
こんにちは。ほぼ日の松本です。
私は人と暮らすことに興味があります。
でも、うまくできる自信がありません。
そこで、さまざまな形で人と一緒に
暮らしている人たちに、お話をうかがうことにしました。
最初に登場いただくのは、中学からの同級生であり、
17年間一軒家で同居しているお笑いコンビ、
カナメストーンさんです。
自分たちの信じる「おもしろい」を体現し続けるおふたり。
そのハッピーでシュールな仲の良さは、
揺るぎない覚悟と柔らかい心のもとに生まれていました。
互いを尊重しながらおもしろがる
ふたりの暮らしぶりを知れば、
誰かと一緒に生きる不安が、希望に変わるかもしれません。
- ──
- 17年間、一緒に暮らしていて、
印象的だったことはありますか。
- 山口
- 隣に住んでる、
姉さんって呼んでるおばあさんとも
一緒に歳をとってきたんですよ。
- 零士
- 俺らが住み始めたときから、
もうおばあちゃんだったのにな。
- 山口
- 最近は、勝手にうちのなかに
入ってくるしな。
それで、でっけえ、シザーみたいなものを。
- 零士
- 高枝切りバサミみたいなね。
- 山口
- それを持ちながら入ってきて。
「ちょっと木切ってよ」って。
- 零士
- そのおばあちゃんの家でもない、
俺らの家でもない、
全然知らない人の家の木を
切ってくれってな、頼まれたんだよな。
- 山口
- それはキビシイよ、姉さん。
- 零士
- 問題が起きるよ。
- 山口
- あと、姉さんちの
ケーブルの事件もあったな。
- 零士
- ああー、あれな。
電気の会社が、俺らの家の電気ケーブルを、
なぜか隣の姉さんちの壁に
取り付けちゃって。
- 山口
- 意味わかんないよな。
- 零士
- 姉さんから「そのケーブルのせいで
壁がはがれてきてる」って言われて。
見せてもらったら、
ほんとにめっちゃはがれてて
「マジで?!」って。
近所とのそういう話はめっちゃ多いっすね。
- 山口
- もう、なんでもありになっちゃってる。
- ──
- おふたりのお話が聞けるのかと思ったら、
隣のお姉さんの話でした。
でも、おもしろいです。
- 山口
- あと、最初の衝撃は、
住んで3~4年目ぐらいのときの。
- 零士
- あれね。あれ、こえーよ。
- 山口
- 階段を上がったところの壁に
「うるさい」って彫られてて。
- 零士
- 俺ら、家に鍵かけてなかったから。
- 山口
- そうそう、当時はね。
- 零士
- たぶん、誰かが家のなかに
入って彫ったんです。
だって、住み始めて3~4年経つまで
気づかないっておかしくないですか。
けっこう目立つところに彫ってあるのに。
- ──
- たしかに、住んでいるあいだに
誰かに彫られたとしか思えない
タイミングですね。
- 零士
- 正確には「うるさい♡(ハート)」
って彫られてるから、俺らのこと、
ちょっと好きではあったのかもしれないです。
いい恐怖でしたね。
- 山口
- あと「かあさんのまぬけ」とかも、
彫ってあるな。
それはたぶん、この家の前の住人が
彫ったみたいなんですけど。
- 零士
- あれも怖いよね。
前住んでた人がどんな人だったのか、
テレビとかで調べてほしいな。
- 山口
- 本当だね。
- 零士
- ほぼ日さんで調べてもらおう。
- 山口
- そうしよう。
そういうのってやってくれるのかな。
- 零士
- やってくれますか?
- ──
- がんばります。
- 零士
- がんばるんだ。
- ──
- YouTubeを拝見していると、
けっこう、山口さんが家事をされることが
多いですよね。
- 山口
- ああ、飯つくったりとか。
- ──
- はい、ごはんとか。
家事の役割分担で揉めるという話を、
友だち夫婦などからよく聞くのですが、
おふたりはそんなことはないのでしょうか。
夫婦とはまた違うと思うのですが。
- 山口
- いえいえ、もう夫婦。
- 零士
- って言われるよね。
- 山口
- 夫婦より強いと思いますけどね。
- 零士
- まあね。
- ──
- そうでした、すみません。
どちらか片方が料理してくれたり、
掃除してくれたりするときに、
揉めないコツはあるのでしょうか。
- 零士
- うわあ、これはなー。感謝です。
相手がやってくれたら、感謝は絶対にする。
それに、ぼくらはお笑いも
一緒にやってるので、
分担することが家事だけじゃないんです。
ぼくはそっちでお返しするって感じですね。 - M-1の決勝に行く前は、
マネージャーさんがいなかったので、
俺ら自身で先方との連絡を
とったりしていました。
家事は基本的には山口さんだけど、
誰かと連絡をして、日程を調整して、
といった業務は俺がやっていて。
お互い得意なところをやればいいっていう
考え方なんです。
- 山口
- そうそう。
- 零士
- だから「おまえもやっとけよ!」
と思うことは一切ないです。
あまりルールは決めないで、
「こっちは得意だから俺やるわ。
山口さんはそれ得意じゃん、
お願いしていい?」みたいなことは
言ったことがある気がします。
- 山口
- 知らない間に定着していったよね。
- ──
- 自然と、得意なほうを得意なほうがやる
スタイルになっていったんですね。
- 零士
- そうです。
なので、バランスはとれているつもりです。
- 山口
- 気の遣い合いだよね。
- 零士
- そうそう。
やってくれたら「ありがとう」だし、
自分が先にやらなきゃいけないことに
気づいたら「これは俺がやっとく」って。
山口のほうが気づいてくれるんですけどね。
- 山口
- 家事系はね。でも、零士が言ったとおり、
家事以外のところを
零士がやってくれてるから、
うまいことバランスがとれてるんだと思う。
- 零士
- だから、たぶん、俺らにしかわからない
絶妙なバランスがあるんです。
俺らだけじゃなくて、
あらゆるコンビには、
ほかの誰にも言ってない、
お互いのあいだだけのバランスが
あるんだと思います。
だから、誰の邪魔もしないであげてほしいですね。
(明日に続きます)
2026-08-13-THU