重いコートを脱いで。

一日まるごと家にいられる日は、
スープや煮込みを作ります。

‥‥といっても、
手間のかからないものばかり。
ことこと、くつくつ。
時々、鍋の様子を見に行くくらいで、
あとは火にまかせるだけ。
時間がおいしくしてくれる、
鍋を使った料理が好きです。

この時、出番の多いのが、
「もう私には重くなったからあげる」
そう母から言われて譲り受けた白い鋳物の大鍋。

そうか、長年使い慣れた台所道具も、
こうして手放す時がくるんだ。
ロールキャベツ、ビーフシチュー、
カレーにミートソース‥‥。
少しさみしい気持ちとともに、
おいしい記憶が蘇ったのでした。

そういえば、
私のワードローブも年々軽くなっていっている。
前だったら、
かっこよさでえらんでいた服も、
今ではえらぶ一番の基準は着心地のよさ。
中でも「軽い」というのは、
とっても大事。

「もうママには重いからこの服あげる」
母から言われたことを、
私も娘に言っていると思うと、
ちょっと不思議。
もしかしたら娘も、
少しさみしい気持ちになっているのかしらね。

今週のweeksdaysは、
身につけるだけで、
気持ちまで軽やかになってしまう、
nooyのコートとスカートをご紹介。
重いコートを脱いで、
春の街に繰り出そう。

伊藤まさこ

2020-03-13-FRI