岡山・倉敷のデニム縫製工場から生まれた
老舗のデニム&服飾のブランド、
JOHNBULL(ジョンブル)。
「weeksdays」に初登場となるこのブランドについて、
プレス担当のサリュコワ・マリアさんと、
営業担当の林聡さんにお話を聞きました。
会社とブランドの歴史、
たくさんあるサブブランドのこと、
岡山の工場を拠点に
地元のネットワークをいかしたものづくりのこと、
古着のこと、デニムのこと、
そして今回取り扱うサロペットとコートのこと。
13歳から日本に暮らしているマリアさんのことも、
伊藤まさこさんがたっぷりお話を聞きましたよ。
サリュコワ・マリアさんのプロフィール
Salyukova Maria
ロシアで生まれ、13歳から日本在住。
岡山県倉敷市を拠点とするデニムプランド
「JOHNBULL(ジョンブル)」のプレスのほか、
コンセプトストア『モーイストア』 の
ディレクターも務める。
ファッションとインテリアはヴィンテージが好き。
04ワンピースみたいなコートを
- 林
- こちらのノーカラーオーバーコートも、
伊藤さん、展示会ですぐに選ばれていましたよね。
サロペットより先に見つけられていました。

- 伊藤
- はい。ぱっと目に入り、羽織ってすぐに、
「これが欲しい!」と思ったんです。
- マリア
- うれしいです。
トレンチっぽさがあるんですけれど、
イージーな着心地が魅力です。
- 伊藤
- 今、マリアさんも着ていらっしゃる。
- マリア
- 私、今ベルトなしで着ているんです。
- 伊藤
- そっか! ベルトなしでも、かわいいですね。
撮らせてください、マリアさん。
すっごく、似合っていますよ。

- マリア
- ありがとうございます。
- 伊藤
- 横とか後ろも見せていただいていいですか?
- マリア
- ぜひぜひ。

- 伊藤
- ベルトをすることも?
- マリア
- はい。ベルトをする場合は、
キュッて結ぶと後ろがきれいに出るので、
ワンピースっぽく着ることが多いですね。
- 伊藤
- 肩から背中のアンブレラヨークは、
本格的なトレンチコートのそれにくらべて、
ふわっとしているんですよね。
- 林
- ゆったり、膨らみがあって。
メンズのトレンチコートだと、
雨除け、通気という、
完全に機能的な意味合いでつけるアンブレラヨークが、
デザインとしていかされています。
このふっくら感は、メンズにはない印象ですよね。

- 伊藤
- ほんとにワンピースっぽく着られるんですよ。
かわいいの。
- マリア
- あとこれ、全然シワにならないので、
旅行に最高だと思います。
- 伊藤
- そっか! 素材は‥‥。
- 林
- コットンとナイロンですね。
- マリア
- ナイロンが35パーセント入っています。
- 伊藤
- ナイロンが入ってるから、
シワになりづらいんですね。
わたしも着させてもらおう。
- マリア
- やったー! うれしい!
デザイナーに見せたいです、
「伊藤さんが着てるよー!」って。
- 伊藤
- ふふふ、ありがとうございます。

- マリア
- これも通年で、重宝すると思います。
- 伊藤
- 夏でも、朝夕は涼しいところに
行くこともあるから、いいですよね。
あと、これも言いたいんです、
裏の始末がすごいきれい。
縫製が丁寧なんですよ。
裏地はないんだけれど、
見えても全然、気にならない。
- 林
- たしかに。このコート、
軽さを出したいから裏地をつけていないんですけれど、
縫い目をパイピングしてきれいに仕上げています。
じつは、サブブランドの展開が増えてきたなかで、
私たちの生産拠点も海外工場に手伝ってもらうことが
増えてきているんです。
今回のアイテムは、ともに中国製造なんですが、
日本の工場と同じクオリティの縫製や仕上げをしています。

- 伊藤
- そうだったんですね。
ボタンがひとつ、っていうのも、
思い切ったデザインですよね。
- 林
- たしかにそうですね。
- 伊藤
- どういうイメージでデザインされたんでしょう?
- マリア
- デザイナーに聞いたら、
軽く羽織るちょっと大きなコートが欲しい、
しかもストレスなく着られるものをと考えたそうです。
リボンをキュッと結んだときに
後ろのシルエットがかわいく出ることも
デザインのポイントにしたと言っていました。

