TOPIC 1
オリジナルニットがデビューします

洗える・透けない・
ダレない・崩れない。
パールが映える、
ふだん着ニットができました。

HOBO SIRI SIRIのジュエリーはどれも、
ふだん着に合わせることを念頭にデザインされています。
じゃあ逆に「ジュエリーに合うふだん着」を、
ブランド自身がつくってみてもいいんじゃないか。
そんなわけで、HOBO SIRI SIRIオリジナルでつくった、
「パールが映えるニット」がデビューします。
デザインは、「山のコレクション」でもごいっしょした、
ニットブランド「Nahyat(ナヤット)」のデザイナー、
依田聖彦さんにお願いしました。
「パールが映えるニット」がどんなふうにできたのか、
依田さんと、依田さんの盟友であり、
今回ヤーンアドバイザーをつとめてくださった、
佐野貢士さんにお話をうかがいました。

めざしたのは、
上品だけどタフなニット。

──
「パールのジュエリーが映えるニット」という
風変わりなオファーに応えてくださって、
ありがとうございました。
思った以上にいいものができた気がします。
依田
そう言っていただけるとうれしいです。
ありがとうございます。
依田聖彦さん
──
デザインするとき、どんなことをお考えになりましたか?
依田
まずは、どういう素材感がいいんだろう?
というところからイメージしていきました。
パールのジュエリーに合わせるなら、
あるていどのエレガントさはほしい。
でも、あくまでも「ふだん着」ですから、
カジュアルにも対応できて、デイリーに使えるほうがいい。
デニムでも、モードっぽいスカートでも、
どちらでも合わせられたらいい。
そんなふうに考えながら、選択肢を絞り込んでいきました。
──
その結果、コットンシルクの素材をご提案いただきました。
ひとことでコットンシルクといっても、
きっといろんなバリエーションがあると思うのですが、
今回採用した素材のいちばんの特長はなんでしょう?
依田
「強撚」という、つよく撚られた糸を
使っているということです。
「上品だけどタフ」っていうのが、
めざすべきバランスだと思ったので。
──
強撚の糸にすることで、そういうバランスになる?
依田
はい、シルク混特有のなめらかさや光沢はありつつ、
なよなよしない。
でも着るとちゃんと落ち感があって、きれいに見える。
肌ばなれもいいので、着ごこちも快適だと思います。
──
なんだかいいことずくめです。
依田
パールのジュエリーとの相性だけ考えれば、
やわらかくて繊細な素材もきっと合うと思います。
でもそれだと、家で洗濯しながら1シーズン着たら、
たぶん綿のボソボソした感じが目立ってくる。
さいしょはきれいに仕上がるけれど、
いい状態を保てる期間はみじかくなる気がします。
──
そうか、あるていどラフに扱っても
きれいな状態を保つために‥‥
依田
強撚にして糸自体の強度を上げているわけです。
佐野
それと、ふつうニット用の糸は、
双糸、つまり2本の糸で撚糸することが多いのですが、
今回は「三子(みっこ)」といって、
糸を3本をまとめて撚糸しています。
佐野貢士さん
依田
そうすることで、編地の表面がきれいに仕上がります。
2本より3本のほうが糸の断面が丸いかたちに近づいて、
編地が立体的で、なめらかな表情になるんです。
佐野
双糸だと、ちょっとペターッとするよね。
依田
そう、3本だと表面の凸凹がきれいにそろうから、
光沢もきれいに出てくれる。
パールが映えるフレンチスリーブ(ライトグレー)

洗えて、
透けない・ダレない・崩れない

──
いま「家で洗濯しながら」という話が出ましたが、
今回ぜひ実現したかったのが、
「家庭で洗える」ということでした。
実際、洗ってもだいじょうぶでしょうか?
依田
はい、だいじょうぶです。
たくさんの洗濯ものといっしょにするとか、
乾燥機にかけるとか、
むちゃな洗いかた、むちゃな干しかたをしなければ、
ご家庭で手洗いしていただけます。
──
たとえば洗濯機の設定を
「手洗い(おしゃれ着洗い)モード」とかにして、
ネットに入れて洗えば、それでもいいですか?
佐野
はい、それでOKです。
ウール・おしゃれ着用の中性洗剤を使ってもらえたら、
なおいいと思います。
──
わかりました。
注意書きに入れておきます。
佐野
ちなみに、ニットの「洗える・洗えない」には
2つ大きな要因があって、
「縮み」についてはみなさんわりとよくご存知ですが、
もうひとつ「型くずれ」があるんです。
──
ああー、型くずれ。
佐野
「パールが映えるニット」は、
糸が強撚になっていることと、
度目(どもく)を限界まで詰めて編んでいるので、
型くずれにつよくなっています。
依田
いわゆる「度詰め」というやつですが、
これには「透けない」というメリットもあります。
──
ああ、それはよろこばれる気がします。
女性はみなさん、透けるのを気にされますから。
洗ったり着込んでいったりしたときの、
風合いの変化はいかがでしょうか?
佐野
あんまり変わらないと思います。
依田
今回、「透けない・ダレない・崩れない」の
三拍子を実現したつもりです。
──
いいですね。
「洗える」も入れたら四拍子だ。
家で洗えて、風合いもあまり変わらなければ、
ふだん着として、とても重宝しそうです。

