ほぼ日は創刊27周年をむかえます。
27年間、1日も休むことなく、
大きいものから小さいものまで、
たくさんのコンテンツをとどけてきました。
そこで、みなさんにひとつ質問します!

これまでに公開したコンテンツで、
「あ、ほぼ日っておもしろいかも」と、
最初に気になったものはなんでしたか?

偶然見つけた記事、誰かのことば、あの商品‥‥。
ほぼ日の27年におよぶアーカイブのなかで、
あなたが最初に「いい!」と思ったコンテンツを、
わたしたちにおしえてください。
ご協力くださった方には、
抽選でかわいいアクキーをプレゼント!
アンケートの結果は
創刊記念日にどどーんと発表しちゃいますー!

※募集は締め切りました。
たくさんの投稿をありがとうございました!

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ほぼ日乗組員の、 わたしの入口。その2

 
いまほぼ日ではたらく乗組員は、
いつ、どんなコンテンツに触れて、
ほぼ日に興味をもったのでしょうか?
それぞれが最初に強く印象に残ったものを、
14人の乗組員に紹介してもらいました。
ここからは後半の7人です。
ごゆっくり最後までおたのしみください。

私がほぼ日を読み始めたのは高校生の頃。
自分でサイトをつくったり、2ちゃんを見たり、
いわゆるオタクな女子高生だったので、
気づけばほぼ日に行き着いていました。

夢中になって読んだのは、
カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)』。
わりとファンキーな環境で育ってきたので、
「カワイイ」という概念はギャルのもので、
ギャルが認めたものしか
「カワイイ」とされないと思っていました。
キラキラでギラギラで、イケてなきゃいけない。

なので、びっくりしました。
ガイコツってカワイイの? ピリ豆はカワイイの?
あらゆるものの「カワイイ」ところを探りながら、
はじめはちょっと疑念があるものでも
カワイイところを懸命に見つけようとするのが、
このよみもののやさしさ。
疑ってかからずに、
それぞれの人が大切に思っていることを
担当である山下さんが話を聞きながら、
「あー、◎◎でかわいかった!」と
それぞれのかわいさを見つけて終わるんです。

どれも、雑誌『Seventeen』に取り上げられてないし、
竹下通りに売ってなかったけれど、
固定概念みたいなものがガラガラガラっと崩れて、
「私が思うカワイイでいいんだ」と
思春期の自分にとって大きな気づきをもらいました。

大好きな回は、落ちてたものはカワイイ。
私は加賀美健さんの連載「最近、買ったもの」
が大好きなのですが、
「カワイイもの好きな人々」を
久しぶりに読み返してみたら完全に同じニオイがして、
何歳になっても人は変わらないんだなと思いました。

それから、多種多様なブームがやってきて、
クラスにはギャルも裏原も森ガールもいる
個性バンザイな時代がやってきました。
どんな価値観も、誰のカワイイも認められたのは、
「カワイイもの好きな人々」でつちかわれた
マインドのおかげです。

わたしがほぼ日を知ったのは、
お友だちが誕生日にプレゼントしてくれた
あたまのなかにある公園。』という本でした。

糸井さんのことばをえらんでまとめたもので、
バンドマンって実は「ルール」を守る人たちなんだとか、
「すごいなぁ」をちゃんと言える人になりたいなとか、
ふだん目を向けてない小さな発見がいくつも書かれてて、
当時カチカチだったあたまがゆるんだのを覚えています。

そして、気になる人をウェブで調べると、
「あ、またほぼ日だ」という感じで、
よく検索に出てきていました。
しかもその人の知らない面がたくさん書かれているので、
ほぼ日を見つけるたびに
コンテンツを夢中で読んでいた気がします。

それから「生活のたのしみ展 だったり、
ほぼ日の学校のような「場」に参加するようになり、
お客さんも接客してる人もみんなたのしそうで、
「なんだこの空間は!」と衝撃を受け、
自分もいっしょに働いてみたり、
観察会や感想会をするような仲間ができたり。

ウェブのコンテンツでもリアルの場でも、
ここに来ればたのしんでいる人たちが集まっていて、
新たなことを知ったり、ときに共有しあえるうれしさに、
ぐんぐんとハマっていったんだなと思います。