- 伊藤
- そう、このベルトで表情が出るんですよね。
結ばずに左右のポケットに端を入れて、
プクッてさせてもかわいいですし、
マリアさんのようにリボンを外してもいいですし。
- マリア
- そうですね。
リボンは、なしでもありでも、いろいろ楽しめるので、
すごくコーディネートの幅が拡がるんです。
伊藤さんがこれをセレクトしてくださったのは、
さすがだなと思いました。
- 伊藤
- そんな! もう一目惚れでしたから。
- マリア
- 直感で選んでくださったんですね。
会社に戻ったらデザイナーに伝えよう!
きっとモチベーション上がります。
- 伊藤
- ぜひ、よろしくお伝えください。
サロペットとコートは、
別のかたがデザインをしているんですか。
- マリア
- そうですね。
コートは女性デザイナー、
サロペットは意外かもしれませんが男性デザイナーです。
- 伊藤
- そうなんですね。
- 林
- サロペット、ウィメンズっぽい見た目なんですけど、
じつはUSネイビーのサルベージトラウザーズっていう、
軍物の古着のパンツが元々のイメージソースなんです。
つまり、メンズから出てきてるアイデアなんですよ。

- マリア
- この男性デザイナーがつくるメンズ服、
女性のお客さんも買ってくださっているんです。
表参道店もそうなんですけれど、
メンズとウィメンズでコーナーを分けずに、
JOHNBULLの世界観ということで、
混ぜて並べているんです。
そうすると、メンズの品番であっても意識せず、
女性が「いいかも」と選んでくださることが
すごく多いんです。
- 伊藤
- お客さまも、男性と女性が一緒に
いらっしゃったりするんでしょうか。
- マリア
- ファミリーで、というお客さまも
たくさんいらっしゃいますよ。
パパ、ママ、子どもで買ってくださったり。
- 伊藤
- 子どもっていうのはちっちゃい子じゃなくて?
- マリア
- 高校生や大学生だと思います。
うれしいんですよ、
ファミリーで買いに来てくださるって。
- 伊藤
- それはいいですね。
すごいことですね。
- マリア
- 「ママが買ったJOHNBULLのスウェットを
娘にとられて」とか、そういう話を聞くと、
「やったー!」と思います。
ジェネレーション問わずの服がつくれたんだ、って。
- 伊藤
- いいですね。ジェネレーション、性別も問わず。
- マリア
- 私の買ったカーゴパンツも、
よく主人がこっそり穿いています。
サイズが一緒ぐらいなので。
- 伊藤
- 「あれ? なんだか見たことのあるパンツ、
穿いてない?」みたいな。ふふふ。
- マリア
- 「それ私の!」って。アハハ。
- 伊藤
- これだけ長い歴史のあるブランドだと、
シニアのお客さまもいらっしゃるんですか。
- マリア
- そうですね。
上の世代のお客さまによく聞かれるのが、
特にデニムについてなんですけれど、
「今、どういうシルエットを選んだらいいのかわからない」
ということなんです。
- 伊藤
- 年々、ちょっとずつ違いますものね。
- マリア
- そうなんですよ。で、お勧めすると
「買ってよかった!」って言ってくださる。
- 伊藤
- わたしも聞きたいです。
最近のデニムのシルエットは、
どういう感じがいいんでしょう。
- マリア
- シルエットはワイドがトレンドではあるんですけど、
うちだと、今は、裾にかけて少しカーブしたような
かたちがよく売れていますね。
あと、濃い色より、
少しライトな色や、加工をしたもの。

- 林
- デニムの色にもトレンドがありますよね。
- 伊藤
- おもしろいですね。
- マリア
- フェード加工も、わざとらしくならないよう、
そして大人が穿いても大丈夫なように、
自然なフェードを意識しています。
加工する工場もおつきあいの深いところで、
すごく上手ですし、話も、工程もスムーズなんです。
- 伊藤
- JOHNBULLの12のブランドは、
デザイナーさんは違っても、
トーンが同じですよね。
その秘密も知りたいな。
一番上の人が、全体を見ているんですか?
- マリア
- その担当者は、社長ですね。
大まかな方向性を社長が決めています。
- 伊藤
- どんなかたなんですか?
- マリア
- 52歳の男性です。
古着も好きで買い集めていますし、
今のファッションも好きで。

- 伊藤
- わぁ、絶対おしゃれさんですよね。
やっぱりでもそうじゃないと、
このお仕事、できないですよね。
マリアさん、林さん、
JOHNBULLのこともふくめて、
いろいろなお話を聞かせてくださって、
ありがとうございました。
- 林
- ありがとうございました。
- マリア
- 伊藤さん、児島に、
ぜひ工場見学にいらしてください。
- 伊藤
- わぁ! 行きたいです。
デニムのことももっと知りたいですし!
今後ともよろしくお願いします。
- マリア
- こちらこそよろしくお願いします。
ありがとうございました。

(おわります)
2025-03-13-THU