出産してすぐの妻が褒めてくれた

──
かたちのほうはいかがでしょうか。
身ごろはゆったり、ふわっとしていて、
裾と袖がきゅっと締まっているのがユニークです。
依田
「ほぼ日」のお客さまは年齢層が広いということなので、
できるだけどんなご体型でも合うことをめざしました。
体のラインをひろわないようにしつつ、
ニットとして締めるべきところ、つまり裾と袖は、
きちんと締めるようにしています。
パールが映えるボートネック(ダークネイビー)
──
ゆるゆるじゃない。
ゆとりがあるだけだと、だらしなくなりがちですもんね。
依田
はい、デザインとしてキリッとしている部分があるのは、
ジュエリーと合わせるという点で重要だと思ったので、
そこはかなり意識しています。
──
世の中にある多くの服は、スタイリッシュかリラックスか、
どっちかに振れちゃってる気がします。
依田
まあ、そのほうがコンセプトがはっきりしますから。
でも、着る人のことを考えたら、
中間的なものがもっとあっていいと思うんです。
──
その意味では、このニットは
「かっこいいけど自分は着られないな」じゃなくて、
「これだったら自分もかっこよく着れそうだ」と
思ってもらえそうです。
依田
そういえば、ぼくの妻がちょうど出産後なんですけど、
体型的に困ることが多いらしいんです。
これをためしに着てもらったら、
「着やせして、すっきり見えるからうれしい」と
言ってました。
女性スタッフ
出産後はね、体じゅうが交通事故みたいなことに。
──
ええっ?
女性スタッフ
もうほんとに体型が変わってしまうんです。
だから、着やせするって奥さんがおっしゃったのは、
すごくリアリティがあって、ポイント高いです。
──
ああ、そうなんだ。
女性スタッフ
きっとよろこばれると思います。

“トルネード着用”で仕上げる

──
素材もかたちも納得のいく、いいニットができました。
で、仕上げは‥‥。
依田
「着かた」ですね。
──
サンプルを試着しているときに、
なにげなく依田さんがやってくれたことなんですけど。
具体的にいうと、着たときにすこし裾をねじる。
依田
はい、いったん着たあと、
裾のリブ編みの位置をすこしずらす感じです。
こうするとシワがななめに入って、
シャープに見えるんです。
  • ふつうに着用したとき
  • トルネード着用したとき
──
写真でうまく伝わるかどうかわからないですけど、
ほんとに印象が変わります。
佐野
これ見たとき、びっくりしたな。
──
ねえ、ぜんぜんちがいましたよね。
お買い上げいただいたかたには、
ぜひこの「トルネード着用」をおためしいただきたいです。
依田
トルネード(笑)
どんなニットでも、だらしなく着たらそう見えるし、
ちゃんと着たらちゃんと見えます。
いちばんいいかたちが見える着かたがあるはずなんです。
佐野
こういうのを聞くと、
依田さんってデザイナーだなぁと思いますね。
ぼくもセーター着てると直されますもん。
「こうやって着たほうがいいよ」って。
でも、ほんとに一気にかっこよくなるんですよ。
──
へえ!
依田
でもなんか、ようやっと、たどり着きました。
──
いやぁ、むずかしかったろうと思います。
HOBO SIRI SIRIのジュエリーには、
硬質でキリッとしたムードがあるので、
やろうと思えばいくらでも
「自分は着られない」の世界に行けますから。
依田
そうですね。
世界観はだいじにしつつ、
たくさんの人によろこばれるプロダクトにたかったので、
バランスにこころを配りました。
──
なんか、いまのコロナ禍の状況をふくめて、
服ってもう、見せるためのものでは
なくなってきてると思うんです。
自分が着てて心地いいかどうかがすべて、
みたいなところにきている気がするから、
その意味では正しい方向だという気がしています。
佐野
うちは、ふだんいろんなブランドのニットを
つくってる会社なんですけど、
依田さんがつくるニットには、
「だれが着ても納得する」ための計算式みたいなのが、
細かいところにちりばめられてるんですよ。
──
そうなんですか。
佐野
たぶんぼくしか気づいていないと思うんですけど。
依田さん自身も気づいてるかどうか(笑)
依田
無意識かもしれない。
佐野
寸法だったり仕様だったり、
ここは譲れないだろうなっていうところを守っていくと、
やっぱりこういうものができてくる。
そのへん、ぼくはそのつど感動しているんです。
──
いまのはいい話ですね、しめくくりとして。
そのためにしてもらったかのような(笑)
依田
いやあ、ありがとうございます。
佐野
個人的な感想です。
──
いや、でも、ほかもご覧になってて、
そう思えるってことは。
佐野
ええ、必ずちがいはあると思っています。
(おわりです)

HOBO SIRI SIRI PEARL COLLECTION 2021

パールが映えるニット

  • パールが映えるボートネック

    • ダークネイビー
    • ライトグレー

    ¥25,300(税込・配送手数料別)

  • パールが映えるフレンチスリーブ

    • ダークネイビー
    • ライトグレー

    ¥23,650(税込・配送手数料別)