時代を超えて長く着られる
「ニューベーシック」を提案する日本のブランド、
「TICCA(ティッカ)」。
「weeksdays」で2度目の登場となる今回は、
「TICCA」で7年ほど続けて作っているという
ヤクの毛100%のニットをお届けします。
デザイナーの上村功さんに、
ヤクの毛ならではの魅力や
デザインのポイントについて、
伊藤まさこさんがお話を聞きました。
ヤクの毛には、
寒がりの人はもちろん、
暑がりの伊藤さんもよろこぶような
特徴があるんですって。

上村功さんのプロフィール

上村功 うえむら・いさお

TICCAデザイナー。
ブランドのディレクションや商品開発を担当。
桑沢デザイン研究所
ファッションデザイン専攻科夜間部を卒業後、
レディースブランドやメンズブランドで、
商品企画、営業、生産など
服作りに関わるさまざまな仕事を学び、
株式会社FLAPPERSに入社、現在に至る。

「好きなことが仕事になりました」
という、生粋のものづくり人。

01
あたたかくて、蒸れにくい

伊藤
今回のヤクニット、
着てみてすごい気持ちがよかったです。
上村
ありがとうございます。
ヤクの毛を使ったニットは
TICCAで7年くらい続けて作っているシリーズで、
この形は2年目です。
伊藤
ヤクの毛には、
どんな特徴があるんでしょうか。
上村
これは本当に質のいい素材なんです。
保温性が高いけれど
同時に湿気を吸ったり放出したりする
性質もあるのがすばらしいところで、
「呼吸をする繊維」とも言われています。
伊藤
すごい! 
あたたかいのに空気は通してくれる。
上村
はい。
内側に熱がこもりすぎないので、
蒸れずに快適に着られるんです。
ふんわり空気を含むので、
重さも感じにくいかなと思います。
伊藤
たしかに。
あたたかいニットって重さを感じるものも
ありますけど、
これは軽い着心地ですよね。
包まれている感じ。
上村
まさにそんな感じですよね。
ヤクの毛の中でもとくに細い産毛を使用していて、
しなやかな肌触りと上品な艶感が特徴です。
やさしい毛並みの表情も
たのしんでいただけるかなと思います。
伊藤
いい素材だなって、見てわかります。
これは、どこのヤクなんでしょう? 
上村
中国のチベット高原で育てられたヤクですね。
チベット高原は平均標高が4,000mを超える
厳しい自然環境の地域で、
ヤクの原毛の活用は伝統的な営みです。
現地で暮らす人々の生活の一部であるとともに、
大切な収入源になっているんです。
TICCAとしては、
再生可能な天然繊維であるヤクの毛はもちろん、
そういった生活文化や生産背景も魅力と考えて、
継続的に取り組みを依頼しているところです。
伊藤
前回シャツのお話を伺ったときにも、
お仕事を依頼することで
技術をつないでいきたいと話してくださいましたね。
大切なことだなと感じました。
伊藤
襟元がレイヤードになっているのが
かわいいですね。
このデザインは、
どんなきっかけで作られたんでしょうか。 
上村
僕はニットの重ね着のスタイリングが好きなんですが、
全体がかさばって見えるのは
避けたいなと思ったんですね。
重ね着っぽいのに、
スタイリッシュに見える着こなしってないかな、
と考えていたら、
襟だけをレイヤードにした
このデザインを思いつきました。
伊藤
シンプルなようで、
なかなか思いつかないアイデアだと思います。
素敵なデザインですよね。
上村
ベーシックな形なんですけど、
ちょっとこういうポイントが入っていると
決まりやすいですし、
後ろ姿も雰囲気が出るかなと思います。
伊藤
ほんとうに。
デニムにもパンツにも合いそうです。
1枚でも着られますか? 
上村
はい。春先や秋口は
素肌に1枚でも着ていただけます。
繊維がやわらかいのでチクチク感も少ないですし、
さらりと心地よく過ごせるかなと思います。
冬は、下にコットンのインナーを着ると
軽いし、あたたかさも保てます。
暖房の効いた室内に入っても蒸れないので、
汗ばむことが少ないのも
ヤクの毛ならではのいいところです。
伊藤
私、暑がりなので、
それはとってもうれしいです! 
上村
保温性も通気性も高いので、
その日の気温や湿度に合わせて
快適に呼吸してくれるニットですね。
伊藤
じゃあ、
季節も長く着られますね。
上村
秋から春まで、大活躍してくれます。
最近は急に暑さや寒さが戻ってきたりする
日もありますが、
このニットならそんなときも頼れます。
伊藤
わぁ、うれしい。
軽いから、
バッグに1枚、入れておいてもいいかも。
上村
もちろん。
シワにもなりにくいので、
持ち運んで、夜とか冷えてきたときに羽織る
防寒着としての役割も担ってくれます。
伊藤
今回の3色は、
ヤク本来の毛の色でしょうか?
上村
天然の毛色を活かしたものもありますが、
「ivory」は、原毛に漂白加工を施して、
やわらかみのあるオフホワイトに仕上げています。
あたたかさと奥行きを感じる色味が
肌になじみやすく、
上品さを感じる唯一無二の色だなと思います。
伊藤
うん、肌なじみがよくて
かわいい白ですね。
上村
「brown」と「grey」は、
ヤク本来の原毛カラーの持つ深みや奥行きが際立つ、
秋冬らしいクラシカルなカラーに仕上げています。
今季のカラー展開では、
天然の色合いを生かしながら、
知性や品が漂うような
タイムレスなカラーを意識しました。
伊藤
ほんと、3色とも品があって
素敵な色味です。
洗濯やお手入れのときに
気をつけることはありますか?
上村
素材の風合いを保つために、
お洗濯はなるべくクリーニング店に
出していただくのをおすすめしています。
着た後は、
風通しのいい日陰で湿気を逃して、
たたんで休ませてあげてください。
伊藤
呼吸している繊維ですものね。
休ませてあげないと。
上村
そうですね。
長期の保管時も、
汚れを落として十分に湿気を逃してから
たたんで保管してください。
よかれと思ってビニール袋に入れたりすると
湿気がこもりやすいので避けていただいて、
時々風通しのいい場所で陰干ししてもらうと、
よい状態を保ちやすくなります。
伊藤
なるほど。
呼吸ができるようにしておくんですね。
上村
はい。
天然繊維なので、
摩擦でピリングができることもあります。
無理に引っ張らずに、生地を平らに置いて
毛玉取り器などでやさしく取り除いてください。
伊藤
そうします。
生きていると思って、大切にしますね。
どうもありがとうございました。
上村
こちらこそ、ありがとうございました。
(おわります)
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