ほぼ日刊イトイ新聞

やさしいタオルのつくりかた

「やさしいタオル」はふんわりやわらかで、
吸水性の高いタオルにするために、
さまざまな工夫をこらしています。
糸づくりに2ヵ月、
染めや織りにさらに2ヵ月。
4ヵ月の長い時間をかけて、
四国・今治のタオル工場で、
ていねいにおつくりしています。
ここでは、「やさしいタオル」をはじめて知るかたや、
よりくわしくお知りになりたいかた向けに、
「やさしいタオル」ができるまでの流れと
「やさしいタオル」ならではの工夫をお伝えいたしますね。

ふんわりやわらかで吸水性に優れた糸をつくる

ふんわりやわらかで、吸水性が高く、
軽くて乾きやすい「やさしいタオル」は、
パイル面に最高級のスーピマコットンを使い、
糸の太さや、より方にも、
特別な工夫をこらしています。
ここでは「やさしいタオル」の
糸についてご紹介いたしますね。

「やさしいタオル」のパイル面には、
世界のコットンの生産量の0.5%にも満たない
希少な超長繊維綿スーピマコットンを使っています。
スーピマコットンは、
・繊維が長くて強く、けば立ちが少ない。
・しなやかでやわらかい。
・吸水性に優れている。
・上品な光沢があり、滑らか。
という特長があります。

スーピマコットンを使うだけでも、
たいへん贅沢なことなのですが、
「やさしいタオル」では、
この糸にさらに、ふっくらとしたはりと、
エレガントな光沢をもたせるために、
「LA加工」という特別な加工をほどこしています。

いっぱんの綿繊維は乾燥すると水分が抜けた分、
ぺちゃんこになり、しわができます。
そして、洗濯と乾燥を何度も繰り返すうちに、
そのしわが増えて、次第に型くずれしていきます。
ところが、このLA加工をほどこすと、
糸がふっくらして、
乾燥してもぺしゃんこになりません。

LA加工あり
▲断面 ▲側面

LA加工なし
▲断面 ▲側面

LA加工をほどこすと、
ふっくらとやわらかくなり、
ハリとコシ、光沢がでてきます。
また、パイルが乱れて、寝てしまうこと防ぎます。

▲LA加工あり ▲LA加工なし

「やさしいタオル」のパイル面の糸は、
ゆるくゆったりと紡いだ極細の糸を
2本あわせて1本の糸にして使っています。
これを「双糸」と呼びますが、
双糸にしたことで、
・よれにくい。
・パイルがふっくら立つ。
ことを実現しています。
もう少しくわしくご説明いたしますね。
1本ずつの糸は、
反時計回りの方向によられています。
ゴムをねじったところを
ご想像いただくとわかりやすいのですが、
よられた糸は元に戻ろうとして、
次第にねじれていきます。
そこで、「やさしいタオル」は
糸のねじれを防ぐために、
糸をよった方向とは逆の時計回りにひねりながら、
2本の糸を1本に仕上げて使っています。
このことで、
できあがりの糸のねじれの力のバランスがとれて、
ピンとしたまっすぐな糸ができ上がるというわけでした。
「やさしいタオル」のふわふわで、
ぴんっと立ち上がったパイルは、
糸の素材ばかりでなく、太さやより方まで
工夫をこらしたことで生まれています。

ところで、「やさしいタオル」の糸は、
綿紡績で百年以上の歴史を持つ
日清紡さんにお願いして作っています。
LA加工の糸をつくる特別な技術をお持ちで、
日本で唯一製品化している会社です。
「やさしいタオル」の糸は、
日清紡さんで2ヵ月かけて作り、
四国・今治のタオル工場、花椿テリーさんに運ばれ、
織り上げています。

日清紡さんでの糸づくりの現場レポートもごらんください。

「やさしいタオル」のガーゼ面は、
木綿の風合いを大切にするために、
パイル面の糸とは違う糸を使っています。
横糸はいっぱんのガーゼの
1.3倍の太さがあります。
ガーゼの糸を太くしたことで、
水分をたっぷり保水してくれます。
また、縦糸はやわらかさを保ち、
よれやねじれを防ぐため、
細い2本の糸をよりあわせて双糸にしました。
この糸の太さやよりの工夫で、
ガーゼ面の風合いのよさ、丈夫さ、
そしてやわらかさを
兼ね備えることができました。

   
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