こんにちは、「ほぼ日」の下尾(しもー)です。
「かわいらしい」って
老若男女どんな人でも持つことのできる
「魅力」のことだと思います。
いつか「かわいらしい」おばあちゃんになるために、
憧れの人にヒントをもらいにいくシリーズを始めます。
初回ゲストは山瀬まみさん。
歳を重ねて変わったもの、変わらないもの。
これからどう生きていきたいかなど、
愛をもって教えていただきました。

ほぼ日の學校で、ご覧いただけます。

>山瀬まみさんのプロフィール

山瀬まみ(やませまみ)

1969年生まれ、神奈川県出身。ホリプロタレントスカウトキャラバングランプリを受賞し、芸能界へ。歌手としてデビュー後、バラドルとしてバラエティー番組でも活躍。『新婚さんいらっしゃい!』『ためしてガッテン』『天才!志村どうぶつ園』『ブロードキャスター』などで、お茶の間の人気を博す。現在、毎週火曜日BAYFM「it!!」にレギュラー出演中。
山瀬まみさんのHP

スタイリスト:石黒祥江
衣装クレジット:KIRIKOMI

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第3回 食べるために生きる人生

──
まみさんはお酒が好きだとお聞きしたんですが、
歳を重ねると、健康じゃないと飲み続けられないなと。
山瀬
飲み続けるって、長時間ってこと?
──
いえいえ、一生、長いスパンでという意味です。
病気になったら飲めなくなるので、
まずは健康でいなきゃいけないと思っていて。
そのためにケアしていることはありますか?
山瀬
毎日ハイチオールCを飲んでる(笑)。
効能に「二日酔い防止」って書いてあるの。
あれ、シミ・ソバカスにもいいから一石二鳥。
寝る前に飲んでいます。それぐらいです。
──
野菜をいっぱい食べるとか、
そういうことはされますか?
山瀬
野菜はいっぱい食べてるけど、
べつに長く飲み続けるために食べてるわけじゃなくて、
好きだから食べてる。
食べることはいちばん自分の元気につながるし、
からだをつくるのは食べ物だから、
そこはすごく意識して大事にしています。

──
料理も日々、ご自身でされてますもんね。
毎日つくられてるんですか?
山瀬
毎日つくっています。
──
献立はどんなふうに考えるんですか。
山瀬
1週間ずーっと考えています。
生協を頼んでいて、週1の宅配なんですよ。
その宅配が来たら、カタログも一緒にくるから、
それでもう次の週のメニューを考えて、
それに合わせて材料を頼むって感じです。

──
来週のメニューは、もう前の週に
決まっているってことなんですね?
山瀬
そうなの。
ちょっとモードが変わっちゃっても決まってるの。
そろそろ寒いかなと思って鍋料理にしたとしても、
暑いこともあるから。
ただ生協のいいところは、
ほんとに旬のものしか売っていないところです。
スーパーって野菜だったら何でも1年中あるでしょ? 
例えば春菊とかオクラとか。
オクラなんて、
ほんとに夏の限られた期間しかないんだよ。
そういうふうに当たり前にあるものがないから、
そのときに出ている野菜しか食べられないの。
それが逆にいいのかなって思っています。
──
じゃ、旬のものを春夏秋冬食べて。
山瀬
そうです。後半飽きるんだけど、その食材に。
だから次はどうやって食べようかなって考えて、
新しいレシピができていく感じ。
──
自分でいろいろな新しい料理に
挑戦するのも好きなんですね?
山瀬
大好き。
食べたことない料理でも、
見た目でだいたいその料理がつくれます。
──
どういうことですか?
山瀬
味が一緒かはわからないけど、
想像しながらつくるのが大好きで、
雑誌とか見ていて、おいしそうだと思ったら、
その見た目から頭の中で、
あー、こんな感じかも思い描いて、
実際の食材でやってみるって感じ。
──
レシピを見なくても。
それっぽいものが、つくれちゃうんですね。
山瀬
そう。それっぽいのをつくるのが得意!
──
それは、例えば、
このお酒に合うなと思ってつくるんですか。
山瀬
そう。献立を考えるときは、
だいたい4日〜5日分の夜、
これは白ワイン、これはハイボール
ってお酒で割り振って決めてるの。
毎日同じお酒にならないように。
──
毎日飲むお酒の味を変えるために、
日本酒に合う、芋焼酎に合うとかで
献立を考えるんですね?
山瀬
そうそうそう、それ、それ。
──
料理とお酒の組み合わせで
最近ヒットしたものはありますか?
山瀬
そんなの、無限にあるから。

