糸井重里、サンパチマイクを買う。

糸井重里、サンパチマイクを買う。

あこがれの漫才マイク「C-38B」を、自腹で。

糸井重里は、むかしから、
急におかしなものを買う人である。
驚くようなもの、呆れるようなもの、
「これは‥‥なに?」という不思議なものまで、
じつにさまざまなものを自腹で買っている。

そんな個人的な買いものリストに、
このたび「サンパチマイク」が加わろうとしていた。
漫才に欠かせない、あのセンターマイクである。
これにはお笑い好きの乗組員も興味津々。
「なんで糸井さんが、サンパチを‥‥」
その気になる買いものの行方を、
ちょっと前のめりに追いかけてみました!
#04 この買い物は、合理的でないってこと。
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乗組員C
みうらじゅんさんに教えてもらったのですが、
昔、糸井さんはイーグルスの
『ホテル・カリフォルニア』のレコードを
個人でたくさん買っては、
事務所に来た人たちに配っていたと(笑)。
糸 井
はい(笑)。
乗組員A
配っていたんですか?
糸 井
「もったいない」と思ったんでしょうね。
乗組員B
当時あんまり聴かれていなかったんですか?
糸 井
いや、流行ってはいたんですけど、
ビートルズみたいな有名さじゃないから、
だったら「あ、俺が配ればいいのか」って(笑)。
みうらが学生の頃の話ですよね。
すごくおどろいてましたよ。
乗組員C
びっくりしたとおっしゃってました(笑)。
「あの糸井さんが、来る人来る人みんなに
『ホテル・カリフォルニア』を配ってるんだよ」って。
一同
(笑)
糸 井
俺、そういえば「モノポリー」も配ってたわ(笑)。
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乗組員C
それも「もったいない」と思ってですか?
糸 井
うーん、なんだろうね。
お金を持っているよりも、
みんなでたのしみたい人っているじゃん。
クラブでドンペリを入れたり。
ああいうことなんじゃないかな。
乗組員B
でも、ドンペリを入れる人って、
じぶんを誇示したい気持ちがありますけど、
糸井さんはまたちがいますよね。
むしろ利他的というか。
糸 井
じぶんよりも、
「カリフォルニア」を誇示したい(笑)。
乗組員B
そうそう(笑)。
糸 井
だから‥‥お手伝い?
乗組員B
あ、そうですね。
SNSで無名の人の本を応援するときも、
それに近いものを感じます。
糸 井
誇示じゃなく、お手伝い。
乗組員C
それはサンパチとはちがいますね。
乗組員B
ゴリラともちがう。
乗組員A
恐竜の化石ともちがいます。
乗組員B
だから、きょうの話を
「糸井重里はおかしなものをたくさん買う人でした」と
ひとつにまとめることもできるけど、
その背景に流れているものが
みんなちがうっていうのがおもしろいね。
乗組員A
そのなかでも、
サンパチはメディア性がありますね。
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糸 井
当然、サンパチを買うのは、
ほぼ日をやってるからというのはあります。
これで遊べるぞーという気持ちはある。
だから、みんなのために買うのかもしれない。
ほんとうは。
乗組員A
サンパチはそういう詩かもしれない。
乗組員C
詩の話もまだまだできますね。
乗組員B
とはいえ、そろそろ終わりの時間なので、
最後にぜんぜんちがう角度の質問をいいですか。
糸 井
どうぞ。
乗組員B
買うことが詩になるという話は、
ぼくもおもしろいと思うのですが、
それをコンテンツにすると、
「それ、お金があるからできるんですよね?」
という意見もかならず出てきます。
糸 井
はい。
乗組員B
今回のことに限らずですが、
糸井さんはそのあたりのことは、
いつもはどんなふうに思うんでしょうか。
糸 井
そういう声はかならずあります。
それはもうしょうがない。
でも、買いものの話でいうと、
ぼくはお金を持ってないときから
ずっと同じ考えなんです。
乗組員B
あー、変わっていないんですね。
糸 井
昔からずっと同じなんだけど、
