ほぼ日は創刊27周年をむかえます。
27年間、1日も休むことなく、
大きいものから小さいものまで、
たくさんのコンテンツをとどけてきました。
そこで、みなさんにひとつ質問します!

これまでに公開したコンテンツで、
「あ、ほぼ日っておもしろいかも」と、
最初に気になったものはなんでしたか?

偶然見つけた記事、誰かのことば、あの商品‥‥。
ほぼ日の27年におよぶアーカイブのなかで、
あなたが最初に「いい!」と思ったコンテンツを、
わたしたちにおしえてください。
ご協力くださった方には、
抽選でかわいいアクキーをプレゼント!
アンケートの結果は
創刊記念日にどどーんと発表しちゃいますー!

※募集は締め切りました。
たくさんの投稿をありがとうございました!

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ほぼ日乗組員の、 わたしの入口。その1

  
いまほぼ日ではたらく乗組員は、
いつ、どんなコンテンツに触れて、
ほぼ日に興味をもったのでしょうか。
それぞれが最初に強く印象に残ったものを、
14人の乗組員に紹介してもらいました。
まずは前半の7人分を、まとめてどうぞ!

わたしが「ほぼ日」と出会ったのは、
今から約10年前くらいの大学生の頃。
当時のわたしは、熱狂するほど好きなものもなく、
なんだかずいぶんぼんやりしていた学生でした。

唯一の趣味は、
家への帰り道にあるフグ料理屋の前で
フグが泳ぐ大きな水槽をながめること。
フグ料理屋の大きな水槽には
20匹くらいのフグがいて、
泳ぎまわるわけでもなく、
ただぷかぷか浮かびながら
くちをパクパク動かしているのを、
ただ無心で眺めるのが好きでした。

その頃、母との会話に
よく登場していたのが「ほぼ日」という言葉。
おもしろい読み物や素敵な商品が載ってるサイト
というくらいの認識で、
当時インターネットにあまり慣れていなかったわたしは、
名前だけなんとなく知っている、という程度でした。

でもある日、母がぽつりと
「ほぼ日、フグ飼ってるんだよ」と言ったのです。
え! フグを飼ってる会社?!
そのひと言でグングン興味が出てきて、
わたしはすぐに「ほぼ日 フグ」で検索しました。
すると、「受付のアルバイト募集」のページが出てきて、
仕事内容のところにはなんと
「フグのお世話」と書いてあったのです。
フグのお世話、したい!
その気持ちだけで応募しましたが、
結果は残念ながらご縁がなく‥‥。

それでもその出来事をきっかけに、
「ほぼ日」の読み物や商品にふれるようになり、
数年後、フグではない別の場所ではありますが、
わたしはほぼ日に入社することになりました。

いまでも『今日もフグは。』のページをのぞいたり、
社内でフグを見かけると、ちょっとうれしくなります。

思い返せば、あの頃、ぼんやりしていたわたしに
母は「好きなものに出会うきっかけ」として、
何度も「ほぼ日」をすすめてくれていたのかもしれません。
そう気づいたのは、ずっとあとになってからのことでした。

MOTHERというゲームが発売された頃は、
キムタクのCMのことしか知らなかったんです。
そのまま通り過ぎちゃったのですが、
20代になって友人の影響ではじめました。
もうファミコンは持っていなかったので、
ゲームボーイミクロを買って、「1+2」をやりました。
ちっちゃな画面で、何度も何度も遊びました。

2006年に『MOTHER3』が発売されるとき、
2種類のTシャツがでたんです。
すぐに買いました。そりゃ買うよね。
+LOVET』。
それがはじめてのほぼ日との出会いです。

でも当時はパソコンを持っていなくて、
ほかのコンテンツに触れることがないまま間があいて、
また思い出した頃にほぼ日で買い物をしました。
そのとき買ったのは、
飯島奈美さんの本『LIFE』と「ハラマキ」です。

『LIFE』のコンテンツは、
最初はおいしそうだな~とながめていたのですが、
飯島さんの本の帯に
「まずはレシピのとおりにつくってみてください。
まちがいなく、おいしくできあがります。」
というキラーワードが記されていて、
そこに惹かれたんです。
そしてその言葉に偽りなし!
LIFE以前、LIFE以後と分けられるでしょうか。
自分の料理があきらかにおいしくなったんです。
そんな料理本に出会ったのははじめてだったので、
飯島さんのほかの本もいろいろ買いました。

その頃から、ほぼ日を読みはじめました。
タモリさん、みうらじゅんさん、タナカカツキさん。
自分がこれまで憧れていた人が、
こぞってほぼ日に登場している‥‥。
「すべての道は糸井さんに通じるんだ」
そう思った日をいまでもはっきりと覚えています。

読み物でとくに好きなのは
カレー部例会@電力館』です。

タモリさんが料理をするのって、
なんであんなにいいんでしょうか。
加えて山下洋輔さん、みうらじゅんさん、
リリー・フランキーさん、東京カリ~番長という
豪華すぎるみなさんと糸井さんのやり取り、
そしてイベント準備に奔走する
乗組員たちの全力な様子が入り混じる
大好きなテキスト中継です。

