
毎年毎年、お騒がせしております!
神田錦町につなひき大会のシーズンがやってきました。
ほぼ日のつなひき部、ヒッパレーズが参加するのは
4回めですが、今年はちょっと話が違います。
昨年3位に終わったヒッパレーズは、
チャンピオンの座を守ってきたこれまでと変わり、
トロフィー奪還を狙います。
原点に帰り、勝負より「楽しいつなひき」を大事にしつつ、
できるだけトロフィー奪還を狙います。
出場チームのみなさんにもがっつりインタビューして、
本番ではチーム同士の熱いドラマをお届けするつもりです!
レポートは、マネージャー松本が不定期更新。
最後まで、どうぞお見逃しなく!

〈日時〉
9月26日(金)18:30~
〈場所〉
ちよだプラットフォームスクウェア横の道路
現地での応援、お待ちしています!
こんにちは、ほぼ日ヒッパレーズ
マネージャーの松本です。
今回からは、いくつかの出場チームのみなさまへの
インタビューをお届けします。
それぞれのつなひき大会にかける思いや、
チームのストーリーを、
しっかりうかがってきましたよ。
インタビュアーは私、松本です。
それではトップバッターお願いします、
株式会社〜〜、
精興社さーーーん!
- ──
- 昨年は、練習からたくさんご一緒させてもらい、
ありがとうございました。
きょうは、つなひきのお話をメインに、
みなさまのお仕事についても
少しお聞きできたらと思っています。
よろしくお願いします!
- 精興社
- よろしくお願いします!
- ──
- さっき、オフィスの入口に、
活版印刷が社のルーツであることを表す
モニュメントが置いてあるのを拝見しました。
精興社さんは、基本的には印刷のお仕事を
されているのでしょうか。
- 精興社・小田嶋
- そうですね。
印刷物のデータをつくる、
僕たち「プリプレス部」と、
取引先より仕事をお預かりする「営業部」、
実際に印刷する工場の社員とで、
連携して仕事をしています。
印刷工場では、力のある男性社員たちが、
機械の大きな音のなかで汗だくになりながら、
『ぐりとぐら』などを刷っています。
- ──
- あの、絵本の『ぐりとぐら』ですか?!
説明いただいた工場の光景と、
ちょっとギャップがありますね。
- 精興社・伊藤
- 『ぐりとぐら』、『こどものとも』、
『ねずみくんのチョッキ』などは、
精興社が印刷させてもらっているんですよ。
- ──
- ええっ、そうだったんですか。
いまの子どもたちも『ぐりとぐら』のような絵本を
読めるのは、精興社さんのおかげなんですね。
- 小田嶋
- そう言っていただくのはありがたいですが、
僕たちというよりは、出版社さんのおかげですね(笑)。
- 精興社・益村
- 私たちは、出版社さんのお手伝いができているかな、
という感じです。
- 伊藤
- 神田錦町には出版社さんが多いので、
うちの会社は、割と古くから
この地域にいさせてもらっています。
- ──
- 神田で、
100年以上続いてらっしゃるとお聞きしました。
- 伊藤
- 最初は、神田の美土代町(現在の千代田区内神田)
でスタートして、関東大震災や戦争で疎開して、
また神田に戻ってきて‥‥
という繰り返しがあり、今年で112周年を迎えました。
- ──
- 失礼ですが、こんなにご近所なのに、
精興社さんが100年も前から神田にいらっしゃるとは
存じ上げませんでした。
- 益村
- 印刷会社って、日常のなかで意識することが
少ないですもんね。
- 小田嶋
- いわゆる、黒子ですよね。
- 益村
- そうそう。
でも、やっぱり本を出すには欠かせない仕事なので、
「よい本をつくりたい」という気持ちは、
作家さんや出版社さんと共有していると思います。
いただいたお仕事を正確に形にして
お渡しすることを目指しています。
- ──
- 精興社さんの、
本づくりに対する思いをお聞きできてうれしいです。
もっとお仕事のことをお聞きしたいですが、
そろそろ、すみません、つなひきの話に行きます。
- 伊藤
- 待ってました。
- ──
- 昨年は、たしかお揃いの青いTシャツで
大会に挑んでいらしたと思うのですが、
今年もTシャツはつくっていますか?
- 伊藤
- 実は、朝霞にある弊社の印刷工場で、
毎年このくらいの時期に
ユニフォームを新しくするんです。
僕たちつなひきチームのTシャツは、
そのユニフォームを分けてもらったものなんです。
つまり、仕事着ですね。
▲精興社・伊藤さん。
- ──
- なんと、
つなひき専用Tシャツじゃなかったんですね。
- 益村
- とはいえ、仕事もつなひきも、
「気合を入れてやる」ということにおいては
同じなので。
あのTシャツは精興社の制服みたいなものなので、
「会社全体を懸けたユニフォーム」と
いえなくもないです。
- 伊藤
- もともとは、東日本大震災のあと、
業界が一体となって前を向けるように
「がんばろう日本」「印刷が好きです」
といったメッセージをプリントした
ユニフォームをつくったのが始まりでした。
- ──
- はじめから、一体感を生み出すために
つくられたTシャツだったのですね。
想定なさっていた用途とは違うけれど、
つなひきにもぴったりな気がします。
つなひきも、一緒に縄を握ると
一体感が生まれますもんね。
- 伊藤
- そうですね。毎年、つなひき大会の時期は
社内の熱量が上がります。
それにしても、前回のつなひき大会から、
あっという間に今年の大会が迫っていて、
びっくりします。 - 大会とは関係なく、昨年の年末に、
社内のみんなでつなひきをしたんですよ。
だから、余計「つなひき間隔」が短く
感じるのかもしれません。
- ──
- 年末に、みんなでつなひきを‥‥?!
