
- ──
- どんな学生時代を過ごしていましたか?
- わたこ
- 友達と遊んだりライブに行ったり
しまくっていました。
なので、いつもお金がなく。
美術系の学校だったので課題に
ふつうはお金がかかるんですが、
そのお金をできるだけ少なくするために、
そのへんに生えてる草や工房に落ちている木、
家にたまたまあったものなどを使いつつ、
おもしろいものをつくるよう必死だった気がします。
- ──
- ほぼ日のインターンに参加した理由は?
- わたこ
- なにかおもしろそうで就職に有利になりそうな
インターンがないか探していて、
ほぼ日のインターンに出会い、応募しました。
募集ページがかわいかったことと、
いろいろ経験できそうだったことが決め手でした。
- ──
- インターンに参加してから、
ほぼ日ならではの大変なことや、壁は経験しましたか?
- わたこ
- ほぼ日ならではだったと思うのは、
初めて自分で写真撮影とページデザインを
担当したときの経験です。
当時、あいさつの仕方も、カメラの技術も、
本当によくわかっていなかったので、
すべてが不安だったんですけど、
メンターの先輩からは
「とりあえずカメラを持って行くんだよ!」
と言ってもらって(笑)。
「写真も、たくさん撮ればいいの撮れるから!」
という感じで、
「えーっ?!」と思いました。
結局、すっごくおどおどしながら
撮らせていただいたんですけど、
「習うより慣れろなんだな」と納得しました。
- ──
- メンターの方も現場にはいらしたんですか?
- わたこ
- いなかったんです。
メンターの人といっしょの取材は
何度も経験していたのですが、
そのときは初めてひとりで行ったんです。
もちろん、編集の人はいましたが。
- ──
- 本当に、ひとりのカメラマンとして行ったんですね。
- わたこ
- 「ちょっとびっくりしちゃったぜ」って感じでした。
その1回に限らず、
同じようなことがけっこうあったので、
当時は戸惑ったし、なんでそんなことするん?
と思ったんですけど(笑)、
その経験を通して、ほぼ日のコンテンツを出す速さが
身についたし、適応力はめっちゃ高まったなと
思います。
- ──
- 適応力というと、どんな依頼が来ても対応する、
ということですか?
- わたこ
- そうですね。
たとえば、つなひきのコンテンツをやっているけど、
「つなひきのコンテンツのデザインをお願いします」
と言われても、普通「ん?」という
感じじゃないですか。
でも、一旦
「なるほど、つなひきのコンテンツを
やりたいんだな」と受け入れて、
「わかりました」と返事できるようになりました。
- ──
- すごい。 たしかに、わたこさんが動じてるところを
あまり見たことがないです。
聞いたことのない種類の仕事が
降ってくることもあるから、
「一旦受け止める力」は必要ですね。
なかでも大変だったお仕事はありますか?
- わたこ
- なんだろう‥‥
最初に関わった「生活のたのしみ展」は、
ちょっと大変だったような気がします。
そのときは、初めてショッパーをつくることになって、
大きさや持ち手の長さから柄まで
すべて1からつくったので、すごく時間がかかって、
まわりにも迷惑をかけたと思います。
既製品に柄だけプリントするのかなと思っていたら、
ボディをいちからつくるところから
自分たちでやるということが予想外でした。
たのしみ展のようなイベントだと、
自分の想定していたデザイン以外にも
必要なものが発生するので、
それらにひとつひとつ対処していくのが大変でした。 - いまなら、すぐパッと入稿できるんですけど、
当時はまだ慣れていなかったから、
ひとつひとつ先輩にも確認いただかないといけなくて。
それも、できるのが夜だったから、
先輩に申し訳ないなと思いつつ‥‥。
- ──
- 最初のころは、なにかつくったら毎回
先輩に見ていただくから、先輩への申し訳なさと、
「でも見てもらわないと不安」という気持ちが
ありましたよね。
- わたこ
- まさにそうです。
自分の持っている仕事の量は、
先輩たちより全然少ないのに、
すごく時間がかかっていることへの
申し訳なさもあって、余計固まっちゃうことは
あったかもしれないです。
先輩たちはまったく嫌な顔をせずに
見てくださったんですけど、
どうしても自分は申し訳ないと思ってしまって。
入社3年目でメンターの先輩が外れて、
基本的には先輩の確認なしに仕事を進められるように
なってからは、
一人前として扱ってもらう緊張はありつつ、
先輩への申し訳なさから解放されて、
あたらしく踏み出した気持ちがありました。
- ──
- そんな大変なこともありつつ、わたこさんが
