アトリエシムラHOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

アトリエシムラのストール

うつろう色、残る色、いま生きている色。

染氏の志村宏さんに、atelier shimura 秋のストールのあたらしい染め色について訊きました。


植物の、命の色を、纏(まと)う。

自然の草木から“いただいた”色で、
糸をひと綛(かせ)ひと綛ていねいに染め、
いちまいの布を織りあげる。

染織家の志村ふくみさん、
志村洋子さんの藝術精神を継承するブランド、
atelier shimura(アトリエシムラ)のつくる
ストールには、たくさんの時間と
手間が織り込まれています。

色無地のストールは、
緯糸(よこいと)は、綿と絹の混紡糸を染めて。
経糸(たていと)は、白の綿を、そのままに。
色合わせのストールは、
経糸も、綿と絹の混紡糸を同じように染めて。
そうしていちまいの布になったとき、
植物がもつ個性が色となり、
ふしぎなくらいに複雑さをまし、
光や時間、重なりによって、さまざまに変化をして、
纏うひと、見るひとを、たのしませてくれます。
くびまきの「あたたかさ」だけではない、
もうひとつの世界が、そこにあります。

「僕が惚れた色を使っていますから──」

そんなふうに、染めを担当した
志村洋子さんの次男である宏さんは言います。
植物のもつ幼さ、初々しさ、
成熟、そして枯れたように見えて、
ずっと内包してきた生命力。
すべてを「色」として、糸にうつす。

そして、この色を受け取ったひとは、
それが時とともにうつろうさまを、
体験していくことになります。

atelier shimuraのストール、
すばらしい色が揃いました。

販売開始は、10月13日(金)午前11時、
「ほぼ日ストア」にて。

志村宏さんについて

志村宏(しむらひろ)さんについて

京都生まれ。幼少の頃より、工房内を遊び場とし、志村の仕事を側から目の当たりにすることにより、志村の自然観が染み付く。大学卒業後は植物を育てる、ということに魅せられ、自然の中で農業を営む。その体験を活かし、植物染料の採集、育成研究、染色方法の研究などを中心に活動している。「ほぼ日」ではTOBICHIにて、染めワークショップを定期的に行っている。

「山から、野から、畑から色を。」

contents

STAFF
モデル:KIKI / 撮影(モデル):菅原一剛 / 写真(取材):神ノ川智早 /
スタイリング:轟木節子 / ヘアメイク:草場妙子

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