2022年４月29日、
待ちに待った「生活のたのしみ展」の幕が開きます。
これまで５回開催してきた「生活のたのしみ展」で、
ほぼ日乗組員が最もひんぱんに見かけたお客さまは、
石田ゆり子さんでした。
どうしてあんなに連日来てくださったのだろう？
まずはその理由を糸井重里が訊きました。
ゆり子さんがいまいちばん欲しいもの、そして、
夢のゆりごろう王国のお話まで。
全７回でお届けいたします。
石田ゆり子（いしだゆりこ）
1969年10月3日生まれ。東京都出身。
1988年にドラマ『海の群星』（NHK）でデビュー。
ドラマ・映画・執筆活動などで幅広く活躍。
近年の主な出演作品に
ドラマ『TOKYO MER～走る緊急救命室～』
『妻、小学生になる。』（2021年）など。
近著に『ハニオ日記』（扶桑社）がある。
J-WAVEにてパーソナリティを務めるラジオ
『LILY’S TONE』が
４月３日（日）25:00～27:00放送予定。
第５回
なぜかここに落ち着いてしまう。
- 石田
- 私、まだブイコちゃんに
会ったことがないんですよ。
- 糸井
- ほんとうに？
じゃあ、今度ぜひ犬同士、会いましょう。
ゆり子さんちは、いま何匹ですか？
- 石田
- 猫が５匹。
- 糸井
- 増えたねぇ。
- 石田
- きょうだい単位で保護するので、
一気に２匹ずつ増えるんです。
猫が５、犬が１です。
- 糸井
- いつもそんな数に落ち着くね。
- 石田
- はい。いまはちょっと多めなんですが、
振り返れば私はいつも「猫４犬１」と
いっしょに暮らしてきました。
なぜかいつも、その数です。
一回ぜんぶ天国に送り出したのに、
またしらずしらずに同じような数になりました。
- 糸井
- おお。
- 石田
- 「それはうちの定数なのだろうか？」
よくわからないです。
そして、どういうわけか、
猫は必ず男の子なんです。
犬だけが女の子。
- 糸井
- 不思議だねぇ。
ゆり子さんが次々と
猫たちを送り出しているときは、
みんな遠巻きに心配してましたよ。
- 石田
- 送り出す時期が重なって、
大変な時期もありました。
- 糸井
- 人生のある部分が欠けちゃうわけだからね。
- 石田
- うん、そうですよね。
- 糸井
- でも、次の家族が埋めてくれるところもあるよね。
ぼくは同じ犬種を飼ったけど、
占めてくる面積がそっくりでね。
- 石田
- 亡くなった子のことが忘れられないから
もう飼いたくない、という方も、
たくさんおられると思いますが。
- 糸井
- ええ、よくそう言いますね。
- 石田
- 飼いつづけてもいいと私は思います。
いま生きている命のためにも。
- 糸井
- うん。
- 石田
- そのほうがみんな、
しあわせなんじゃないかな、と思ってます。
- 糸井
- うん。
ゆり子さんはそれを、
実例として見せてくれています。
ほんとうは大変なんだろうけど、
大変そうに見せないで、
おもしろがってる感じがいい。
- 石田
- はい（笑）、
私ももうだんだん歳を取ってきてるし、
大変なんですけど。
- 糸井
- そう？
- 石田
- まだ、まぁ、
なんとかなってますけど、
これが限界の数です。
- 糸井
- 「５、１」っていうのは、いやぁ、
少なくないですよね。
- 石田
- 人生でいまが最大の数です。
気分としては、自分の家は
動物たちが住む王国だと思ってます。
「ゆりごろう王国」と呼んでるんですけど（笑）、
ゆりごろう王国に、
自分が住まわせてもらってるというふうにして
生きてます。
- 糸井
- はあぁ。
- 石田
- 王国ではいつも犬や猫が主体です。
- 糸井
- ゆりごろう王国かぁ。
- 石田
- 動物のために、
なんかしたいなと、
いつも思ってるんです。
- 糸井
- どこかに、広い、
ほんもののゆりごろう王国を
持ってみたいものだね。
- 石田
- そうですねぇ、いいなぁ、やりたいです。
自然が豊かなところがいい。
どっちにしろひとりじゃできないので、
やるとしたら、誰かと協力しながらですね。
- 糸井
- もしやるとなると、100％、
複数の人が関わらないと無理ですね。
ゆり子さんって、ひとりでのんびりと
やってるイメージがあるけど、
ほんとうはそうじゃないでしょう。
関わっている人たちがちゃんといます。
でも、めんどうなことの多くはやっぱり
飼い主本人がやんなきゃいけないですよね。
- 石田
- めんどうなことを、
自分から引き受けに行ってる、
というところは、たしかにあると思います。
- 糸井
- うん。
- 石田
- そういう性格なんだと思います。
動物がいなくて人間ひとりでいるほうが、
人間同士で知り合う可能性は増えるだろうし。
なんだかなぁ（笑）、って思うんですけど、
でも、こうなっちゃうんです。
- 糸井
- ４、１や５、１に。
- 石田
- 私はそういうタイプなのかな、と思ってます。
- 糸井
- したいことがそれだったんだと思えば、
なんの不思議もないですよ。
- 石田
- はい。ほんとにそうなんです。
人間か動物、どっちかが困ってたら、
私は絶対に
動物のほうに行ってしまう。
人間は自分でなんとかできるでしょ、
と思っちゃうから。
- 糸井
- もともと、そういうふうに
生きたかったんだよね。
- 石田
- そうですね。
子どものころから、そういう性格だったので。
- 糸井
- 誰かと同じになる必要もないと思う。
- 石田
- はい。
（明日につづきます）
2022-04-04-MON
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生活のたのしみ展
新宿西口 三角広場
2022年４月29日(金・祝)〜５月４日(水・祝)
11時〜20時(最終日は18時まで)