ぼくが最初に「ほぼ日」と出会ったのは
ウェブではなく、書籍を買ったことでした。
大学4年生、就職が決まらずに現実から目を背け、
友達とも会いづらくなってきたし、お金もないし、
なぜか家で模写とかしだして(本当になぜだろう)、
就職活動の立て直しを図ろうとしていた頃。

Amazonの履歴をぐーっと遡ってみる‥‥と、
2009年6月22日の23時14分に購入した
オトナ語の謎。』がほぼ日の入口でした。

オトナの世界をのぞこうとして買ったのだろうけど、
はたして就活対策がそれでよかったのか?
まあいい、いいに決まっています。
過去のことは、ぜんぶOK。
買って読んでたのしかったのだから、
きっとその時期のぼくに必要な本だったんでしょう。

「オトナ語」、あらためて読んでみました。
ああ、これだこれだ、この感じ。
就活の時期に読んで気持ちが救われたのは、
就活サイトや会社のパンフレットで
いっぱい浴びせられた「役立つ情報」に対して、
ほんとにそれ、みんなが思ってるのか?
という疑問を抱いていたからでした。

それまでに触れたことのないことばが
こんなに飛び交っているのが、
おかしくってしょうがなかったんです。
そう思っていたら、
それを「オトナ語」として取り上げて
おもしろおかしく扱ったのが、ほぼ日です。

どこ切り取ってもおもしろいんですが、
好みなのはシリーズものです。
「素材」「料理する」「煮詰める」「煮詰まる」
「寝かせておく」「焦げつく」
これらが全部、ビジネスで使われているなんて
大学生の「ひらの君」にとっては、
おもしろくてしょうがないものでした。
その後、さらに就職活動が「煮詰まって」
就職留年をかますことになるのですが、
それはそれ、この本を手にした5年ぐらい後に
ほぼ日に入っているんだから伏線回収です。

私がほぼ日と出会ったのは高校1年生のとき。
友人がほぼ日手帳を使っていたことがきっかけで、
「ほぼ日刊イトイ新聞」を読むようになりました。

当時、とくに夢中になって読んでいたのは、
山田ズーニーさんの『おとなの小論文教室。』です。

毎日たのしく過ごしながらも、
自分が感じた気持ちをうまく言葉にできない
モヤモヤを抱えていた16歳の頃。
そんなときに、心からの本音で
感じたことや考えたことを伝え合っている
ズーニーさんと読者の方のやりとりを読んで、
「感じたことをこんな風に言葉にできるなんてすごい!」
と、かっこいい先輩をみつけたような
気持ちになったことを覚えています。

それから過去の連載をさかのぼって読み、
とくに「おもしろいなあ」と感じた回は
手のひらサイズに小さく印刷して、
友人と交換していた手紙に入れ、
感想を話し合ったりするくらい
『おとなの小論文教室。』に
心掴まれていた高校生時代でした。
(いまもだいすきです!)

自分が携わるコンテンツも、
誰かがほぼ日に出会う入口になれていたらうれしいです。

ほぼ日編集部の松本です。
私は中学生のころにほぼ日を読み始めたのですが、
当時、物心がつくかつかないかの瀬戸際を
フラフラしていたため、明確に
ハマったタイミングを思い出せず‥‥。
なので、読み始めたころとくに好きだった
コンテンツを3つ挙げさせてください。

1. A VERY MERRY EVERY DAY
ほぼ日の日めくりカレンダーの写真を
不定期に解説したコンテンツ。
私にとって「次の日をたのしみにする」ことの
原体験だと思います。
陰気な中学生の自分とはかけ離れた
あこがれの世界観でしたが、
「こんな素敵なものたちが実在するんだ」
という感動は、いまも私のなかに残っています。

 

2.おとなの小論文教室。
現在も連載中、山田ズーニーさんの小論文教室。
中学生の私は、前述のとおり
自我がフラフラしていたので、
なにに着いていけば間違えないのかわからず、
毎日、オドオドしていました。
そんな時期にほぼ日でズーニーさんの文章を読み、
「たぶん、これは信じていいことだ」と
感じたのを覚えています。
とくに好きな回は、Lesson752、789です。

 

3.レ・ロマネスクさんと派手な棚卸し
レ・ロマネスクのおふたりが
ほぼ日の棚卸しをお祭り仕様にしてくれた日の
テキスト中継。
大人になったら辛抱して働かないといけないと
思っていたので、「仕事はこんなふうに
たのしむこともできるのか」と衝撃でした。
ちなみに、棚卸しという言葉に出会ったのが
このコンテンツだったため、長らく
「棚卸し=蛍光ピンクな、盛り上がりイベント」の
イメージがありました。

