02  ヨーロッパ最古の植物園へ。 [三國万里子さんのお話]

ニットの季節が、もうすぐやってきます。
今年もニットデザイナー三國万里子さんによる
編みもののお店「Miknits」がオープン。
新作のニットについて三國さんからコメントをいただきました。
今回ご紹介するのは「botanische」という、
植物の透かし模様が美しいシリーズです。

オランダの植物園への旅が
インスピレーション。
「botanischeのカーディガン」
「botanischeのショール」

繊細な透かし模様が作品に広がる
「botanische」シリーズ。
オランダの植物園からインスピレーションを得て
生み出された模様は、編み進めるほど作品に広がり、
没頭して編める作品になりました。
あたらしい毛糸「Miknits ファイン」によって、
細かな模様がはっきりと出て、
軽やかにまとえる一着になりました。

春にオランダを旅したのですが、
ライデン大学の植物園がとても素晴らしかったのです。
ヨーロッパでも最古の植物園の一つということで、
広大な敷地の中、大航海時代の名残を感じさせる
中国や日本風の庭園が残っているのも、なんだか楽しかった。
訪れたときにはフューシャやバラ、ヤマボウシなどが花盛り。
その横で小さな木にみかんらしい実が
大事そうにぶら下がっていて、
あなたこんなところに…!と
心の中で挨拶したり、写真を撮ったり。
この時の思い出を留めようとデザインしたのが
これらのカーディガンとショールです。

カーディガンの襟と、ショールの本体に使った透かし模様は
一見して植物っぽい印象ですが、
それが花なのか、実なのか、あるいは葉っぱなのか、
じっと見ても、よくわからない。

この模様はわたしが考案したわけではなく、
複数のかぎ針編みのパターンブック(海外、日本とも)に
バリエーションが掲載されているので、
古くから愛されてきた柄なのだろうな、とは思います。

かぎ針編みのこのタイプの模様は、
もっとゴージャスなのもたくさん見ますが、
わたしはこれくらいのが、使いやすくて、
かわいいなと思う。
模様の1ブロックが編み上がるたびに、
じーっと眺めてしまうような可憐さがあります。

そのレース柄を引き締める役割の、
小さな四角い模様も、実直な感じに味わいがあるでしょう?
これは花壇の縁や、大学の校舎に使われていた
レンガのつもりで配しています。

カーディガンは(普段36~38サイズのわたしが着て)
身頃と袖ともにゆったり幅で、
着丈は、ジャストからややショート丈かな、くらいです。
重ね着をあれこれ考えるのが楽しいですし、
一旦袖を通すと、前たてのレース模様が目に入ってくるから、
そのたびにうれしい、優しい気持ちになるんじゃないかな。

ショールは一番長い辺が144センチで、
三角ショールとしては中くらいの大きさ。
編み地が軽やかで、室内でも使いやすいボリュームだと思います。
前の合わせをピンで留めるのはもちろん、
マフラーのように、くるくると首に巻きつけるのも素敵ですよ。

(つづきます。)
2026-10-13-TUE

撮影|清水奈緒(イメージ写真)、
スタイリング|岡尾美代子
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|Karoline(STAGE)