この男が真顔（まがお）で
頭頂部を叩くそのとき、
かるく開けた口が
頭蓋骨の反響音を周囲に漏らす
スピーカーのようになって
一休さんの「考え中」のような
超まぬけ音を
あたりに響き渡らすのです。

また、口を大きく開けると「カ」、
小さくすぼめると「ポ」と鳴り、
この男のこの頭はまるで
アフリカ大陸の打楽器のように
豊かな表現をするのです。

一同、こう言うしかありませんでした。

「すごーい」

「で、これからのコンテンツの
　ことなんだけど」
皆がまじめ顔で額を寄せあったとき

ポカポポカポポカポ！

という軽快な太鼓の音が
どこからか聞こえてくるではありませんか。

振り向くと、
ドラえもんのように手をグーにして
頭頂部付近をリズミカルに叩く男。

「ほぼ日」オフィスのなかには
いくつかミーティングルームがあるのですが
いちばん奥の部屋は、
奥まっている、ということで、
誰が呼んだか「鳳凰の間」という名で
親しまれています。
そこで、これらのメンバーは
昼下がり、毎週定例のミーティングを
行なうことにしています。

‥‥ん？

、なんとなく遠い目？
ようすがおかしい。
おかしいけど、年末ももうすぐそこだし
皆はこのまま
会議を進めることにしました。

背後のソファで
なにやらわいわい会議が続いているので
のぞきにいってみれば、
ととが、
「土鍋」のコンテンツの打ち合わせでした。
コンテンツのタイトルとか、
目次などを、あれこれ考えているとのこと。

「これっていうのが
　　　　　思い浮かばなくて‥‥」

おや松本さん、ちょっとお疲れですか？

「そ、そんなことないわ！
　　　　　私は元気よ！
　　　　　笑顔の私を撮ってちょうだい！」

夜もふけましたが
土鍋会議は続いております。
アイデアの神がまいおりますように。
土鍋で夜なべになりませんように。

お、珍しい。
社長が、宇宙部となにやら？

「きのうね、手にいれた、
　DSの例のやつの、
　設定をあれやこれやとね。」

なるほど。

「なんかさ〜、
　あの社長シリーズの
　オレのキャラクターって、
　現実と違くないか？
　なんかな〜。」

えええ？
そうでゲスか？
あ、ご立腹？　ご立腹？

「いや、そんなことないけど、
　なんだかね〜。
　まあ、いいか〜。
　会議いってくるわ〜。」

いってらっさ〜い。

よく見る顔のメンバーですが、
こちら、お正月の
とあるコンテンツの打ち合わせ中。

「ねえ、タカと富士山と
　あと一つなんだっけ？」
「なすび、なすび、なすび。」
「干し肉？」
「ししおどし？」
「昇華現象ってなかった？」

などという会話をくりひろげて、
爆笑につぐ爆笑。
大丈夫なのであろうか、
我ら。

さて、やさしいタオルをめぐる旅は
これにて全工程を終えました！

車でいろんな所へ連れていって
くださった花椿さんの専務、
やさしいタオルがいかに恵まれた
環境で作られているのか
改めて教えてくれた
ドクター・コットンさん。

今日は一日本当にお世話になりました！
やさしいタオルの製造を何とぞ
よろしくお願い致します！

それでは東京に戻りまーす。

＊＊＊
これにて出張レポートは
おしまいです。
今日取材してきた
やさしいタオルの製作現場は
また12月上旬の連載で詳しく
お伝えいたしますね。

今回のやさしいタオルの販売は
いままでで最もたくさんの
新デザインをご用意しています。
どうぞ、連載をごらんになってくださいね。

出張レポートを読んでくださっていた皆様、
一日お付き合いを
ありがとうございました！
＊＊＊

そろそろお腹がすいてきましたので
花椿さんのおすすめの
うどんを食べにいきました。

今日は一日たくさんまわりましたね！
お疲れ様でした！
べっかむさん。

おいしいですねー。
べっかむさんはきつねうどん、
私はわかめうどんです。

こちらは、プリントタオルの版の
フレームに書かれた、開発時の
タオルのコード・ネームのひとつ、
「杉ちゃんチェック」！
タオル・チームの（すぎちゃん）の
名前がその名の由来なんですが、
ここ、今治でも使われていたとは！

この「杉ちゃんチェック」は、
日本で最も古いといわれている、
老舗の温泉にもよく合いそうな
デザインで登場しますよ。

この冬の新作タオルのラインナップは、
いよいよ12月上旬に発表の予定です！
もうしばらく待っててくださいね！

さきほど、みっちゃんが
伝えてくれました新色のチェックの他に、
今回は、プリントの新作もあります！

人の背丈ほどの、大きな版を使って、
シルクスクリーン・プリントのように
熟練した職人さんたちの手で、
１枚１枚、丁寧にプリントしています。

昔からの伝統的な技術を使いながらも、
プリントの位置がずれないように、
赤い「レーザービーム」を当てて
位置合わせをしていたりして、
新しい技術と、匠の技の融合が
すばらしいプリントの工程でした。

詳しくは、また12月の連載の中で
お伝えしますね！