2022年４月29日、
待ちに待った「生活のたのしみ展」の幕が開きます。
これまで５回開催してきた「生活のたのしみ展」で、
ほぼ日乗組員が最もひんぱんに見かけたお客さまは、
石田ゆり子さんでした。
どうしてあんなに連日来てくださったのだろう？
まずはその理由を糸井重里が訊きました。
ゆり子さんがいまいちばん欲しいもの、そして、
夢のゆりごろう王国のお話まで。
全７回でお届けいたします。
石田ゆり子（いしだゆりこ）
1969年10月3日生まれ。東京都出身。
1988年にドラマ『海の群星』（NHK）でデビュー。
ドラマ・映画・執筆活動などで幅広く活躍。
近年の主な出演作品に
ドラマ『TOKYO MER～走る緊急救命室～』
『妻、小学生になる。』（2021年）など。
近著に『ハニオ日記』（扶桑社）がある。
J-WAVEにてパーソナリティを務めるラジオ
『LILY’S TONE』が
４月３日（日）25:00～27:00放送予定。
第４回
ふだんの仕事を休んでも。
- 糸井
- 「生活のたのしみ展」をやりはじめたときには
こんなに大きい規模になるとは
思っていませんでした。
社内のメンバーだけで
すべてのスタッフワークが
できると考えていましたし。
- 石田
- そうなんですか。
- 糸井
- それまでにいろんな経験もあったんです。
例えば、気仙沼にほぼ日全員で行って、
立川志の輔さんの寄席を開催する、
みたいなこともしました。
あれも、音響や照明以外、
イベントのプロの人は
ほとんど入れてないんです。
- 石田
- 気仙沼の「さんま寄席」ですよね。
- 糸井
- そうです。震災の翌年でした。
いつもの乗組員たちがバックヤードでインカムつけて、
受付から進行、駐車場の車の整理まで、
ぜんぶやりました。
そういう経験があったので、
「たのしみ展」もそんなふうにできるのかなと
思ったんだけど、
人手がね、もう、ぜんぜん足りないんですよ。
- 石田
- あの規模だと、そうですよ。
- 糸井
- でも、初回の六本木ヒルズの開催は、
アルバイトはゼロでやったんです。
- 石田
- えっ。
じゃあ、あの最初の六本木は、
みなさんだけで？
- 糸井
- ほぼ日、全員総出で。
よくやったなぁ。
「ひとり何役？」って感じでね。
- 石田
- （笑）
- 糸井
- 初回開催はアルバイト０人だったんだけど、
そこでそうとう懲りたので、２回目は
50名ほどの人を公募しました。
そこで応募してくれた人たちは、
１回目の「たのしみ展」を見て、来てくれました。
つまり「お客さんたち」が応募してくれたんです。
- 石田
- ああ、わかります。
- 糸井
- 「アルバイト」という言葉で
募集してるんだけど、
ぼくらより慣れてる人も多いんですよ。
- 石田
- というと？
- 糸井
- たとえばふだん「上司」をやっている立場の人が
ほぼ日に興味をもって、
有休取って来てくれたりするんです。
お店を経営している人、
起業している人、
ふだんはデザインをやってる人など、
それぞれの分野でキャリアある人たちが
現場で店員さんをやってくれるんで、
ぼくらが教わることが、とても多いんです。
- 石田
- 私は、その人たちの気持ちが
少しわかります。
あの「生活のたのしみ展」には、
参加したいと思わせる何かがあるんです。
- 糸井
- ああ、そうだとほんとうにありがたいなぁ。
でも、ふだんの仕事を休んできてるから、
金銭的にはみなさん、
損してると思うんですよ。
- 石田
- （笑）
- 糸井
- でも、３回目４回目と、
くりかえし応募して
ベテランになる人がいたり、
親子でアルバイトする人が出てきたり。
- 石田
- きっと、お金に変えられない価値が
あるんです。
- 糸井
- だからぼくらも、
そういう気持ちで集まってくれている人と
一緒にはたらく以上は、
「ダメ」じゃダメなんだよね。
しっかりしなきゃって思います。
そういうことが、さらに
ほぼ日の中の人たちを育ててくれたりしました。
大阪の阪急うめだで開催したときは、
ご夫婦でキャンピングカーで
移動してくれた人もいたからね。
- 石田
- すごい（笑）！
- 糸井
- なぜキャンピングカーだったかというと、
犬のいるご家族だったからです。
アルバイトが終わると、
キャンピングカーに乗って帰る。
犬も待ってる。
- 石田
- それはもう、お祭りですね。
- 糸井
- ああ、お祭りですね。
- 石田
- お客さんにとっても、
はたらく人にとっても。
- 糸井
- そうだね。
「はたらきたい」という気持ちの正体って、
そういうところにあるのかなぁ、とも思います。
はたらく人も、お客さんも、
みんないっしょに会場にいて
「何かが見つかればなんでもいいよ」と
言ってくれてはいるんです。
けれども、最終的にその「何か」までを
考えるのが、ほんとうは、
ぼくらの仕事なんだろうなぁ。
次の新宿も、一所懸命やると思います。
会場は、これまでの東京の会場とは違って、
屋根があるんですよ。
まわりもガラスで囲まれてて。
- 石田
- ああ、たしか
すごく天井が高い、新宿の‥‥
- 糸井
- そう。西口の、
新宿住友ビルの三角広場。
- 石田
- すごいところなんですよね。
新しい場所。
- 糸井
- イベント会場として開業したのは
２年くらい前なんだけどね。
ほんとは、２年前の
オープニングイベントの時期に
「生活のたのしみ展」が入る予定だったんです。
（明日につづきます）
2022-04-01-FRI
-
生活のたのしみ展
新宿西口 三角広場
2022年４月29日(金・祝)〜５月４日(水・祝)
11時〜20時(最終日は18時まで)