
ただいま、渋谷PARCO「ほぼ日曜日」で
絶賛開催中の「どっち?展」。
キボリノコンノさんの木彫り作品を
クイズ形式でたのしむイベントです。
ほぼ日曜日でおこなったイベントの中でも、
メディアで取り上げていただいた数は
歴代ナンバーワン!の話題ぶりですよ。
木彫り作品がもっとたのしく見られるように、
木彫りファンの糸井重里によるクイズ体験と、
キボリノコンノさんとの対談をお届けします。
「どっち?展」は3月10日(日)まで、
ほぼ日曜日でお待ちしてますね。
- 糸井
- コンノさんは、木彫りとか色塗りの方法を
どうやって発見してるんですか。
- コンノ
- ぼくは、木彫りの技法とか色の塗り方を、
他人から学ばないようにしてきたんです。
YouTubeとかも一切見ず、自己流でやっています。
初歩的なことも自分で編み出すんですけど、
そのうち、誰もがやっていないことも、
だんだん作り出せるようになってくるんですよ。
- 糸井
- うんうん。
- コンノ
- 自分の中で、
味付け海苔を作ってみようとなったら、
それはもう、クイズなんですよ。
- 糸井
- 自分で出すクイズですね。
- コンノ
- はい、壮大なクイズです。
どうやって表現しようかな、
こんな手法ないかな、あんな手法ないかなって
探し出してたのしんでますね。
- 糸井
- 今まで見えていなかったものを
違う目で見るってことは、
新しく1ページをめくってるわけですよね。
- コンノ
- そうですね。
- 糸井
- それはだって、
ある種の言葉にしない哲学じゃないですか。
- コンノ
- 哲学(笑)。
- 糸井
- こういうことだったんだっていうのがわかって、
今度はその手下の自分が再現するんですね。
- コンノ
- そうなんですよ、そうなんですよ。
- 糸井
- 見ている自分の方が優先ですよね。
- コンノ
- ええ。
- 糸井
- かっこいいなあっ!
- コンノ
- (笑)
- 糸井
- つまりさ、飛行機ってものが存在しない時に、
「ああ、鳥って飛んでるなぁ」って思って、
「なんで飛ぶんだろう。こういうことかなぁ。
だとしたら、こうすればいいのかな。
やってみよう。飛んだ!」みたいなことですよね。
- コンノ
- そうですね、ええ、ええ。
最終、そこにたどり着ければいいだけです。
どんなに失敗したとしても。
- 糸井
- 大きな謎なり疑問なりを最初に見つけた時は、
ものすごいわくわくするわけですよね。
コーヒーのときとか、
どうして、あれを作ろうと思ったんですか。
- コンノ
- 2年前に最初に作った作品が、
一粒のコーヒー豆だったんですよ。
- 糸井
- 豆が先ですね、はいはい。
- コンノ
- それから1年が経って、
透明な表現だとか、いろいろできるようになっていて、
じゃあ、今だからできるコーヒーの表現って、
何かできないかなって思ったんですよ。
あ、もしかして今なら、
注いでるコーヒーもいけるんじゃないかなって。
- 糸井
- うん、バカだよねぇ(笑)。
いけるんじゃないかなと思ったんだ。
- コンノ
- 思ったは思ったんですが、
その時には、どうやったらできるかっていう
答えはぜんぜん見つかってないんです。 - でも、何かしらの方法あるんじゃないかなって、
自分の中でクイズを出したんです。
注いでいるところを透明に見せるには
どうしたらいいんだろうとか、
なみなみになっているところ、カップの中の泡、
どうやって表現したらいいのかなって
ひとつずつ答えを見つけていって、
作り上げたという感じですね。
- 糸井
- 形だけならできちゃうっていうのが
木彫りですよね、きっと。
- コンノ
- ええ、はい。
- 糸井
- そこにはもう自信があるわけですか。
- コンノ
- そうですね。
正直、形は自分の中で難しくないです。
最初にコーヒー豆を作った時も、
難しい感覚はなく、そっくりにできました。
- 糸井
- それ、なんでだろう。
だって、注いでいるコーヒーにしたって、
見る角度によってぜんぜん違うわけだから、
1枚の写真からは作れないですよね。
- コンノ
- ええ。
- 糸井
- 材料は何なんですか、そのときの情報は?