──
無限に!? 毎日大成功ってことですね。
山瀬
うん。わたしは、おいしいと思ってる。
毎日だいたいひとつは新しいものを
入れるように努力はしているの。
初めましての食べ物があったほうが、
夫も楽しいだろうから。
定番も、もちろんつくるけど。
──
ちょっと待ってください。
初めましての食べ物というのは、
その食材を初めて使うということですか?
山瀬
料理自体が、初めてということです。
──
それって、
ものすっごく大変なことじゃないですか。
25年以上、毎日新しい料理が
ひとつはあるってことですよね?
山瀬
うん、なるべく、ひとつは
入れようと努力しています。
入らない日も、もちろん全然あるけど。
──
ずっと研究しつづけなきゃいけないですね。
新しい料理に対して。
山瀬
そうかも。実験ばかりだから。
たのしみながら、つくっています。
──
いやあ、サラッとおっしゃいましたが、
すごすぎて、びっくりしています。
今まで、つくった料理の中で、
おもしろい料理はありますか?
山瀬
え? おもしろいの?
っていうか、たぶんわたしの料理は
すべて変わってるからなあ。
夜は、ほぼライスに
合わないようなものばっかり食べてるから(笑)。
昨日の夜ね、これ昔からつくっていて
大好きなんだけどね、カリフラワーを
小房にちぎって生で食べるんだけど。
お餅を甘いしょう油で食べるときある?
──
あります。好きです。
山瀬
ほんと? フライパンで、
あれぐらいの甘いしょう油つくって、
火を止めてからバターを溶かすの。
そのタレをつけて、カリフラワーを食べてごらん?
おいしいよ。
──
それは、おいしそうですね(笑)。
山瀬
超おいしい。あと昨日はね、
リンゴを1センチぐらいにスライスして、
ちょっと砂糖をかけて、
バターをちょっと乗せて、一回チンするの。
そこに塩コショウ、ピザ用チーズでトースター。
──
わあ、これも、おいしそうです。
山瀬
おいしそう? こんな夕飯で大丈夫?(笑)
そういうのを何個かつくって、
昨日は赤ワインを飲んだの。

──
赤ワインの日だったんですね、昨日は。
新しい一品料理も、あったんですか?
山瀬
そのリンゴを焼いたやつ。
チーズを乗せるまでとか、シナモンを振るとか、
その手のものは前にもあったけど、初チーズ。
──
どうでしたか?
山瀬
超おいしい。
昨日は、ピザ用チーズしかなかったけど、
たぶんブルーチーズのほうがおいしい。
──
今まで何十年もつくられているのに、
それでもまだ新しいものをつくろうと
日々努力されているんですね。いやあ、すごいです。
これを食べたいから、
ここに行きたいという場所はありますか?
山瀬
うーん、いっぱいあるけど。
夫がね、小樽にロケに行ったときに行った店で、
シャコの爪を食べたんだって。
それを食べに行ってみたいなって思っています。
シャコ本体は食べるけど、シャコの爪って食べないでしょ。
それが、なんかエビみたいな味なのかな、
おいしかったって言ってて。
とりあえず、ちょっとそれを食べに行ってみたいです。
──
それは現地に行かないと食べられなさそうですもんね。
まみさんは、料理以外で、
おうちで何かをしていることはないんですか?
山瀬
ないな(笑)。
っていうか、ほんとにキッチンの前にいる時間が長いから。
献立も考えてるし。
だからもう食べるために生きている人生ですよ(笑)。
あとはグルメドラマを見ています。
たいていそのシーズンに、ひとつはあるから。
──
それを見ながら、
また自分の料理の参考にするんですか?
山瀬
そういうときもあります。
あー、これ食べたいってちょっと胃袋が動いたらね。
──
料理以外に、日々勉強して、
これだけは準備して番組とかに臨んでいます
ということは、ありますか?
山瀬
日々の小ネタみたいなものは、
メモっています。

──
おーっ。
山瀬
あ、次これを話そうとか、
あれちょっと面白かったかなっていうのを
メモしています。
例えばアンケートを書くときに、
なんかないかなって見たり。
だからちょっとネタ帳っていうと恥ずかしいから。
‥‥メモ(笑)。
日常の小っちゃいこととかって
使えそうなことがいっぱいあるけど、
日常だからすぐ忘れちゃうでしょ。
そういう、どうでもいいことを
ちょっと書いたりとかして。
そうすると、例えばラジオとかで、
聴いている方にとっても日常だから、
そういうときに、あ、そうだ! 
わたし、これ書いてたなと思い出して
バーッてしゃべったりできるんです。
──
メモに書けそうなことを
意識しながら生活しているんですね。
山瀬
そうそう、今週、井之頭五郎が食べたものとか(笑)。

(つづきます)

2025-05-03-SAT

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