岡澤悦子
ピッチャー
ほぼ日の「伊藤まさこさんの白いお店。」にて
2012年に販売した、
岡澤悦子さんのピッチャーとマグ。
当時は手でつくり作品として販売をしていたものですが、
今回のピッチャーはそのときのものをベースに、
岡澤さんがいま自分が使いたいものをあらためて考え、
伊藤さんがプロデューサー的な立場で参加をし、
原型をつくり、かたちにしたプロダクトです。
繊細で水切れのよい注ぎ口や
やわらかなカーブのハンドルなど、
岡澤さんの表現を再現するために
このピッチャーは「ガバ鋳込み」という
技法で作られています。
石膏型へ液状の粘土(泥漿)を流し込み
型から取り出し、釉薬をかけて‥‥と
職人さんの手作業によって完成します。
そのため、1点1点仕上がりの表情が違うところも
魅力となります。
フォルムは、穏やかな気持ちになれるようにと、
岡澤さんが「寒い朝に少し膨らんだ鳥」をイメージ。
そのかたちのかわいらしさだけでなく、
コーヒーのドリッパーをそのまま乗せられたり、
注ぎ口や底が洗いやすいのも、
毎日使うものだからこそのうれしいポイントです。
色は生地の色を活かしたグレイッシュホワイト。
光をやわらかく受け止める落ち着いた色にしました。
飲みものを入れるだけでなく
花やハーブを飾ったり、カトラリーを立てたり、
計量カップがわりにつかったり、
いろいろなシーンでお使いいただけます。
(個体差はありますが、
注ぎ口の下くらいまでで約575ccです。
ご自身でよく使う分量などを
目分量で覚えておくと便利です。)
「私が生活デザインで面白いなと思うのは
絵画などとは異なり
『使う』ことで身体が感じる『何か』があることです。
例えばピッチャーなら
コーヒーをドリップする時間に感じる静かなひと時や、
ピッチャーを持ち上げる時の重みや
手とハンドルの当たり方など
見えないことも色々と感じています 。
便利な道具が作りたいというよりも、
使うことで身体が感じる何かを落とし込んでいます。
私の作るものは生活の時間や空間、
心地良さといった目で見るには曖昧な『こと』を
『もの』を通してデザインしているというのが
一番近いと思います。
市井にあるささやかな美しさを拾い上げて、
できるだけさりげなく作ることを大事にしています」
(岡澤悦子さん)
素材
磁器土
サイズ
口径:約9cm 高さ:約11cm
注ぎ口からハンドル全体:約15.5cm
重さ
約350g
使用区分
電子レンジ:可、オーブン・直火:不可
生産国
日本
お手入れの仕方
・使用前には軽くすすいでからご使用ください。
・日常的には水、または台所用洗剤をご使用ください。
・茶渋などの汚れは漂白剤、重曹、メラミンスポンジなどをご利用ください。
知っておいてほしいこと
・本品は海外発送はしておりません。
・食洗器のご利用はできますが
庫内で他のものと接触しての破損などにご注意ください。・急激な温度変化や衝撃が加わるとヒビが入ることがあります。
・水切れの状態は注ぎ方、液体の温度や種類によっても異なります。
・一つ一つ手作りで作っているため、個体差があります。
・ピンホールと呼ばれる小さな穴や、
鉄粉と呼ばれる黒い斑点がある場合があります。
どちらも製造過程でできるもので、その器の個性の一部としてお楽しみください。・ピンホールが目立つものはできるかぎり修正をしていますが、
その際に釉薬のムラが生じます。
釉薬の流れた跡や釉だまり、焦げた部分は、
日本では昔から器の「景色」として鑑賞されており、
これらも良品として扱っています。・使うにつれて微粒子状の着色が見られるようになりますが
経年変化としてご理解ください。・パソコンやスマートフォンの環境によって、
色や質感などが、実物と違う印象にならないよう、
十分注意しておりますが、
若干、色が違って見えるため、印象が違う場合があります。
スタッフクレジット
写真|有賀傑
スタイリング|伊藤まさこ
使用アイテム
すべて伊藤まさこ私物

ピッチャーに茶葉を入れお湯を注いで、
茶漉しで急須やカップへ。
これが私のふだんの使い方。
急須を使うこともあるけれど、
洗いづらかったり、乾きづらいのがどうにも気になって。
その点、このピッチャーなら手が中まで入るので、
洗いやすく拭きやすい。
毎日使う暮らしの道具って、
手入れが楽、というところも重要なのだと思うのです。
また、コーヒードリッパーもぴったりなので、
コーヒーを入れる時も。
今は、茶葉と水を入れて冷蔵庫に入れて、
水出しの真最中。
‥‥はたと気がつくと毎日、
それどころか1日に何度も使っている、
岡澤さんのピッチャー。
汁切れがよく、
お茶を入れても重くない。
持った時に手にスッと馴染む。
そしてなにより見た目がかわいい!(ここすごく重要)
また、花を生けたり、
何も入れずにテーブルや棚に置いておくだけでも、
そこに景色が生まれます。
構想からできあがりまでに4年。
岡澤さんとの対談もどうぞ。
(伊藤まさこ)