自分の名前で文章を書きはじめたら
どんどん仕事が舞い込むようになった‥‥。
そんな岸田奈美さんは、はっきり自覚しないうちに
いつの間にか文筆家と呼ばれるようになり、
結果的にあちこちで忙しく活動されています。
車椅子利用者のお母さんと
ダウン症の弟さんとの日常をつづったエッセイを、
みなさんもどこかで読んだことがあるかもしれません。

そして岸田さんがいつか絶対に書くと決めていたのが、
中学2年のときに亡くなったお父さんのことでした。
ある日、突然、いなくなってしまったお父さんは、
いまもずっと、岸田さんのなかにいるのです。
過去のお父さんに、お父さんの見た未来に、
岸田さんは向き合うことにしました。
長い連載になるのか、そうでもないのか、
岸田さん自身にもわからないまま、はじめます。

イラスト|くぼあやこ

>岸田奈美さんプロフィール

岸田奈美(きしだなみ)

1991年、神戸出身。100文字で済むことを2000文字で書く作家。
車いすの母、ダウン症の弟、亡くなった父のことなど、
家族のことや身の回りのことなどをよく題材にされています。
家族で一番消費する海苔は海大臣。文藝春秋2020年1月号巻頭随筆、講談社小説現代連載など。noteはこちら