こんにちは、ほぼ日の奥野です。
以前、インタビューさせていただいた人で、
その後ぜんぜん会っていない人に、
こんな時期だけど、
むしろZOOM等なら会えると思いました。
そこで「今、考えていること」みたいな
ゆるいテーマをいちおう決めて、
どこへ行ってもいいようなおしゃべりを
毎日、誰かと、しています。
そのうち「はじめまして」の人も
混じってきたらいいなーとも思ってます。
5月いっぱいくらいまで、続けてみますね。

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第09回 ずっと映像を編集しています。それは、ねずみの物語で‥‥。[James Panda Jr.さん(音楽家・映像作家)]

──
そこは「シャバ」ですか。
パンダ
当たり前じゃないですか!(笑)
逮捕されてません。自宅です。

 2020年4月20日 東京都世田谷区←ZOOM→東京都文京区 2020年4月20日 東京都世田谷区←ZOOM→東京都文京区

──
自宅風のバーチャル背景ではないと。
失礼しました。
どうです、最近。パンダさん的には。
パンダ
実は映画を撮ろうと思っていて‥‥。
──
えっ、映画?
ドローンでダンスグループのPVを
撮ってらしたのは知っていましたが、
映画?
パンダ
はい。ドローンがテーマの映画です。
ドローンを操縦する女の子のお話。
──
すごいじゃないですか。映画監督!
パンダ
舞台は、瀬戸内海にある白石島です。
主人公の女の子のお父さん‥‥が、
漁師なんですけど、
そのお父さんが、ひょんなことから、
ドローンを持ち帰ってくる。
そこから物語がはじまるんですけど。
──
立派なドローン、お持ちですもんね。
パンダ
去年からずーっと準備をしてまして、
尺は30分くらい、
ミニシアターで上映するなら、
ザックリいって、
予算100万円から130万円で、
何とか撮れるかなというところまで、
ソロバンをはじいておりまして。
──
映画監督兼プロデューサー!
パンダ
さあ、今年から撮りはじめるぞーと、
張り切っていたんですが。
──
ええ、ええ。‥‥えっ、まさか。
パンダ
はい。
──
コロナで?
パンダ
中止になっちゃいました。
──
そうですか‥‥それは残念すぎます。
パンダさん初の、
監督兼プロデュース作品だったのに。
脚本とか、どうしてたんですか。
パンダ
ぼくです。撮影も、もちろん、ぼく。
──
監督・脚本・撮影・プロデュース作。
パンダ
はい。
──
いやあ、それは残念だったなあ‥‥。
ぼくたちもいくつか経験しましたが、
準備していた企画がダメになるの、
かなりのダメージがありますものね。
パンダ
そうなんですよ。身体に来ますね。
──
でも、パンダさん、映像の方面にも
チャレンジしてるんですね。
いまはもう、音楽だけじゃなくって。
パンダ
そうですね、おととしくらいから、
ハンディーカムで
撮りはじめたレベルの映像仕事が、
いろいろ転がり出していて。
──
その先に「映画監督」があったんだ。
パンダ
この外出自粛の期間も、
映像の仕事で、なんとかやってます。
──
ああ、やることがあるということで、
少しは気も紛れますか。
パンダ
そうですね。というか、もはや、
音楽より映像のほうが楽しいくらい。
──
あ、そうですか。
パンダ
ええ。なんだか。
──
音楽家、作曲家のお仕事というのは、
さまざまなスタイルが
あると思うんですけど、
大まかには、自分でつくった音楽を
オーディションに出したりとか?
パンダ
そうですね。
ちょっと込み入った話になりますが、
ぼくは、もともと音楽が好きで、
ミュージシャンになりたいと思って、
生きてきたんですよ。
──
そうですよね。知ってますよ。
フリッパーズ・ギターが、大好きで。
パンダ
若いころ、メジャーデビューの前も、
バンドをやっていて、
それがうまく行きそうだったりとか、
やっぱりダメだったりとか、
いろいろなことがあったんですけど。
──
バンド時代もあったんですか。
パンダ
結局は「パンダ 1/2」という名義で、
音楽プロデューサーになって。
音楽で成功するんだという「夢」を、
追いかけてきたんです。
18から32くらいまで、ずーっと。
──
はい。
パンダ
その間、スリランカで逮捕されたり、
いろいろあったりしつつ‥‥。
──
その件については
わりと詳しく知ってます(笑)。
パンダ
釈放されて日本に帰ってきたあとも、
音楽プロデューサーとして、
楽曲提供を、再開していたんですね。
──
ええ。
パンダ
でも、何か、その‥‥あるときから、
