永遠のアイテム

パリ北部・サン=トゥアンの蚤の市の一角にある、
手芸用品の店。

古い扉を開けると、
そこに並ぶのは、
「めくるめく」と表現するのがふさわしい量の、
リボンやボタン、レースの数々。

地下へ通じる、秘密扉のような戸を開けてもらい、
木の階段をそろそろと降りていくと、
天井までの棚、棚、棚。
そこにぎっしりと箱が並び、
ひとつひとつ蓋を開け、目当てのものを探すのです。

聞けばこの店、
世界中からデザイナーが素材探しにやってくるそう。

なるほど、
このヴィンテージのボタンやレースを見ていたら、
創作意欲が湧くに違いない。

私だって、
眺めているだけで時間を忘れるもの。

ああ、また行きたいなぁ。
ちょっと埃っぽい、
宝が詰まったあの店に。

‥‥そんなことを思い出したのは、
繊細で美しく、
ちょっとはかないレースの服を見たから。

今週のweeksdaysは、
SAQUIのフォーマルジャケットとレースプルオーバー。

レースって女の人の永遠のアイテムなのかもしれないなぁ。

伊藤まさこ

2025-09-19-FRI