの」として多用されているバラ。
心地よくするためのヒント座談会で
ばらのエッセンスを抽出した「生体水」を
愛用している乗組員がいたことから、
つきのみせチームも興味を持ったのがWABARA(和ばら)さんです。
ばらの強い香りがすこし苦手な乗組員も、
WABARAさんのやさしく、やわらかい香りは心地よく香ったよう。
つきのみせの新シリーズ「わたしが心地よく過ごすヒント。」として
お届けするために、6月に、
私たちは滋賀県にあるWABARAの産地を訪れました。
photo:Takahiro Motonami
WABARAがあるのは、滋賀県の琵琶湖のほとり。
4ヘクタールもある広大な農園は緑豊かで、
視界を遮るものがなく、大きな青空の下、
ばらたちが思い思いに育っています。

出迎えてくれたのは、
WABARAを育てる「ローズファームケイジ」の
國枝啓司さんと國枝健一さん。
健一さんの父であり育種家である國枝啓司さんが
2003年に立ち上げ、現在約65品種の和ばらを栽培しています。
ばらの可能性を切り拓いていったのは健一さん。
美しいばらは美味しいのではないかと、
切り花だけでなくばらを用いた食用のアイテムも手がけています。
「野山の環境にならって土を作り、
無農薬無肥料で過剰な操作をせず、
ばら自身が“自立して”育つように育てています。
繊細な花びらや中間色のグラデーションが特徴です」と啓司さん。

食用のばらは露地栽培。
太陽の光をめいっぱいに受け、
野花や雑草が所狭しと咲く、自由で力強い畑。
そんな畑に放たれ、多様な生きものたちと共存し、
命を育む自立したばらは、一般的なばらのイメージとは真逆の、
「自然と共生するばら」そのものです。
外の畑を案内いただきながら、お話をうかがいました。
ほぼ日
ここに食用のばらが植わっているんですね。
健一
外にはローズヒップやダマスクローズが植わっていて、
ビニールハウスの中では
食用に育てている和ばらの品種を育てています。
だいたい、春と秋から初冬にかけてが収穫時期なので、
春の収穫を過ぎた今はだいぶ雑草が伸びてきましたね。
ほぼ日
ばらを見つけるのが難しいくらい、
ワイルドな環境というか(笑)。
健一
あはは、そうですよね。
外は過剰に手を加えずに、
ある程度野放しにして育てています。
水や土や空気、微生物の動的なバランスが大切なので、
なるべく自然の野山に倣って
栽培できるようにしているんですよ。
ほぼ日
イメージと全然違いました。
もっと、高尚で整理された環境を
想像していたので。
健一
ばら自体、もともとは野に咲く花ですからね。
ほぼ日
そうしたばらをつくりたいと思ったのには
理由があったんですか?
健一
作り手として長年やってきましたが、
本来のお花の在り方ではない状態、
つまり、手を加えて作り込んで、作為的になればなるほど、
ばらへの違和感が強くなると感じました。
それはきっと、切り花として部屋に飾ったときや、
食べたときに、なんとなく感じるのだけれど、
実は大きな違和感になるのではないかと。

なので、花たちが自然界の中で生きていくために
培ってきた栄養分やエネルギーを、
そのまま形にすることが
本当の意味での美味しさや美しさになると思い、
なるべくこちらが主として
手を加えない育て方をしています。
ほぼ日
自然の秩序を保ったままの方が、力強くなれると。
健一
実際に栽培してみても、そう思います。
お花の日持ちや絶妙な色合い、栄養バランスは、
その時々の変化はありますが、
自然の摂理に近づけるほど良くなっているように感じます。
でも、その自然の摂理の理解が、
まだまだ難しいんですけど。
ほぼ日
環境も、自然に恵まれていますよね。
すぐ近くには琵琶湖があって、
向こう側には比叡山が見えますね。
健一
農園の奥には、内湖とよばれる、
琵琶湖の原風景を残したような
緑豊かな入り江があります。
その風景がとてもきれいだったので、
ここに新しいFarmをつくることを決めたんです。
それが2016年でした。

初めてここを訪れたとき、
琵琶湖と地続きに見えたんですよ。
畑と湖の境界線がまるで、ないような。
アイレベルで水面が見えるのはすごく魅力的ですし、
僕自身小さい頃からここで育ったので、
「自然と共生する」という感覚を
一番感じられる場所なんです。