会社として動くときは、
そのへんはけっこうシビアになるんです。
「やめといた方がいいんじゃないか」とか
「もうちょっとケチにやろうよ」とか。
それはみんなのお金だからですよね。
でも、個人となると話は別で、
じぶんのお金が通帳に入っているか、
マイクの形をしてるかのちがい。
乗組員A
あぁ(笑)。
糸 井
ぼくは昔からずっとその考えなんです。
すっごくおいしい料理が3万円だったとき、
「えっ、3万円!?」って思うじゃないですか。
ぼくはいまでもそう思いますよ。
乗組員A
思います、思います。
糸 井
その3万円が将来の蓄えとか、
もしものときとか、
そういう名前で通帳に入っていてもいいけど、
ときどきなら、それがマイクやゴリラになっても
いいじゃないかなってぼくは思うんです。
だって、1週間くらい海外旅行したら、
それこそもっとお金を使うわけでしょう?
乗組員E
この前、ブラジルに行ったんですけど、
飛行機代と2週間ほどの滞在費で、
60万円くらい使いました(笑)。
一同
おぉーーっ。
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糸 井
それは通帳に60万円入っているか、
ブラジル旅行をしたかのちがいなだけで。
乗組員B
急に仲間が60万のマイクを買ったら
「どうした?!」ってなりますけど、
「ブラジルに行ってきました」だったら、
「そうなんだー」ってなります(笑)。
糸 井
「お金がある人はいいですね」は、
「才能があっていいですね」にも似てますよね。
それを何かに使う人もいれば、
使わないでとっとく人がいたり。
ぼくの場合は、ときどき「詩」にしてみたり。
乗組員A
お金の使い方って
人によってぜんぜんちがいますね。
糸 井
ちなみに、ぼくは海外旅行はしません。
そこに関してはケチです。
通帳に入っていたほうがいいと思う(笑)。
乗組員E
えぇー(笑)。
乗組員A
なんでそう思うんですか。
糸 井
そこはぼくもわからないです。
ホテルの冷蔵庫の飲み物も、
ぼくは取らないですから。
部屋に行く前にコンビニで買います。
乗組員C
あと、糸井さんは居酒屋で
ウーロン茶を何杯も頼む人にきびしい(笑)。
糸 井
ウーロン茶にはすごくきびしいです(笑)。
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乗組員C
でもサンパチには甘いですね。
糸 井
甘いですねぇ。
つまり、この買い物は、
合理的ではないってことなんでしょうね。
乗組員B
サンパチの話をしていると、
工場にも行ってみたくなりますね。
乗組員D
じつは工場見学の話も進めているんです。
いま日程を決めているところで。
一同
おぉーーっ。
乗組員C
サンパチはどこで購入するんですか。
糸 井
どこでも。
ネットでポチッと買えるみたいだし。
乗組員A
ぼくも勘違いしていたのですが、
「サンパチマイク」と呼ばれるものって、
じつはマイク部分だけなんです。
乗組員C
えっ?
乗組員B
あ、そうなの(笑)。
糸 井
そうそう、マイクスタンドは別売り。
乗組員B
そういう豆知識はいちいちおもしろい(笑)。
乗組員A
なので、サンパチを買うなら、
いっしょにスタンドも買わないとなんです。
乗組員B
スタンドもいろいろあるんじゃない?
乗組員A
漫才用とかがあるんだと思います。
サンパチに興味があるので、
そのあたりもいっしょに調べてみます。
糸 井
ありがとうございます。
劇場で使っているモデルとか知りたいですよね。
いいものが見つかったら教えてください。
乗組員A
はい。
乗組員B
サンパチマイクが届くのが、
どんどんたのしみになってきました。
乗組員C
ほんとに。
早く本物が見てみたいです。
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全4回でおとどけした
「ミーティング編」はここまで。
お読みいただきありがとうございました。
このあとの展開は、
明日からの「マイクスタンド編」につづきます。
ひきつづき、おたのしみくださいね。
(つづきます)
2026-03-05-THU