
糸井重里が監修し、企画、設定、全シナリオを手掛けた
RPG『MOTHER』シリーズ。
そのことばをすべて収録した本を
2020年12月に発売したことをきっかけに、
立ち上げたのが「ほぼ日MOTHERプロジェクト」です。
『MOTHER』にまつわるコンテンツや
アイテムをつくっている本プロジェクトのなかから、
代表的なアイテムの
つくり手のお話や現場のようすをお伝えします。
チェーン刺繍は、
1920年代からその技法は存在したといわれています。
私が確認した最も古いそれは、
1930年代のモンゴメリーワードのカタログに
掲載されているものです。
飛行場で働く航空会社のメカニックが着る
オールインワン(つなぎ)の背中に
「~AIRLINE」などど
チェーン刺繍を入れるというサービスでした。

△昔のチェーンステッチの事例。
戦前はレタリングといえば
軍隊のステンシルにはじまり、
フェルトの縫い付け(アップリケ)が主流でした。
量産性の高いシルクスクリーンの
プリント技法が普及するなかで、
チェーン刺繍は限定的なチームオーダーや、
個人名の刺繍として在り続けており、
特にピークを迎えたのは
1950年代のボウリングブームだと思います。
△シャツの背中一面に施されたチェーンステッチ。
△ボーリングのチームデザインを特集した本。
各々のネームを胸に、
背中にはチームのイラスト画をもとに、
ハンドルミシンで描かれた
鮮やかなチェーン刺繍が大人気となりました。
その後には大学や高校の
バーシティージャケットに描かれる
レタリングに使用され、
刺繍技術の発達とアメリカで
ハンドルミシンを使う職人の減少により、
今では見る機会も減っています。
△こちらは1980年代後半の横振り刺繍。
△チェーンステッチでできたバーシティージャケットの背中の絵柄。
その名の通り「チェーン=環」で描かれるステッチは、
独特のふくらみがあり、
ミシンとはいえハンドルで描くために、
人の手によって大きな個体差が生まれるのも魅力でした。
ウエアハウスでは現代の技術をミックスしながら、
ヴィンテージに施されたこのチェーン刺繍によるレタリングを、
その個体差までを再現しています。
△チェーンステッチでネス、リュカ、クラウスの名前が入ったボーダーTシャツ。
ウェアハウスのチェーンステッチは、
現代の技術をミックスしながら、
ヴィンテージに施された
当時の職人の文字のデザインを再現しています。
(おわります)
2026-04-11-SAT



