HONが並ぶ本屋さんへ行こう!

沈むのは、心ばかり。

沈め沈めと願いを込めても

なんて我慢強いのでしょうか。
真ん中に置かなかったのが
敗因なのでしょうか。
願いは叶うのか、叶わないのか。
時間切れです。

ぼくの望み事が叶うのを待っている間、
参拝客のみなさんがまたやってきました。
ぼくの「望み事」は手前です。
奥のひとたちは、後輩です。
ぼくだけ居座って、
先輩風を吹かせているようです。
我慢比べのように漂っています。

さっきからね、
何人かの観光客のかたがね、
浮かべては沈ませていくんですよ。
「望み事かなう」だけがね、
ぽつんとひとりぼっちなんですよ。

おや、ひらのの紙のようすも‥‥？
10円玉のまわりに水が溜まり、
重みを増してきました。
さあ、もうすこしだ。いけ、いけ！

やえの紙は静かに消えていきました。
やさしい人を授かります。
沈むまで、ほんの３分程度でした。

おお、紙よ。

あ、やえさんの紙に異変が！
紙が耐えられなくなっている！

じわじわと水が入ってきましたよ。
さあ、じゃぼんといってほしい。