こうして振り返ると、私はほぼ日の
「まったく毛色の異なるコンテンツたちが、
いつものびのびと動いている」ところに
惹かれたのかもしれません。
当時の自分もおもしろがってくれるコンテンツを
生み出し続けるために、初心を忘れずにいたいです。

最初に「ほぼ日」にたどり着いたのは、
高校時代の夜中にリビングのパソコンで
「天海祐希さん」を検索していたときでした。

携帯電話はまだガラケーだし、
自分のパソコンなんてないし、
家族が寝静まった夜中に真っ暗なリビングで
ひっそりといろいろなものを読めるネットが
楽しみだったのです。

当時はブログ全盛期。
ドラマを見てファンだったので、
天海さんもブログとかやってないのかなーと、
思ったのだと思います。
そこでほぼ日で昔から連載されていた
おいら。』にたどり着き、
イメージとは違うフランクさにはまって一気に読みました。
昔から文章があれば
延々と読んでしまうタイプだったので、
そこからはほぼ日に無限にあるコンテンツを
乱読していきました。

中でもハマったのが、乗組員と呼ばれる
ちょっと変わったひとたちが出てくるコンテンツです。
制作中やテキスト中継で垣間見える、自由さと真剣さ。

思いっきりふざけていたり、
ふらふらになるまで働いていたり、
みんなでごはんをつくって食べていたり、
たまに小競り合いをしていたり‥‥。
「ちょっと変わった」と感じたのは、
それまで自分のまわりにいた
「大人」に感じていたイメージと
あまりにも違っていたからだと思います。
そして、人間味あふれる乗組員のみなさんのことを
とても好きになりました。

その後、偶然が重なって
ほぼ日に経理として入ることができましたが、
実際にいっしょに働くようになっても
イメージそのままのおもしろい先輩方でした。

働く人たちの人となりが見えてくる
ほぼ日のテキスト中継は、
いまでもずっと好きなコンテンツのひとつです。

ほぼ日をはじめて知ったのは、
たぶん2012年だったと思うのですが、
そのときに出会ったのがこのコンテンツでした。

さっき、これを書くために
久しぶりに読みに行ったのですが、
もう、のっけから引き込まれました。

このコンテンツ、まず構成がおもしろいです。
1ページめが「第0回」なのですが、
ここでの「第0回」はプロローグというより、
5ヶ月におよぶ預かりボランティアを終え、
エピローグのように書かれたものが
「第0回」として最初に掲載されています。
つまり、クライマックスが最初に来て、
本編は過去のできごととして進んでいきます。

ここでのクライマックスは、別れです。
「牛」と「海苔」という2匹の猫との、別れ。
クライマックスがすでに明らかにされているので、
たのしい日も、かわいい日も、何でもない日も、
常にほんのすこし寂しさがただよっています。

文章はあえておさえ気味で、
プライベートな日記のようでもあります。
それでいてほぼ日が大事にする
やさしさとか、つよさとか、おもしろさとか、
そういうものが全部つまっていて、
ページをめくるたびにじーんとしたのを覚えています。

ぼくがこのコンテンツに出会ったのは、
連載が終わってだいぶ経ってからでした。
当時、保護犬といっしょに暮らしはじめたので、
その流れで見つけたのだと思います。

このコンテンツがきっかけで、
ぼくはほぼ日というメディアを知り、
「えっ、糸井さんって、あの糸井さん?」と驚き、
そこから毎日更新される
ブイヨンの写真と一言が(気まぐれカメラ)が、
もうかわいくって、おもしろくて、
それ目当てで毎日のぞいていたなぁ‥‥
というのを、いまこれを書きながら思い出しました。
牛と海苔、そしてブイヨン、ありがとね。

 
以上、ほぼ日乗組員14人の
「わたしの入口」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの「わたしの入口」は、
6月4日(水)まで募集中です。
メッセージは短くてかまいませんので、
あなたがほぼ日に興味を持ったきっかけ、
ぜひわたしたちにおしえてくださいね。

※募集は締め切りました。
みなさんからいただいたメッセージは、
創刊記念日は6月6日(金)にご紹介する予定です。
どうぞ、おたのしみに。

2025-05-26-MON

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