「weeksdays」ではもうおなじみのアパレルブランド
Le pivot (ル・ピボット)から、
シャツワンピースが登場します。
ブラック、ブラウン、ダークグリーンの3色で、
前から見ると品よくシンプルで、
横のラインもうつくしく、
背中に寄ったギャザーもきれい。
ベーシックだけど、ほかとはちょっと違うという、
Le pivotらしさが詰まった一着です。
作り手の小林一美さんが「引き算」だと言う
デザインのポイントや、
秋から春頃まで長く着回せるコーディネートについて
伊藤まさこさんと話しました。
小林一美さんのプロフィール
小林一美
Le pivot デザイナー。
企画・物作りに関することすべて、
発信することやイメージに関連することを担当。
バイヤー経験後、アパレル会社で企画・生産・
プロジェクトの立上げなどを手がけ、
20年勤務した後に独立、金井さんとともに
Le pivotを立ち上げ、現在に至る。
好きなものは美味しいもの、花、映画、
ミュージカル、時代小説、そして万年筆。
02ベルト、スカーフ、ブーツで変わる
- 小林
- 細かいところなんですが、
袖のカフスも、
前側はすっきり見えるように、
後ろ側だけにタックを入れています。
剣ボロ(シャツの袖口にある切り込みと
補強布のパーツ)もつけずに、
切り込みもヒダの中に隠れるように始末して。
- 伊藤
- すごい!
背中のギャザー部分の
「顔」も素敵だけれど、
前側はシンプルなぶん、
“生地をたのしめるシャツワンピース”ですね。
- 小林
- そうなんです、
生地自体がいいのでね。
最近は秋まで暑いですけど、
袖をくしゃっとまくって、
ボタンを開けて着てもらえば
快適だと思いますよ。
- 伊藤
- あ、羽織りものとして着るのもいいですね。
- 小林
- 見えないようにしてるんですけど、
実はポケットもつけたので、
軽いコートみたいな雰囲気でも着られます。
- 伊藤
- えっ。ほんとだ。
ポケットにもステッチがなくて
きれいですね。
襟は台襟(襟を立体的に保つ
土台となるパーツ)付きですか?
- 小林
- はい、台襟を付けました。
汗をかく時期にも気持ちよく着られるように、
首からすこし浮くようにしています。
- 伊藤
- いいですね。
首から襟が離れているだけで
涼しいですものね。
小林さんならこのワンピース、
どんなふうに着られますか。
- 小林
- 私だったら
柄のパンツを合わせたり。
サイドにスリットが入ってるので、
横からちょうどよく見えるんです。
もちろんデニムにもぴったりだし、
ベルトも合うんですよ。
- 伊藤
- ベルト、いいですね!
太さによっても雰囲気がガラッと変わって。
- 小林
- そうそう、
存在感のあるベルトだとかっこいいし、
細いのを合わせるとよそ行きっぽくなったり。
ボタンを少し開けて、
スカーフを巻いてもすごくかわいいですよ。
- 伊藤
- 中にトップスを着てもいいですものね。
コットンのタートルとか?
- 小林
- あ、かわいいと思います。
タートルの厚さや素材を変えれば
秋冬も過ごせますし。
あと、意外なんですけれど、
下にノースリーブのワンピースを着て、
ワンピース × ワンピースを
たのしむのもおすすめです。
- 伊藤
- 素敵。
オールシーズン活躍しそうですね。
- 小林
- 生地がしっかりしてるから、
盛夏だけは少し暑いかもしれないですけど、
それ以外は通年着ていただけると思います。
サンダルを合わせてもかっこいいし、
ブーツをあわせると‥‥。
- 伊藤
- 一気に秋が来ますね!
光沢もあって、ちゃんとしてるのに
着やすいのがすごいです。
袖のタックと後ろのギャザーがあることで
たしかに動きが楽ですね。
- 小林
- そうなんです。
着てみるとわかるんですよね。
でもやっぱりこんなふうにデザインがシンプルだと、
お客さまもぱっと手に取る方は少ないんです。
丁寧に説明したり、
実際に着ていただくと気に入ってくださるんですけど。
- 伊藤
- あ、そうなんですね。
わたしは見た瞬間に
「あっ、これは!」と思いましたよ。
- 小林
- うれしい!
伊藤さんだから見てすぐに
わかってくださるんですね。
裾がもっと広がってるものとか、
さらにオーバーサイズにしているものは
よく見かけるんですけど、
これはナチュラルになりすぎずにすっきり見えるし、
ありそうで意外とない形かなと思います。
- 伊藤
- うん、ないですよね。
こうやってお話を聞くと、
もっと欲しくなりました。
- 小林
- お店に来られるお客さまには
こんなに細かいことまでお伝えしないんですけど、
聞いてくださるからついお話してしまいました(笑)。
着て気持ちよければそれでいいと思いますしね。
- 伊藤
- でも、ちゃんと考えられているから
ぱっと見ても素敵なんでしょうね。
いろんな組み合わせができそうで
うれしいです。
- 小林
- ぜひたくさん着回して
たのしんでいただけたらと思います。
- 伊藤
- どうもありがとうございました。
(おわります)
2025-09-30-TUE