
糸井重里が監修し、企画、設定、全シナリオを手掛けた
RPG『MOTHER』シリーズ。
そのことばをすべて収録した本を
2020年12月に発売したことをきっかけに、
立ち上げたのが「ほぼ日MOTHERプロジェクト」です。
『MOTHER』にまつわるコンテンツや
アイテムをつくっている本プロジェクトのなかから、
代表的なアイテムの
つくり手のお話や現場のようすをお伝えします。
『MOTHER』シリーズが生まれたのは1989年のこと。
続編『MOTHER2』が発売されたのは1994年。
ゲームには当時のアメリカの文化が
色濃く反映されてます。
そんなアメリカの文化をとことん追求するブランド、
「WAREHOUSE COMPANY(以下、ウエアハウス)」と
ほぼ日『MOTHER』プロジェクトががっちり組んで、
『MOTHER2』『MOTHER3』の主人公たちが着ている
ボーダーTシャツをつくりました。
まるでヴィンテージのような、育ててたのしむ一着です。
ボーダーTシャツは
いまやカジュアルウェアの代表的な存在ですが、
それは他のアメリカンウェア同様、
「必要に迫られて」生まれたものです。
その代表的なルーツの一つが「プリズナー」です。
△藤木将己さん
プリズナーとは囚人を指します。
アメリカでは囚人服に「ボーダー」が採用されることが多く、
これは脱走を防ぐため、また塀の外で土木作業をする際に
見分けがつきやすくするためともいわれています。
一方、フレンチカジュアルのイメージが強い
「マリンボーダー」もまた、視認性の高さから採用されたものです。
海に転落した際などに見つけやすいよう、
ボーダーが選ばれたのでしょう。

実際、素材がウールだった時代のスイムウェアでも、
太いピッチのボーダーが多く見られます。
水難を防ぐためと考えられます。
今回製作させていただいたボーダーは、
1960年代のヴィンテージをもとにしています。
△完成したボーダーT。左から、ネス、クラウス、リュカのカラーです。
特に、明るい配色は
当時キッズウェアによく使用されていました。
1950年代に人気だった
アメリカのわんぱく小僧キャラクター、
『わんぱくデニス (Dennis the Menace)』が
赤いボーダーシャツを着ていたことで、
ボーダーは「活発で遊び心のある子供」の象徴として
一般に定着しました。

また、ファッション性に加えて、
迷子防止や交通事故防止といった
「視認性(見つけやすさ)」による
安全面でのメリットが関係しています。


△ボーダーTシャツはアメリカのメールオーダーカタログで50年以上に渡って販売されている子ども服の定番。
当時の子どもたちは、
キャンバススニーカーにロールアップしたデニム、
そして鮮やかなボーダーTシャツを合わせ、
自転車を飛ばして遊びに出掛けていたのでしょう。
珍しい配色がキッズサイズに多く見られるのも、
このような背景があるからなのでしょう。
(つづきます)
2026-04-10-FRI