ほぼ日に興味を持ったきっかけのコンテンツ‥‥
正直なところを言うと、
どれだったか覚えていないんです。

好きなバンド「クラムボン」が主題歌をつくった
黄昏』かもしれないし、
「いいと思うものをしっかりと伝えられるようになりたい」
という思いから読み始めた
おとなの小論文教室。』かもしれない。
ほかにも
新宿二丁目のほがらかな人々。』、
渋谷パルコの『はらきたい展。』、
震災後の読み物『その話し合いをしておこう。
だったかもしれない‥‥と。
入社前に興味をひきつけられたコンテンツは、
それはもう、たくさんあります。

どれが最初かは忘れてしまったのですが、
いつからかほぼ日を読むのが日課になって、
当時の職場の昼休みに毎日読んでいました。
ちょっと嬉しい自分だけの時間として。
もちろん「今日のダーリン」も欠かさずに。
「これは!」とおもったフレーズは、
メモに書き写していたなあ。

いろいろと思い返していくなかで、
そういえば! と、思い出しました。
はっきりと、「ガーーーン!!」と
目が覚めるような気持ちになりながら、
釘付けになったコンテンツ。

それは、『CACUMA』です。
憧れの存在、渡邉良重さんとほぼ日が、服をつくる‥‥?

もうそれだけでワクワクドキドキが止まりませんでしたし、
デビューコンテンツの読み物、
商品の予告、説明文、写真、デザインまで、
すべてが丁寧につくられていて、
でも押し付けがましい雰囲気ではなくて‥‥。
それはまるで信頼できる長い長いつきあいの販売員さんが、
隣で静かに、
でも情熱たっぷりに語りかけてきているようでした。

それまでずっと
アパレル業界に身をおいてきた自分にとっては、
その表現がとても新鮮で、かなりの衝撃をうけました。

ああ、こんなにまっすぐに、
「いいとおもうもの」に情熱をそそいで、
つくって、伝えて‥‥こんなふうに仕事がしたい。
そう思ったときのことを、
いまでもはっきりと覚えています。

それからちょっとして、
白いシャツをめぐる旅。』でさまざまな乗組員が、
伊勢丹で自分に似合うシャツを探し求める様子を読み、
「なんだこの面白い企画は?!」とまたさらに刺激をうけ、
「ほぼ日みたいな場所で働きたい!
いや、ほぼ日で働きたい!」と強く思うようになり、
念願叶って入社することになりました。

あのときショックを受けた『CACUMA』のおかげで、
入社後も、それはそれはいい意味で、
自分の仕事の仕方について
刺激と学びを、いまも受けつづけています。

ぼくがほぼ日と出会ったのは、
任天堂の元社長・岩田聡さんと糸井重里が
「はたらくこと」について語り合った、
星空の下の仕事観。"』という連載でした。

このコンテンツは、
当時21歳だったぼくが生まれてはじめて、
「たのしそうにはたらく大人」に
出会った場所でもあります。

そのころのぼくは、
子どもの頃からの夢だった音楽の道を諦め、
陰鬱としたきもちで就職活動をしていました。
毎朝スーツを着て、満員電車に押し込まれて、
食べていくために行きたくもない会社に行く。
当時のぼくには「はたらく」ということが、
そういうものに見えていました。
この連載に出会ったのは、そんな時期。

岩田聡と、糸井重里。ふたりの社長が、
「イヤなことなんてほとんど毎日ある」と言いながら、
全7回かけて、まあたのしそうに、うれしそうに、
「はたらく」ということについて話す。
こんな人たちを、ぼくは見たことがありませんでした。
「1秒でも早く、次の行を読みたい」
そんな気持ちで読み進めたのを覚えています。
読み終わったとき、ぼくは、
「はたらくって、案外悪くないのかも」と、
はじめて思いました。
その、うれしい、衝撃たるや。

そこからぼくは夢中になってほぼ日じゅうの
「岩田聡×糸井重里」のコンテンツを読み漁り、
そして気づけばなんの関係もないコンテンツまで、
渇いた喉を水で潤すように、ごくごくと読んでいました。
なんだかうまく説明はできないけど、
大人っぽい都合とか、ウケやすいこととか、
綺麗事だとか、そういうことと距離を置いて、
「本当のこと」を扱ってくれる場所に出会えたと、
学生ながら、そんな心地で読んでいました。
そして、この「ほぼ日」という場所に登場する大人たちは、
なんだかみんな、はたらくことがたのしそうだ、
と思いました。
こんなにたくさん
たのしそうにはたらく大人がいるということが、
当時のぼくには大きな希望になりました。

ああ、ああ、そうなんだよな。
そんな入口から入ったからか、
ぼくにとってほぼ日はずっと、
「たのしくはたらく大人たち」の場所なんです。
コンテンツに出てくる人たちも、
ほぼ日ではたらいている人たちも、
みんな、「たのしそうにはたらく大人たち」。
そして自分もいま、ここにいるわけで。
「どんな入口から入ったか」って、
「その人がどんな道を歩いていきたいか」と、
案外つながってるのかもしれませんね。

