英国のファクトリーブランド
「Yarmo(ヤーモ)」から、
襟が印象的な「ラッフルシャツ」が登場します。
ヨーロッパの老舗ブランドを
早くから日本に紹介してきたアパレル商社、
グラストンベリーの内田起久世さんに、
「Yarmo」というブランドの特徴や
おすすめの着こなしについて伊藤さんがインタビュー。
内田さんが「万能」と語るこのシャツ、
グラストンベリーの “別注” なんですって。

写真=山川路子(weeksdays)

内田起久世さんのプロフィール

内田起久世 うちだ・きくよ

株式会社グラストンベリーの
ブランドディレクター兼プレス。
グラストンベリーは、英国を中心に、
『Sanders』『Yarmo』『Honnete』など
伝統的な製法や技術を大切にし、
確かなものづくりをする老舗ブランドを
長く日本に紹介している。
「衣料・アクセサリーなどを取り扱うにあたって、
アイテムの背景にある歴史やストーリーとともに、
マーケットに丁寧に広げていくことを心がけています」
weeksdaysでおなじみの
『ALWEL』にも携わっている。

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長く着られる形と強度と

内田
ラッフルシャツは色も含めて、
かなり万能なシャツなんです。
一番上のボタンは敢えてつけてないので、
首まわりのラフな感じがかわいくなりすぎず、
バランスもちょうどいい。
素材はワークウェアでは定番の
シャンブレー(経糸に色糸、
緯糸に白糸が使われている生地)ですから、
ワークウェアが好きな方や
マニッシュな感じが好きな方でも、
「大人カジュアル」という感じで
ちょっとアクセントになると思います。
伊藤
フリルをつけるデザインは、
グラストンベリーからYarmoに
提案されたのでしょうか。
内田
そうですね。
工場のスタッフやブランド管轄のスタッフとは
かれこれ20年の付き合いで信頼関係が築けているので、
相談しながら進めています。
とはいえ「こういうものを作りたい」と伝えると、
「こういう方がいいんじゃない?」
と言われることも、もちろんあるんですが。
伊藤
国も違えば、感覚も違いますものね。
内田
だいぶ違いますね。
私は入社して初めの頃に
英国のYarmoの本社工場に行ったんですが、
日本のアパレルマーケットに
Yarmoというワークウェアブランドを、
しかもレディース服として紹介する
ということを伝えたときには、
もう本当に驚かれました。
「はぁ? へぇー‥‥」みたいな(笑)。
伊藤
なるほど。
日本でいうと、
国内で伝統的かつ本格的な作業着を作っている会社に
英国の女の子たちが来て、
「これ、かわいい!」と言うようなことだったでしょうね。
現地の私たちにしてみたら、
「ん? なんで?」って思っちゃうかも。
内田
そんな感じだったんでしょうね。
現地ではファッションというより
「働く人のためのワークウェア」という扱いですから。
でも私は、ただ単にかわいいというだけじゃなく、
いいものを変わらずに作ってきた歴史や
ワークウェアとしての機能性、
長く着られる生地の強度とか
一部がほつれてもつくろえばまた着られるような
縫製に惚れ込んで、
ぜひ日本で紹介したいと思ったんですよ。
伊藤
現地でも、ロンドンのような都心だと
ファッションとしておしゃれに
着こなしている人もいるんでしょうか。
内田
そうだと思います。
でも、最近は英国の若い子たちの間では
ファッションに限らず、
購買意識が変わってきているように感じます。
たとえばCO₂の排出量が多い
飛行機で運ばれてきたものを買うことと、
環境問題との関係を考えていたり。
伊藤
そうなんですね。
このシャツは流行りのない形だし、
何より丈夫で長く着られるものですから
サステナブルと言えるんじゃないでしょうか。
内田
本当にそう思います。
Yarmoはデザイナーがシーズンごとに
コレクションを展開しているブランドではありませんから、
私たちも定番の形を大事にしながら
季節によって素材を変えたり、
流行りのカラーや柄を取り入れて作り続けています。
夏はインディゴやブルーだったり
染料を厳選したカラー展開にしたり。
伊藤
今回取り扱わせていただくのは4色ですね。
全部、自然になじむ色。
内田
そうですね。
天然の色というのは意識して作っているところです。
うちでは通年のアイテムですが、
このシャンブレー生地には
少しリネンが入っています。
伊藤
もしかしてアイロンをかけなくても
大丈夫でしょうか。
内田
むしろ洗いざらしの方が
雰囲気が出ていいと思います。
伊藤
それはうれしいポイントですね。
ボイラースーツの中に合わせる以外に、
内田さんならどんなふうに着られますか。
内田
一枚でももちろんいいですし、
着丈がちょっと長めなので、
羽織るのにすごくちょうどいいんです。
シャツジャケットみたいな感じで。
伊藤
たしかに! 
内田
裾をボトムの中に入れても、
はみ出しはしないけど
中でモコモコしすぎないくらいの丈感にしています。
お客さまの中には色違いで2枚目が欲しいという方も
いらっしゃるんですけど、
そんな方には重ねて着ることもおすすめしているんです。
伊藤
えっ。
色違いのラッフルシャツを重ねて?
内田
意外ですけど、
すごくかわいいんですよ。
伊藤
いいかもしれない。
そう考えると、一年中着られますね。
内田
はい、通年活躍してくれるシャツです。
最近、街でデニムのGジャンをよく見かけるんですけど、
そういうものとか古着のアイテムとも相性がいいですし、
逆にちょっとモードっぽいものとも合いますよ。
伊藤
ほんと、万能。
色が違うと印象も全く変わりますしね。
素敵なものを、ありがとうございました。
内田
こちらこそありがとうございます。
着こなしで遊んでいただけたら嬉しいです。
(おわります)
2026-04-21-TUE