ぼくの弱さだと思うんですけど。
こういう音楽が売れるから、
こういう音楽が求められているから、
こういう曲を
つくってもらっていいですか‥‥
みたいな業界へ、
自ら入っていってしまったんですよ。
──
商業音楽の世界へ、という意味?
パンダ
そう。で、思えば、そのころから、
「ほんとに
ここを目指していたんだっけ?」
といった疑問も膨らんできて。
心のどこかに
「これでいいのかな」なんて思う
自分もいたんです。
──
そうなんですか。
パンダ
よくある話だとは思うんですけど。
──
とつぜん深い話になりました。
パンダ
ハハハ。
──
会って話したいような内容ですね。
パンダ
すいません。
画面越しに重めの話をして(笑)。
──
つまり「音楽」が、いつの間にか、
「自分発」じゃなくなっていた。
パンダ
そうなんです。
もちろん、そうやってつくる曲にも、
自分のメロディーや
自分のテイストは入るんですが、
その前の段階で、えらい人から、
たとえばですが、
WANDSみたいな曲でとか、
DEENみたいな曲でとか、
宇多田ヒカルさんみたいな曲で‥‥
という注文が、わりとあるわけです。
──
ああ‥‥。
パンダ
メロディーはぼくのものなんだけど、
アレンジもぼくがやってるけど、
ぼくの中から生まれた音楽なのかと
問われれば、
ちょっとちがうんじゃないか。
──
ええ。
パンダ
そういうものが、できあがる。
それこそ「商業音楽」というもので、
当たり前のように
この世の中に存在するわけですが、
ぼくは、その「商業音楽」を、
自分の中で、納得させられなかった。
──
葛藤があったんですね。パンダさん。
パンダ
その一方で、
大空高く自由にドローンを飛ばして、
気持ちいい映像を撮って、
それを編集することに、
自分が昔、音楽に感じていた衝動を、
感じるようになっていました。
そのことに、3年くらい前からかな、
気づきはじめたんです。
──
じゃあ、もしかしたら、
自宅にこもって映像をつくっている
いまのこの時期が、
ターニングポイントになるかも、と。
パンダ
そうかもしれない。
──
いま、手掛けてらっしゃる映像を、
もしよろしければ、
少しだけ、教えていただけますか。
パンダ
はい。
一匹のねずみさんの物語なんです。
──
へえ、ねずみ。
パンダ
はい、ねずみのシーモア、という
キャラクターを映像化していて。
──
ええーーーーっと、あれっ?
ぼく「ねずみのシーモア」って、
名前を知ってるんですけど、
すいません、
何か有名なお話なんでしたっけ。
パンダ
ええ、作画のご担当が、
フクダさんという有名な方です。
まだ、ぼく自身は、
お会いしたことないんですけど。
──
フクダさん。フクダ何さん?
パンダ
イラストレーターの福田利之さん、
とおっしゃる‥‥。
──
その福田さんかぁ!
パンダ
あ、お知り合いですか?
──
ええ、めちゃくちゃ知ってますよ。
ぼくもそうですけど、
うちの会社全体と仲のいい人です。
パンダ
ほんとですか。奇遇ですね!
──
だから名前を知っていたんだ~。
そうそう、知ってます知ってます。
以前、ほぼ日で、
人形劇とかも、やってたはずです。
パンダ
わあ、そうですか。
ぼくの友人の山田はるかさんって
人形操演の方が、
福田さんとはじめたのが、
「ねずみのシーモア」だそうです。
──
絵本にもなってますよね。
パンダ
いま、つくっているムービーは、
シーモアが、
世界を旅するというシリーズ物で、
今回は「パリ編」です。
山田さんが、
いま家から出られないお子さんに、
観てほしいと言って。
──
で、そのムービーを撮って、
編集なさっているのがパンダさん。
パンダ
そうです、そうです。
──
パンダがネズミを撮ってる(笑)。
パンダ
そうそう。ハハハハハ。
──
ちなみに、福田さんは
親しい人たちから親しみを込めて、
カッパと呼ばれていて。
パンダ
えっ、そうなんですか。
──
パンダが、カッパのネズミを‥‥。
人間がひとりも出てこない(笑)。
パンダ
なんてことを言うんですか(笑)。
──
でも、ありがとうございます。
思いがけない、うれしいニュース。
いつ、リリースされるんですか。
パンダ
そろそろ、です。
GOOD LUCK SEEMORE Vol.1 (in PARIS) - グッドラック・シーモア ①(パリ編)

(明日はギャラリーTOMの山本ゆきみさんの登場です)

2020-05-12-TUE

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