2017-03-31-

昨年、ちいさな田んぼキット
はじめて「自分のお米」をつくってくれた人に
「やってみて、どうでしたか?」
とおうかがいするインタビュー、第2回です。

今日は、杉並区でokatteにしおぎという
食を中心とした交流スペースを運営している
竹之内祥子さん。


okatte、とは、文字どおり「お勝手」で
メンバーのみなさんが
みんなであつまってごはんをつくったり、
それを、みんなでワイワイ食べたり、
ごはんイベントを企画したりしています。

メンバー以外の人も参加できる催し物も、
やっているみたいです。

こう使いましょうという決まりのあまりない、
「食べる」を真ん中に置いて、
友だちが友だちを呼んでくるような空間。

竹之内さんは、昨年の春、ご自宅のとなりに、
そんな「場」をつくりました。

竹之内さんが、ご友人たちと
お米の「収穫祭」をやったのも、ここでした。
(ぼくら「ほぼ日」も混ぜてもらいました)


まずは、なぜ「自分のお米」をつくろうと
思ったのですか?

「ええと、何でやってみようと思ったのか‥‥
 忘れちゃいました(笑)。
 楽しかったので、今年も、やるんですけど。
 でも、昨年の春っていうことは
 このスペースをスタートしたタイミングと、
 ちょうど同じなんですね」

あ、なるほど。

「せっかく、こういう場所をはじめるなら
 お米も育ててみたら、
 おもしろいかもしれないと思ったんです。
 新しくスタートを切る気持ちに、
 お米の栽培って、ぴったりだったんです」

季節も、春ですしね。
お米を育てたのは、はじめてですか?

「はじめてです。ただ、小学校のときには
 バケツ稲の授業がありました。
 でも、そのときは、うまくいかなくって、
 枯れはしなかったものの
 お米を収穫できた覚えがないんです」
 
それは残念。陽当たりかなあ、水かな。

「地方に移住して
 お米づくりをやっている知人を見てたら
 けっこう大変そうだったこともあり、
 ほぼ日さんのキットでは
 発泡スチロールの箱で育てるみたいだけど、
 あれで大丈夫なのかしら?
 ‥‥というような好奇心もありました」


栽培にあたって、
何か苦労されたことって、ありましたか?

「お米の花が咲いた時期、
 8月に入ってからだと思うんですが、
 長雨に降られたんです。
 縁側の軒先で育てていたんですけど、
 長雨に当たらない稲穂からは収穫できて、
 長雨に当たっていた稲穂からは
 みごとなまでに、獲れなかったんですよ」

へえ‥‥そんなことがあったんですか。
冷たい雨にシトシト濡れると
実がダメになっちゃうんでしょうかね。

たしかに去年の夏、
真夏の時期に長い雨が降っている最中、
「このままだと
 米の品質にも影響が出てきそうだ」って
農家の人も、おっしゃっていた気が。

「ですから今年は、長い雨になりそうだったら、
 軒下に避難させようと思っています」

(以下、収穫祭の写真は昨年のようすです)


陽当たり的には、どうでしたか?

「まあまあ、といったところですね。
 夕方になるくらいまでは、
 わりと太陽の光が注ぐ場所なので
 その点は問題なかったです。
 風も通り抜ける道がありましたし」

それは、都内にしては、
なかなか恵まれた環境じゃないですか。

「でも、どんな植物でもそうなんですけど
 わたし、あまり手入れしないんです。
 つい、忘れてしまって‥‥。
 サボテンを枯らした経験もあるほどです」

それは、ある意味‥‥猛者ですね(笑)。

「ついつい、放っといちゃうんですよ。
 友だちの天下井さんなんか、
 虫を見つけたらピンセットで駆除したり、
 すごく丁寧にお世話をしていらして、
 そうすると、
 稲が、すごく美しい姿に育つんです」

はい、まるで令嬢みたいに。長い黒髪の。

「その点、うちの稲は、髪の毛ボウボウで、
 ずっと美容院に行けてない人‥‥
 どころじゃないくらいの見た目になって」

たしかに、あまり手入れをしないと
山奥に行かないと会えない仙人みたいな、
そういう雰囲気は出ますね(笑)。

(下は、物陰に身を隠しきれていない物の怪‥‥
 ではなく、ほぼ日の稲/2014年)


ぼくたちの稲も、毎日の「水やり」以外は
ほとんど何にもしないので、
最後のほうは
かなりワイルドな見た目になるんですけど、
それでも、お米、穫れるんですよね。

「そうそう、そういう意味でも、
 お米って、わたしに合っているなあと(笑)」


栽培の過程で、いちばんうれしかったり、
感動したポイントは、どのあたりですか。

「栽培マニュアルを読むと
 つくりかたの手順が書いてあるので
 次に何が起こるかは、
 なんとなく、予想がつくんですよね。
 なので、はじめに種をまいてから
 芽が出てくるまでの数日が、
 いちばんドキドキしたかもしれないです。
 はじめての赤ちゃんと同じで
 いったいどうなるんだろう‥‥みたいな、
 期待と不安が半々、
 何だか、そんな気持ちで過ごしてました」

そして、芽が出たら、すごくうれしい。

「そうそう、あんなにうれしいなんて。
 あとは、やっぱり
 収穫して、自分のお米を食べたとき。
 ほぼ日さんにも来ていただいて
 収穫祭をやりましたが、
 思っていた以上に、美味しかったんです。
 お米って、種類によって
 こんなにも味が違うんだーということに
 ちょっとびっくりもしました」

あのときは
新米の食べくらべを、やったんでしたね。

(あさか舞ではない)福島のコシヒカリ、
佐賀の夢しずく、
大分庄内の有機無農薬米、
四万十の山間米、
北海道のゆめぴりか、
そして郡山のあさか舞‥‥どれも美味しかった。


「でも、送っていただいた郡山のお米は
 お世辞抜きに美味しかったですよ。
 あのお米が秋に来ると思うと、
 また、今年もがんばろうという気持ちに
 なってきます(笑)」

はい、お送りしたのは、
郡山のプロ農家・藤田浩志さんがつくった
「コシヒカリの一等米」のなかでも
「直径2ミリ以上」の大粒だけを選別した
ちょっと他にはない、
「藤田スペシャル」の特別米なんです。

そんな贅沢なことはあんまりやらないので
袋詰めの機械がなくて
ぼくらが「人力」で詰め作業をしたほどです。


「あ、へえ、そうだったんですか。
 それは美味しいはずですね。
 何というか、そういうところも含めて、
 この企画全体が
 いい意味で『実験』みたいな感じがあって
 最後まで楽しむことができました。
 他の人たちも
 自分たちなりの工夫や楽しみかたを
 されたんだろうなって思います。
 今年はどんなことが起こるか、
 ワクワクしつつ、育てたいと思います」

竹之内さん、ありがとうございました。
収穫祭、楽しくて、美味しかったです。

‥‥ので、また今年も収穫祭、
どうぞ、よろしくお願いいたしますー!