わたしがほぼ日で最初に出会ったのは
Say Hello! あのこによろしく。』でした。

このコンテンツを知ったのは、
2004年か2005年。
どうやってこのコンテンツにたどり着いたのか、
はっきり覚えていません。
なんせもう20年も前(!)のことなので、
記憶があいまいです。

とにかくルーシー、ニコ、サンコ、ヨンコの写真が
かわいくてかわいくて、メロメロになりました。
「3連符。」の画像をダウンロードして
自分のパソコンの壁紙にしていたこともあります。

生まれてほやほやの赤ちゃんだった
ニコ、サンコ、ヨンコが少しずつ大きくなって、
どんどん個性豊かになっていくようすが
ものがたりに添えられた写真の1枚1枚から感じられます。
ニコとサンコの旅立ちのシーンは、
ほろっと泣いてしまったことを
あらためて読んでいて思い出しました。

このコンテンツが書籍になって、
保育園の卒園式で先生から
卒業する年長さんに配られたお話や、
結婚式の引き出物にされたご夫婦のお話などもあって
なんだかいいな、素敵だな、と思っていました。

これをきっかけに、
わたしはほぼ日を知ることになるのですが、
「Say Hello!」とはジャンルも雰囲気も違う
読みものが他にもいろいろあったり、
タオル、Tシャツ、手帳、ハラマキまで売ってる!?
そんなサイト、当時は他にあまりなくて、
「次は何が出てくるんだろう」と、
どんどんハマっていき20年。いまに至ります。

「今日はなにが更新されているかなぁ~」と、
乗組員になったいまもほぼ日を訪れる毎日です。

曲とコメントを行き来しながら、
何時間でも楽しく過ごせます。
心はドキドキして、何度か涙も流したと思います。

知らなかった曲は身近な曲になり、
知っていた曲は大好きな曲になり、
そして、もともと好きだった曲は、
もっともっと好きになりました。

「老舗のウェブページ」という印象だった「ほぼ日」を、
ガラリと変えてくれたのが、このコンテンツでした。

乗組員(社員)と読者の、
あたたかくて真剣なやりとりがおもしろくて、
ちょうど転職を考えていたぼくは、
「こんな人たちの仲間になりたい」と思いながら、
エントリーシートを一所懸命に書いたのでした。

ぼくがほぼ日を知ったのは自分が大学2年生とかの
20年以上前、20歳くらいの頃でした。
知ったときに「なんだかべらぼうにおもしろい
ホームページがある!」と感激して、
ハマって読んでいたことだけは覚えています。

当時はパソコンを持っていなかったので、
大学の視聴覚室に行っては、何時間とほぼ日を読む、
ということをしていました。
好きなことばがあるとプリンターで出力するのですが、
あまりに「おっ!」と思うことが多すぎて、
毎回分厚い束を何十枚と持って帰るのが恒例でした。

当時好きだったコンテンツはいろいろあります。
明日に向かって捨てろ!!』『海馬
言いまつがい』『ガンジーさん。
がんばれ自炊くん!』『新宿二丁目のほがらかな人々。
カワイイもの好きな人々。
ほぼ日手帳世界一物語。』‥‥。

読みながら、いろいろワクワクしてたなあ。
こんな自由なメディアがあるなんて! と感動したよなあ。
連載ものはいつも続きが気になってたなあ
‥‥なんて振り返るうち、突然はっと思い出しました。

当時の自分がいちばんよく読んで、
いちばんプリントアウトしていたのは、
糸井さんが週1回書いていた長めのコラム
ダーリンコラム」でした。間違いない。

当時50代だった糸井さんが、
ほぼ日をやっていくにあたって考えたことや、
日常的に感じたことを、気合いを入れて
書かれていたわけですが、これが本当に大好きでした。
考え中のものがたっぷりまじるので、
隅々までわかりやすい文章でもないのです。
話の流れがあっちこっちにいきもするし、
とつぜん謎のおじさん口調で書かれたりもする。
でも、ここにはなにか豊かでおもしろそうなものが
たっぷりあって、ふと自分の心を
ぐわっと揺さぶってきたりもするので、
「わかりきることはできないけど、大好きだ!」と思って、
掘っては読み、掘っては読み、していました。

当時の若い身体と心で、本当にまっすぐ、
真剣におもしろがって読んでいたので、
自分の感性の土壌の部分を
「ダーリンコラム」が、いつのまにかぽくぽくと
深く耕してくれていたように、思います。

直接影響を受けた発想もいろいろあるけれど、
たとえば「明るいだけで、基礎点40点」。
若い自分にこんなことを教えてくれていたって、
なんてありがたい機会だったんだろうと思うのです。

 
前半はここまでになります。
お読みいただきありがとうございました。
後半は次のページをごらんください。
みなさんの「わたしの入口」は、
6月4日(水)まで募集中です。
ほぼ日に興味を持ったきっかけ、
わたしたちにもぜひおしえてください。

※募集は締め切りました。

2025-05-26-MON

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