深呼吸したくなる香り、「kokyu」ができるまで。

草場妙子さんがOSAJIとつくった
ヘアケアシリーズとボディゲル

kokyu

昨年6月の「第3回生活のたのしみ展」で大人気だった
「草場妙子化粧品店」のボディゲル「kokyu(呼吸)」は、
ヘアメイクアーティストの草場妙子さんと、
スキンケアブランド「OSAJI(オサジ)」が
コラボしてうまれたアイテムです。

いつか「ほぼ日ストア」でもご紹介したいなあと
思っていたところ、
昨年12月にシャンプー、コンディショナー、
ヘアオイルが加わってシリーズ化されました。
メイクやコスメが大好きで、いつもキラキラした目で、
国内外のアイテムをおどろくほどいろいろ試して、
お気に入りを探している、あの草場さんが手がけた
はじめてのシリーズ。
これを機会に、2019年7月9日より、
シャンプー、コンディショナー、ヘアオイル、
ボディゲルの4アイテムを
「ほぼ日ストア」と「TOBICHI」で販売開始します。

販売に先立ち、
草場妙子さんと、開発者の茂田正和さんが、
「OSAJI」のこと、「kokyu」のこと、
スキンケアの大切さについて、語り合いました。

草場妙子さんのプロフィール
茂田正和さんのプロフィール

第一回 まずは「OSAJI」の生い立ちから、お話が始まります。

茂田
「OSAJI(オサジ)」というのはブランドの名前で、
会社は、「日東電化工業」と言います。
自動車のエンジン部品のメッキをやってまして、
今年で創業60周年を迎えます。
ひいおじいさんの代からの会社で、
今、父親が3代目の社長です。

僕自身は、はじめは音楽業界にいたんです。
レコーディングエンジニアをやっていたんですが、
デジタル配信が始まるとか、
レコーディングの方法が変わったりという時代で、
ちょっとおもしろみを感じられなくなって、
なにか別のビジネスを立ち上げようと思いました。

友人と3人で、パッケージデザインの会社を始めて。
そのとき化粧品や健康食品の
クライアントさんがあって。
そうこうしてるうちに薬事法が改正されて、
化粧品を作るときの規制が緩和されたんです。
そういう時代の変化を見て、
化粧品のプライベートブランド化が進むだろうから、
パッケージデザインからプロダクトまで提案する、
そういう会社になろう、と。

そんなときに、おじが東北大学で皮膚科の助教で、
今は教授ですけれど、
東北大の皮膚科って
アトピーとか皮膚アレルギーの専門なんですね。
それで、ステロイドではなかなか治らないアトピーが
温泉の湯治みたいなもので治った
患者さんのケースを、
おじ自身も目の当たりにしているという
話を聞いたんです。

西洋医学的なアプローチでは
温泉を研究しようという話にはなりません。
ならば、自分たちで
温泉が肌をよくする仕組みを研究して、
化粧品のプライベートブランドを
開発したらどうだ、と。

そこで、温泉のミネラルをテーマにして、
全国の温泉を使ったスキンケア商品を作って、
旅館のアメニティにしたり、
売店のお土産品にしたりという、
温泉旅館さんのプライベートブランドの開発が、
一番最初のスタートだったんです。
全国30軒ぐらいでしたね。

当時、全部外注工場で作っていたんだけれど、
自分たちでも作りたいよね、
ミネラルの成分の含有量も分析もしたい、
工場も持ちたい、っていう思いがあったんです。

化粧品の工場を作るときって、
排水処理とか、熱源のボイラーとか、
水道水を純水化する装置だったりとか、
そういうものだけで数億円のお金がかかるんですよ。

ちょうどその頃、日東電化工業では、
数十年という単位で未来を見たときに、もしかしたら
20年後ぐらいには電気自動車になってしまって、
エンジンというものはなくなるんじゃないのか、
自動車のエンジン部品のメッキという商売は残るのか、
という危機感をうちの父、つまり社長は持っていて。
なにかもう一つ、事業の軸となるものを
やっておきたいという、
社長であり父の思いがあったんです。

メッキ業というのは、
金属が錆びないように、表面に加工を施すんです。
金属イオン、つまり「ミネラル」を活用する技術で、
金属を液体に溶かして、
どれだけの濃度含まれるかを分析するというのを
日常茶飯事としてやっているんですね。

僕たちが必要とするものが、ラッキーなことに、
父親の会社に全部揃っていた。
それと、父親の未来に向けてのビジョンが合致して、
自分がベンチャーで立ち上げていた会社が
業務統合というかたちで日東電化工業の中に入って、
2004年に「ヘルスケア事業部」ができたんです。

「ヘルスケア事業部」という部署名は社長の案です。
いや、コスメティックじゃないんだ、
あくまで、化粧品というものを通じて
人の健康を守っていく事業なんだ
という社長の思いなんです。
草場
ラインナップ見ると、
すごくしっくり来ますね、
ヘルスケアという。
茂田
そう、そうなんですよね。
コスメティックというよりも、もっと広い意味で、
化粧品でアレルギーの予防をしようとか、
広義の意味での化粧品の使い方を提案する、
そういうメーカーになってきたのかなと
思っています。
草場
本当にそうですね。

(つづきます)

2019-07-05-FRI

販売は、7月9日(火)午前11時からです。

販売ページはこちら

草場妙子(くさば・たえこ)

ヘアメイクアップアーティスト。
熊本県出身。
雑誌や広告、CMなどを中心に幅広く活躍。
自分で使っていいと思ったスキンケアや
メイクアップのアイテムを紹介するインスタグラムが人気。
書籍に『TODAY’S MAKE-UP 今日のメイクは?』
(アノニマスタジオ)がある。

・草場妙子さんのインスタグラム

・『TODAY’S MAKE-UP 今日のメイクは?』
amazonでも販売中です。

茂田正和

1978年生まれ。化粧品技術者、スキンケアアドバイザー。
2002年より化粧品開発に従事。
東北大学皮膚科・相場節也教授に師事し、皮膚科学を学ぶ。
2010年にスキンケア、ボディーワーク、フードなど
トータルライフスタイルから築く真の美容を広く提唱すべく
「バランスケア・アソシエーション」を発足。
多くの美容関係者とともに
セミナーやワークショップを開催。
ファッション雑誌等でも美容に関わる情報を執筆する。
2013年「子供を紫外線から守る会」を発足。
現在は化粧品開発業務と合わせ、
美容関係従事者への皮膚科学、
化粧品学分野の講師を務める。
以降、肌トラブルに悩む様々な方々に寄り添った
スキンケアブランドや専門店を開発し、
世に送り出している。
日本皮膚科学会正会員、
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会、
日本化粧品技術者会、日本香粧品学会所属。

・日東電化工業の紹介ページ

・OSAJIのページ