DRESS HERSELF(ドレスハーセルフ)から、
おしゃれ着でセットアップとしても着られる
ジャケットとパンツが登場します。
伊藤まさこさんが展示会で一目惚れしたこのアイテム、
スタートして9年になるDRESS HERSELFの
「いいところ」が詰まった製品。
このセットアップがどんないきさつでできあがったのか、
DRESS HERSELFをつくる坂上真紀子さん、吉井延弘さん、
広報担当の深澤絵さんにオンラインでおききしました。
ちなみにDRESS HERSELFの母体は、
新潟の靴下メーカー。
冬の厳しい雪国で頑張る女性たちの
寒さや冷えという苦しさの助けになるような商品づくりを、と
「あたためるアイテム」を多くつくってきたなか、
自社の高い技術とものづくりの姿勢を新しい世代にも、と
立ち上げた女性向けアパレルブランドが
DRESS HERSELFなんです。
その「そもそものお話」を
こちらのコンテンツでお読みいただけると、
今回の座談会、
より、深く理解いただけるのではないかと思います。

写真=有賀 傑

坂上真紀子さんのプロフィール

坂上真紀子 さかうえ・まきこ

株式会社山忠 
DRESS HERSELF ブランドマネージャー

新潟県生まれ。
高校卒業後、大阪へ進学し20年暮らす。
のちに新潟へ戻り山忠に入社。
POP UPなどで全国を飛び回り、
お客様と直接会いながら、
日々の着心地や悩みを聞き、
商品づくりに生かしている。

出張のスーツケースには、
シルクのピローカバーとインナーがいつも入っている。

吉井延弘さんのプロフィール

吉井延弘 よしい・のぶひろ

株式会社山忠 
DRESS HERSELF 企画生産担当

新潟県生まれ。
アパレル業界で約35年、営業と生産の現場に携わる。
長年の生産管理の経験を生かし、
2021年12月より山忠に入社。
現在はDRESS HERSELFの企画・生産を担当し、
着る人の日常に寄り添うものづくりに取り組んでいる。

趣味はサウナ、ラーメン、カラオケ。

深澤絵さんのプロフィール

深澤絵 ふかざわ・かい

株式会社Soldum代表。
「創造的な仕事の真の価値や魅力を発信すること」を
コンセプトに、株式会社Soldumを設立。
企業やブランドが持つ独自の哲学や世界観を深く掘り下げ、
その魅力を社会に広めるための伴奏者として活動。
マネージメント、ブランディングを通じて、
アート、デザイン、工芸、食など、
多様な分野で心に響くプロジェクトに関わる。

