前週にひきつづき、
Le pivot (ル・ピボット)から
2つのトップスが登場します。
コード刺繍をレースで繋いだタンクトップと、
四角い形が印象的なタイプライターシャツ。
作り手の小林さんと金井さんに、
どんなきっかけで作られたのか、
伊藤まさこさんがお話を聞きました。
コード刺繍のタンクトップは、
シンプルなデザインの多いLe pivotで
ちょっと珍しいアイテムですが、
小林さんが「ぜひ作りたい」と思った理由がありました。
小林一美さんのプロフィール
小林一美
Le pivot デザイナー。
企画・物作りに関することすべて、
発信することやイメージに関連することを担当。
バイヤー経験後、アパレル会社で企画・生産・
プロジェクトの立上げなどを手がけ、
20年勤務した後に独立、金井さんとともに
Le pivotを立ち上げ、現在に至る。
好きなものは美味しいもの、花、映画、
ミュージカル、時代小説、そして万年筆。
金井美幸さんのプロフィール
金井美幸
Le pivot 営業・プレス・店頭販売担当。
服飾学校卒業後、アパレル勤務、
小林さんと同時期に独立し、
Le pivotの立ち上げに参加、現在に至る。
好きなことは食べること、
ミュージカル、バレエなどの観劇。
02シャープな形を、しなやかに
- 伊藤
- タイプライターシャツの方は、
ベーシックな白・黒以外に
イエローも揃えてくださいました。
派手な黄色ではないところが、
すごくいいです。
- 金井
- 馴染みやすい黄色で、
かわいいですよね。
- 伊藤
- デニムにもすごく合いました。
このシャツは、
どんなふうに作っていかれたんでしょう。
- 小林
- これは、
「四角い服を作りたい」
というところから始まりました。
- 伊藤
- 確かにこの形、
ちょっとシャープな印象。
- 小林
- 女性って、
身体のラインの多くが曲線でしょう。
四角いものを着ると、
人それぞれゆとりの出方が違って
面白いかなあと思ったんです。
- 伊藤
- なるほど。
気になる身体の丸さがあっても、
着たときにいい感じになったらいいですよね。
- 小林
- そうなんです。
いろんな体型の方に、
それぞれの形で着てもらえるかなと思います。
箱型なので、
ピンクに合わせてもかわいくなりすぎないです。
- 伊藤
- 生地はどんなものでしょう。
- 小林
- 日本の生地で、綿100%です。
細番手の糸を高密度に織っているので、
タイプライターのわりに薄くて。
- 伊藤
- 確かに、着たときに馴染む感じがします。
- 小林
- これより厚い生地だと、
もっと肩のラインもしっかり出て
バキッとした感じになっちゃうんですけど、
この薄さなら箱形に作っても
肩の傾斜がつけられるし、
いいかもと思ったんです。
- 金井
- 薄いけれど、ほどよくハリもあって。
- 小林
- そうそう。
生地屋さんで、
「ガムみたいなしなやかさを出す」
という目的で加工されている生地なんです。
- 伊藤
- えっ。ガムって、あの‥‥?
- 小林
- はい、チューイングガムです。
生地にガムみたいな反発力を持たせて、
ハリを出したり、汚れを弾くそうで。
詳しい加工内容は企業秘密とかで
教えてもらえなかったんですけど、
汚れを弾くなら夏にいいなと思ったのと、
高密度に織っているのにしなやかさが出せるので、
シャツにしたら
かちっとしながらやわらかさも感じられるように
仕上げられるかなと考えたんです。
例えば、袖口のあたりは
カフスを太めにしてるんですけど、
パキッとしすぎないというか。
- 伊藤
- ほんとうだ。
太めのカフスが素敵ですね。
袖口にもゆとりがあって涼しそう。
- 小林
- はい。
袖から風が抜けるように作っていて、
胸の前の開き部分も、
前立て(シャツの真ん中にある帯状のパーツ)を
思い切って太くしたので、全部開けて着ても
下着が見えたりする心配もないと思います。
ここからも風が入って、
涼しいと思いますよ。
- 伊藤
- 前立ては、もっと細かったら
きっと印象が全然違いますよね。
- 小林
- そうですね。
袖のカフスと、太さをお揃いにしています。
- 伊藤
- なるほど。
とてもバランスがいいです。
ボックス形だから、
アイロンがけも楽じゃないかな。
- 小林
- 楽ちんです。
干し方次第では
ノーアイロンでも大丈夫だと思うんですけど、
私は干すときにあまりちゃんと伸ばさないから
アイロンをかけています(笑)。
金井さんはアイロン要らずでしたよね?
- 金井
- はい、手でパンパン叩いて
伸ばして干してるので、
アイロンなしで着ています。
- 小林
- 後ろはセンタータックを入れているんですけど、
上から4cmくらいは縫って閉じているんです。
全部開くようにしてしまうと、
横から見たときに背中がふくらんで
猫背に見えてしまうのが気になって。
- 伊藤
- 背中もすっきりして、
横から見た姿も箱型なんですね。
袖のカフスが太いのも効いてます。
- 小林
- そうなんですよ。
このぐらい太くとると
後ろ姿も横姿も素敵かなぁと思って。
- 伊藤
- 着たときのバランスが計算されていて
さすがです。
今季も素敵なものをたくさん、
どうもありがとうございました!
- 小林&金井
- こちらこそありがとうございました。
(おわります)
2026-06-30-TUE