- 伊藤
- 営業最終日に、今年もおつかれさまということで、
イベントのひとつとしてつなひきをしたんです。
神田錦町のつなひき大会に出るようになってから、
弊社の社長が練習用のつなを
購入してくれたので(笑)。
- ──
- なんと、社長さん直々に、つなを‥‥!!
▲左から、益村さん、伊藤さん。
- 伊藤
- つなひきに興味を持つ社員を増やしたいという、
つなひき大会出場メンバーの思いもあり、
けっこう盛り上がりました。
- ──
- 社内の盛り上がりって、大事ですよね。
なかなか社内でつなひきへの熱量を共有できず、
メンバーを集められなかったことがあります。
- 小田嶋
- 僕たちは、年末というタイミングが
よかったのかもしれませんね。
みんな、ちょっとテンションが上がっているし、
つなひきが「次の1年に向けてがんばるぞ」と、
気合いを入れるきっかけにもなりますし。
- ──
- なるほど。
来年からは、年末にメンバー募集をしてみます。
- 伊藤
- つなひきに、社内のコミュニケーションを深める、
いい機会をもらったなあと思います。
うちの会社だけで、
なにかみんなで盛り上がれることをやろうとしても、
なかなか難しいので。
つなひき大会に参加したことをきっかけに、
社員同士や、ほかの会社の方とも、
仕事以外のところで気持ちや話題を共有できるように
なったことに、すごく感謝しています。
- ──
- たしかに、つなひきをするときの
「チーム感」は格別です。
- 益村
- そうそう、チーム感。
「一緒に戦っている感」といいますか。
- ──
- 今年は、いまのところ、
どれくらい練習なさっていますか?
- 小田嶋
- いまはまだ、正直、
「イメージトレーニング」の段階です。
- 伊藤
- 社内につながなかったころは、
基本的にはずっとイメージトレーニングでしたね。
十分なイメージトレーニングで臨んでいました。
- ──
- イメージ多めで。
- 小田嶋
- 今年も、血の滲むような
イメージトレーニングをしています(笑)。
▲イメージでない練習は、このように会議室などでおこなっているそうです。奥にいらっしゃるのが小田嶋さんです。
- 益村
- そうは言ってもそろそろ、
本当に練習しないといけませんね。
- 伊藤
- 印刷工場勤務のみなさんと練習したいとは、
毎年思っているんです。
毎日重い紙の束を持ち上げている人たちですから、
絶対強いですよ。
- 小田嶋
- でも、つなひきは筋力勝負じゃないんですよね。
僕たちプリプレス部のメンバーが、
テクニックで工場のみなさんに勝ったら
すごいですよ。
- ──
- 単純な力比べじゃないところがおもしろいですね。
昨年は、精興社さんは1回戦で勝ち上がり、
2回戦で惜しくも敗退という結果でしたが‥‥
- 小田嶋
- そうなんですよ!
- 伊藤
- ありがたいことに、昨年も、一昨年も、
1回戦では勝たせていただいたんです。
なので、やっぱり今年のみんなの目標は、
2回戦で勝ち上がることです。
- 小田嶋
- 楽しめたらいいなという気持ちが
いちばんですが、あわよくば2回戦で勝ちたいなと。
- 益村
- 1回戦しか勝てないと、単純に、
1回しか試合に出られない寂しさがあるので(笑)。
本番でたくさんひきたいです、今年は。
- ──
- 今回、とくに注目なさっているチームはありますか?
- 小田嶋
- ‥‥正直、株式会社竹尾さんとは、
なるべくあたりたくないです。
- ──
- それは、なぜですか?
- 小田嶋
- あのー‥‥竹尾さんが紙の会社で、
僕たちが印刷だからですね(笑)。
- ──
- あははは。業界が同じだから、つなひきの勝敗が、
のちのちのお仕事に響くのではないかと(笑)。
いや、まさにそういうお話を
お聞きしたかったんです。
- 小田嶋
- あと、どんな勝負になるかはわからないですけど、
たたかってみたいのは神田警察署さんです。
それから、共立女子大学さんがどこまで行くかも
気になります。
女性ふたりで男性ひとりと数える
この大会のルールを利用して、
「女性メンバーを増やして、人数を多くしたチームが
有利」という説を踏まえると、
全員女性の共立女子さんはかなり有望ですよね。
- ──
- 最後に、精興社さんがつなひき大会にかける思いを
うかがえますでしょうか。
- 益村
- うーん、そうですね‥‥
たのしみつつ、悲願の2回戦突破を狙います!
あ、それから、同じ業界の企業の方とも
仲良くたたかいたいです(笑)。
精興社さん、ありがとうございました!
ちなみにこのあと、昨年のほぼ日のテキスト中継を見て
つくってくださったという、
巨大てるてる坊主を見せていただきました。
「ヤレ紙」という、試し刷りなどの際に発生する、
不要となった紙を使ってつくった、
印刷会社さんならではのてるてる坊主でした。
いったいどうしたらあんな大きなてるてる坊主が
できるんだろうと不思議に思っていたので、
一年越しに謎が解けてスッキリしました。
精興社さん、
エンジョイ、アンド、ビクトリー!
(次回に続く)
2025-09-10-WED