DRESS HERSELF website

01
はじまりはナイトウェア

伊藤
坂上さん、吉井さん、深澤さん、
今日はよろしくお願いします。
「weeksdays」では月に数回、
モデルさんに来ていただいて撮影をするんですが、
スタジオが肌寒かったり、
着替える途中で薄着のままメイクをするとき、
DRESS HERSELFの
ロングカーディガンを着てもらっているんですよ。
坂上
ありがとうございます。
シルクコットンの。
伊藤
はい。へたらないし、
パッと羽織るのに、ガウンがわりになるんです。
そして今回は、ジャケットとパンツをお願いしました。
坂上
9月の展示会でしたね。
伊藤さんにお選びいただいて
とても嬉しかったです。
伊藤
着てみたら、ピタッときたんです。
真冬以外なら、一年中着られそうなアイテムですよね。
坂上
サテンですから、
真冬にお使いになるときは
中にレギンスとかタイツを穿いて、
ってなるんですけれども。
伊藤
どんなタイミングで
着たいという方が多いんでしょうね。
坂上
いまですと、
オケージョン使いに使われる方が多いんです。
ですからこの春の新作は、
ほかのものより早めに発売をしているんですよ。
伊藤
なるほど。卒園、卒業、入学シーズンでもありますし。
坂上
このサテンのシリーズのそもそもを申しあげますと、
ナイトウェアとしておつくりしたものなんです。
サテンって、肌当たりがよく、寝返りを打ったとき、
からだが泳ぐような感じでストレスが少ないので、
ナイトウェアに最適な素材といわれていて。
でも、ポップアップなどで店頭に出すと、
皆さんが「これ、おしゃれ着で使える!」
「近々パーティーがあるから、それに着ていきます」
と買われる方が多くて。
そういったご要望があり、ワンピースから
セットアップでトップスとボトムへ、と
進化をしてきたんですよ。
伊藤
もともとのナイトウェアのときは
最初の形はワンピース型だったんですね。
坂上
そうです。
そのあとつくったのがボトムでした。
これは外出着にもなることを想定していたんですが、
そうしたら皆さん「夏に涼しくてすごく気持ちがいい」
とおっしゃってくださって、
だったらセットアップでおつくりしよう、
ということになったんです。
そこから数年、シリーズも増えて、
いろんな組み合わせができるようになりました。
伊藤
たとえばどういう形があったんですか。
坂上
フレンチスリーブのバンドカラーの前開きボタンの
ワイドタイプのワンピースをつくったり、
Tシャツっぽいかたちなのに素材がサテンなので、
ちょっとゴージャスに見えつつも、
着心地はとても楽なものとか。
長袖もつくってほしいというお声があったので、
長袖のクルーネックで、
バックボタンになっているものとか。
伊藤
お客さまの声から、いろんな形ができあがるんですね。
きっと社内でもそうですよね。
坂上
はい、今回のジャケットは、
ノースリーブに羽織るジャケットがほしい、
ということがスタートでした。
ノースリーブの上に切ると
チクチクするのがたまらなく嫌なので、
そうならない素材でつくれたと。
サテンシリーズに全部共通して言えることですが、
裏側の縫い代を、全部包んでいるんですよ。
これは最初にナイトウェアから始まったことが
影響しているんです。
肌当たりがチクチクなんて
もう絶対あり得ないっていう流れなので、
外出着とはいえ、
素肌に着ても気持ちがいいような工夫をしているんです。
伊藤
そう、本当、びっくりしました! 
本当にきれいなんです。
坂上
お客さん、たまに
どっちが表かわからないなんておっしゃいます。
そして、形ですが、
お客さまにフットケアの先生がいらっしゃるんですけれど、
日々、患者さんの前に立ち、
講師で立つことも多い中で、
ちょっとジャケットっぽい服がほしい、
という声をいただいて。
しかも、その先生が
DRESS HERSELFのサテンのアイテムの
ファンでいらっしゃったので、
ちょうどいいかもしれないって。
伊藤
あれ? 
いま、もしかして今、着てらっしゃいますか?
画面越しだったのですぐに分からなかった!
坂上
そうなんです。私は中にシルク100%の
Tシャツを着てますが、深澤さんは何を? 
深澤
私はタンクトップを着ています。
とても暑がりなもので、
春先は誰よりも早く
タンクトップを着てるんじゃないかと。
伊藤
あら、暑がりなんですか? 
深澤
そうなんです。
しかも、以前は平気だったんですけれど、
ジャケットの縫い目がデコルテに当たると
痒くなったり赤みが出るっていうのがここ数年。
伊藤
年を重ねるうちに、
本当に肌にやさしいものとか、
ストレスのないものを、となりますよね。
そこで選ぶと、素材はやっぱりシルクや
カシミアになっていくんですよね。
深澤
そうなんですよね。
しかも季節の変わり目は乾燥があったり、
春は花粉症とかで、この見える部分が荒れる。
そのまま着られて肌に負担がない、
という安心感を着たい私には、
ものすごく便利なんです、このジャケット。
伊藤
とくにいまの時期はストレスが多いですものね。
かといって、楽なほう、楽なほうに行くのもちがう。
そんな私たちに、この服はピッタリだと思いました。
坂上
伊藤さんもわりと暑がりっておっしゃいますよね。
伊藤
わりと、というより「すごく」暑がりなんです。
だからこのジャケットの開きはすごくいいし、
しかもスッキリ見せてくれますね。
坂上
深澤さんみたいに、
胸元が開いた感じも素敵です。
坂上
このジャケット、完成までに、
結構、つくり直しをしましたね。
吉井
そうなんです。
「シャツよりもきちんとしていて、
いわゆるジャケットほど固くなく、
羽織るだけで、ちゃんとしたところに着て行ける形」
をめざして、襟なしのジャケットをたたき台にし、
形にしていきました。
最初、カシュクールにしようかなと思ったんですが、
サテンだから、薄さもあって、うまくいかない。
裏地がないため、うまく収まらなかったんです。
もともと裏地のような薄さですから、
1枚でつくると、前開きの部分に苦労しました。
カーブ、前下がりの高さ、何もかも。
伊藤
じゃあ、身返しは前身ごろだけについていて、
後ろに身返しはつけずっていうのは、
スッキリ見せたかったからでしょうか。
吉井
脇も別パーツをつけて立体感を出すようにし、
ジャケットっぽく見えるように仕上げました。
伊藤
あ、本当だ。脇、別のパターンになってる。
それがあることによって、
ちょっと立体的になるっていうことですね。
吉井
そうですね。
伊藤
これになるまでに、試行錯誤があったんですね。
じゃあ、つくってみては、みなさんで着て?
吉井
チームにはいろんな体形の人がいますから、
そこでバランスを見ながらつくりあげていきました。
伊藤
展示会でバイヤーの皆さんの反応はいかがでしたか。
坂上
9月に開催した展示会で、
バイヤーの皆さんから
いちばん反応があったアイテムです。
オーダー数、とても多かったんですよ。
こういった羽織りものを出品するのは
初めてだったんですが、
「求められたんだな」とわかってホッとしました。
襟なしにしたんですけれども、
襟なしだからこそカジュアルにも着やすいと、
とても評判がよくて。
セットアップにしたとしても、
そんなにかしこまった雰囲気にはなりませんし。
伊藤
コーディネートによって全然変わるというか。
カジュアルにも着ることができますし。
伊藤
バイヤーの皆さんも、
「お客さまが求めるものはこれだ」
って、すぐに思われたんですね。
坂上
きっと、そうですね。
(つづきます)
2026-03-23-MON