実は、うちの敷地内の電線は、
すべて地中に埋設しているんですよ。
ほぼ日
へえ!それはどうしてですか?
健一
空が広く見えるようにしたかったからです。
昔から使っている温室にも、
近くに電線がなかったんです。
そこで、線がないと空が広く見えることを知って、
なんて贅沢できれいなんだろうと。
ほぼ日
ばらが育つ環境の「景色」も
大事にされているんですね。
健一
やっぱり、風景も土も空気も、
営みすべてがWABARAを象徴すると思います。
WABARAが好きで、世界中から訪れてくれる人が
景色からもWABARAを実感できるような、
生誕の地としてふさわしい場所を選びました。
ほぼ日
日常的に手にするばらの
ツンとして高尚なものと違って、
やさしくやわらかい印象を受けたのは
育てかたや環境の違いにあったのかもしれません。
何名でばらを育てていらっしゃるんですか?
健一
地域のシルバーさんに手伝ってもらったりもしながら、
20人ぐらいのスタッフで栽培から、出荷、
お客さまへの発送までしています。
ほぼ日
初歩的な質問になってしまい恐縮なのですが、
ばらを育てる工程を教えていただけますか。
健一
うちの場合は品種から作っているので、
育てる工程の前に、
ばらの「品種開発」というものがあるんです。
ほぼ日
お父様の肩書きは、
ばらのあたらしい品種を開発する
「育種家」ですもんね。
初めて耳にした職種でした。
健一
父は育種家となって、40年です。
自分が思い描いたばらをつくるために、
親となるばらを決めて、
交配させて種をつくることで
あたらしい品種のばらを生みだすのですが、
何千と種をまいても切り花に向くばらは
ほんの数種類あるかないかで、なかなか生まれないので、
本当に難しいですね。

いい品種が誕生したら、
栽培に入っていきます。
ばらの場合は、交配、交雑が繰り返されているので
種での品種固定ができません。
そのため苗でばらを増殖させる必要があります。
接木というクローンを作る技術を使い、苗木をつくります。
これは特殊な技術と設備がいるため、
外注してお願いしています。
苗木を作っていただいている間に、
農園の方では、苗木を植えるための「土」をつくります。
ほぼ日
HPで拝見しました!
ふかふかの土があるんですよね。
健一
僕らのような栽培の仕方の場合は、
土づくりはもっとも大事なことです。
土壌中の微生物を1gあたり
10億匹以上いる状態を目安にしていて、
そのような状態に持っていくために、
いろいろな特性をもつ有機物をブレンドし、
土ごと発酵するような形にします。
ハウスの中の土もぜひ、見てください。
切り花が育てられている、
ビニールハウスの中へ。
ほぼ日
ほんとだ、土がふかふかですね。
土以外のものも混在していますね。
健一
米ぬかや牛ふんなど、
微生物の餌になるものを定期的にまいて、
菌を増やしています。
微生物が栄養素を分解してくれることで
植物が土の中の養分を吸えるようになるんです。

過剰な養分を与えられずに育った花は
繊細だけど内に秘めた力強さがある。
お家で花瓶にいれてもらってからも、
そのたくましさは実感してもらえると思います。
ほぼ日
よく見ると、
サイズや色が絶妙に異なるばらが
たくさん咲いているんですね。
健一
だいたい、一列に一品種ずつになっています。
お客さまに届いた時に満開になるように、
蕾の状態で収穫するので
観光農園のばら園とはイメージが違うかもしれません。

収穫してそのままブーケになるような、
どのお花をあわせても調和する色が多いのも
WABARAの特徴です。
ほぼ日
はっきりと色名を付けられないような、
やさしい色合いですね。
これはなんというばらですか?
健一
WABARAで人気の「葵」という品種から派生した、
「葵シリーズ」の一つで、「葵〜風雅」という
くすんだピンクの絶妙な色彩を持つばらです。
葵の個性を軸に、さらに優しく自然で淑やかな姿を感じて
「葵〜風雅」と名付けました。
健一
ほかにもいろいろ摘んできますね。
健一
こちらは「凪」というばらです。
こちらも「葵シリーズ」の一つ。
れんげのような花姿で、ばらから華やかさを引いたような、
野に咲く草花のような可愛らしさがある。
健一
こちらは、「葵~七~」という品種です。
こちらも「葵シリーズ」の一つで、
7番目に生まれたから「葵〜七〜」。
一輪のなかで色のグラデーションを楽しめます。
あまり香りは強くないのですが
やわらかい雰囲気はお客さまにも好まれています。
ほぼ日
どのばらも色がやわらかくてきれいで、
花びらのつきかたや大小が異なるので、
花束として持ったときのまとまりが
とってもきれいです。
(つづきます。)
つきのみせ。「わたしが心地よく過ごすヒント。」
WABARA

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2021年8月27日(金)〜29日(日)
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今回ご紹介するWABARAの
可憐なたたずまいや繊細な香りを
実際に体感していただける
プチマルシェをTOBICHI東京で開催いたします。
WEBでは販売しないミニわばら束や
さまざまな和ばらの生体水をご用意しますよ。
お越しになれるかたは、
ぜひご自身の目と鼻で、
WABARAの世界を体感してみてください。

くわしくはこちら