まずは、この宿の
座敷わらしスポットへ。

お供えする場所があるので、
ごあいさつ‥‥

「正直、お会いしたいけど、
　お会いしたくないです。
　幸せにはなりたい。」

なんて自分勝手なんだ。


‥‥‥と！

出た〜〜！！

これまで「そういう体験」のない
わたしですから、
座敷わらしに会えず、
単にすてきなお宿で温泉入って
おいしいもの食べて帰って来る、
で終わる可能性も、大なのです。

というか何も起きませんようにと
半分の自分が強く願っちゃっています。

すみません！

それに、そもそも「座敷わらし」は
そこに居ると栄える、
会えたらラッキーというものですから
なにをビビっているのだとも思います。

いろんな思いが自分の中で戦っています。
ほんとにめんどくさい、自分です。

いろいろ言うてますが、
一晩、どうぞよろしくお願いいたします。

さらに、企画会議も、
編集部チームの半笑いのなか、
あっさり許可が出ました。

止めてくれてもいいのに！


「だれも頼んでないですよ？」

‥‥ええ、そうです。
強制されていないし、
何のコンプライアンスにも
抵触していません。

なんらかのハラでもありません。
しいていえば自分で自分にハラしてます。
俺ハラです。


‥‥そしてわたしは、ここ、
群馬県猿ヶ京温泉の「生寿苑」に
やってきました。

‥‥‥そしてわたしは、途方に暮れる。


長い読者の方はご存知と思いますが、
わたしは怪談が、めっぽう苦手。

毎年コワイコワイ言いながら、
７月８月の連載を乗り切っているのです。

ホラー映画も心霊スポットもノンメルシー。

この世のものでない、
というのに会うのなら、
亡くなった母か愛犬くらいしか
会いたい人はいません。

人見知りなんです。
知らない人は、苦手なんです。

怪談もまったく、経験もなければ、
そういう経験をしたいという気もなく‥‥。

でも、これは行ってみようと、
自分の半分が囁いたのです。
担当としての、業でしょうか？

調べてみたところ、
座敷わらし伝説のあるお宿はいくつかありました。

あちこちポチポチ観ていたところ、
あ、ここ、すてきな宿だなあ。
温泉もあるし、
ごはんもおいしそうだし。
座敷わらしに会ったという人たちも
なんだか楽しげ。

‥‥気づいたら、予約していました。



ひゃああああ！！！

え、行くの？？

思い出したのが、単行本２冊めで
松本ひで吉先生が寄稿してくださった、
座敷わらしの宿の宿泊記です。

‥‥松本ひで吉先生といえば、
最近Instagramで連載されている
赤ちゃんとの日々、最高です!　
先生！　いつも見ています！

‥‥ちょっと脱線しました。

‥‥じゃなくて。

たしかに天気はいいし、
私は温泉宿へ向かっているけれども。

この企画の話でした。

ご存じない方に説明しますと、
ほぼ日では毎年夏に
「ほぼ日の怪談」という投稿型コンテンツを
だいたいひと月、連載しています。

怪談は人気があるらしく、
おかげさまで連載して21年。
書籍も二冊、生まれました。（写真参照）

で、時々何かしら、
盛り上げというか、
投稿募集してますよー！
のスピンオフ企画をしています。

今年もなにかやろうかな〜、
SNSや動画系で、怪談が人気らしい
（怖いから見ません）し。
ほぼ日もやってるよって、
お知らせしたい！　‥‥気がする。

…はっ、すみません。
事の起こりに思いを馳せ、
目を閉じてじっと考えていたら、
ときが瞬く間に経っておりました。

天気良し、旅びより。
これから温泉に行ってきまーす。

みなさま、こんにちは。
「ほぼ日の怪談」担当の
さいとうりかです。

今年も「ほぼ日の怪談」の連載は
８月からはじまります。

そのプレ企画として、
わたしは今、あるところへ
向かっています‥‥。

って、タイトルのとこにもう
書いちゃってるんですけどね。

座敷わらしさまがおわしますと
有名なお宿に、泊まってきます。
それを、一晩、テキスト中継します。

‥‥‥。
すっごく行きたくない‥‥。

ええと、
なぜこんなことになったかというと、