- コンノ
- 情報は、自分で「注いで」です。
- 糸井
- 注いで(笑)。
- コンノ
- 注いで、それを観察するんです。
どんな角度で流れるのかな、
どんな細さで流れるのかな、
どんなふうにうねうねしてるのかなとか。
それを目で見て覚えて、その特徴を捉えて、
それを落とし込むっていう感じでしたね。
- 糸井
- 動画は?
- コンノ
- 動画は撮ってないですね。
- 糸井
- 動画は撮らない。
- コンノ
- 肉眼が一番情報を得られるんです。
距離感とか、奥行きとか、形とか。
- 糸井
- その辺ってきっと、
認識について研究している研究者は
すごく聞きたがるかもしれませんね。
- コンノ
- ああ、そうですかね。
- 糸井
- つまり、動画を再現することには
限界があると思うんです。
でも、見たものっていう記憶は、
動画よりも細密かもしれなくて、
コンノさんは流れで捉えているんですもんね。
- コンノ
- 逆に、たとえば、
「このワンちゃんを作ってください」って
写真をもらっても作れないんです。
- 糸井
- おおー!
- コンノ
- ぼくは、二次元から三次元には作れなくって。
ワンちゃんを連れてきてくれたら作れるんですが、
写真だけでは、立体を細部まで
飲み込めないというか、理解できないんです。
- 糸井
- いっしょの世界にいないといけない。
- コンノ
- そうなんです。
だからいつも木彫りを作るときは、
本物を横に置いて作ることが多いです。
- 糸井
- 資料は現物なんですね。
あ、そう言われてみると、
それがやりやすいものばっかりを
作っている気がします。
- コンノ
- そうなんですよ。
よくテレビに出演させていただくときに、
「この芸人さん作ってください」って
頼まれることがあるんですけど、
呼んでくれないと難しくって(笑)。
- 糸井
- たとえば、
富士山は作れないってことですか?
- コンノ
- ああ、富士山は‥‥。
どうでしょうね、
自分がそこに行けば、もしかしたら。
- 糸井
- 景色として見えますからね。
- コンノ
- ええ、富士山の近くに行けば
形が理解できるんじゃないかなと。
- 糸井
- ああ、理解ね。
- コンノ
- 自分で理解できるのが、
3Dっていうのが明確なんだと思うんです。
- 糸井
- ということは、景色も作れちゃうんだ。
田園風景とかの
ミニチュアにもできるわけですね。
- コンノ
- そうですね、そこに行けば。
- 糸井
- 見渡す限り田園のある場所で
ずっとここに暮らしていいですよって言われたら、
このくらいのサイズで田園を作ろうってことは
ありうるわけですね。
- コンノ
- それなら自分でもイメージできますね。
- 糸井
- おもしろいなぁ。
(つづきます)
2024-02-28-WED
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「どっち?展」は、3月10日(日)まで!
渋谷PARCOの8階「ほぼ日曜日」で
キボリノコンノさんの著書『どっち?』の
出版記念イベント「どっち?展」を開催中。
木彫りの作品と、本物を並べて
「木彫りはどっち?」とクイズ形式で
作品をたのしむような展覧会です。
クイズが全部で20問、合計24点満点のうち、
あなたは何点を出せるかな?
多くの方にご来場いただいているこのイベントも、
3月10日(日)が最終日です。
気になっていた方、後で行こうと思っていた方、
あと少しで終わっちゃうので、お見逃しなく!キボリノコンノ クイズ型展覧会
「どっち?展」
期間:2024年1月26日(金)-2024年3月10日(日)
場所:ほぼ日曜日
時間:11:00~20:00
備考:当日会場にて受付いたします。
事前予約制ではございません。
入場料:700円(小学生以下無料)
詳細は「ほぼ日曜日」のページで。ほぼ日のYouTubeチャンネル「ほぼベリTUBE」の
メンバーが「どっち?展」の体験レポート!