いまもほぼ日で働いている理由はなんでしょうか。
- わたこ
- 働き方の融通がめっちゃ利く、
ということが大きいです。
たとえば「午前中に病院に行きたい」というとき、
普通に病院に行ってから出社ができるとか、
自分の用事に合わせて仕事ができるのが
本当に助かります。
行きたいライブがあったら、
ちょっと早めに仕事を始めて、
夕方は早めに抜けて、みたいなことは、
ほぼ日では当たり前にできます。
たぶんほかの会社だと、
そういうことをする場合は上司に伝えたり、
申請したりしないといけないんだろうなと思いつつ。
- ──
- それは本当に助かりますね。
私も正直、勤務時間に厳しいところでは
もう働けないです。
よく、ほぼ日では「大胆な集中、大胆な休み」
と言われるとおり、
この自由な働き方を実現するために、
仕事の時間は集中してがんばって、
いいリズムができますよね。
- わたこ
- 私生活が豊かじゃないと、
仕事もダメになっちゃいそうな気がするから、
私生活を充実させられるのはすごくいいなと思います。
- ──
- デザインや企画職など、クリエイティブ系の仕事だと、
「休みの日もずっと仕事のこと
考えなきゃいけないんでしょ」
と思われることがありますが、そこまででもなく、
休みのときはしっかり休んでいる気がします。
わたこさんは、働き始めた最初から、
休むときはしっかり休めていましたか?
- わたこ
- 最初のころは
「やらなきゃ」という気持ちが強かったから、
最近のほうが休めるようになったかもしれません。
- ──
- 仕事量が減っているわけではないですよね。
- わたこ
- そうですね。
引き受けられる仕事は増えたと思います。
自分が集中したら、ひとつの仕事をするのに
どれぐらいの期間がかかるのかという
おおよその目安が、
あまりずれずに予想できるようになって、
仕事の見通しが立つようになった。
そうするとほかの仕事との調整も
できるようになるので、
なにかあたらしい依頼を受けたときに
「できます」「ちょっと厳しいです」
ということが伝えやすくなりました。
以前はページを1枚つくるのに
すごく時間がかかっていたけど、
いまは1週間もかからずにつくれるようになりました。
それは本当に「慣れ」だなと思います。
見て教わるより、
たくさんこなして慣れるのがいちばん早かったなって。
なので、いまなら、メンターの先輩が
「とりあえず行くんだよ」と言っていた
気持ちもわかります。
それに、ほぼ日に関わってくれる方は、
こちらの挙動を見て
「あ、この子慣れてないんだな」とわかってくれる
優しい方が多いので、真面目にしていれば、
ミスをしてしまってもきっと
笑いながらフォローしてくれると思います。
- ──
- たしかに、ほぼ日に入ってから、
すごくいろんな人に助けてもらいました。
だから、インターンのときはとくに、
ビクビクしなくていいんだと思います。
- ──
- わたこさんは、デザインチームにいて、
どんなときにやりがいを感じますか?
- わたこ
- やっぱり、自分がデザインしたものが
世の中に出た瞬間がいちばん「よかった」と思います。
ほぼ日はたくさんのお客さんが
来てくれるメディアなので、
単純に、自分がつくったものが
人の目に触れる機会が多い気がします。
ほかの会社で働いているデザイナーの友人は、
いろんな案を出したなかからひとつ選ばれて、
そのひとつがさらに細分化されて、
もとの案から変わってしまうし、
世に出るまでにけっこう時間がかかると
話していました。
でも、ほぼ日はわりと、
つくったものがすぐ世に出るし、
しかもメールで読者の方から感想が届くから、
「ああ、つくってよかったな」と思えるんです。
お客さまの生の声が聞ける機会が多いのは
やりがいになっているなと思います。
- ──
- わたこさんは、ページデザインだけでなく
商品のデザインもされていますね。
- わたこ
- はい。商品は売り上げが目に見えてわかるから、
顕著に結果が表れてシビアな面もあるけど、
つくったものを
「かわいい」と言ってもらえるのが
いちばん嬉しいです。
とくにたのしみ展では、目の前でお客さまが
商品を見てくださるから、すごく喜びを感じます。
- ──
- ほぼ日のデザイナーさんは、
ウェブのデザインもするし、
プロダクトやパッケージのデザインもしていて、
手掛けるジャンルが広いですよね。
それらのスキルは会社に入ってから
身につけたんですか?
それとも、もともと専門的に知っていたのでしょうか。
- わたこ
- いや、もう全然。
私は、大学のときは遊んでばっかりだったので、
IllustratorやPhotoshopのちゃんとした使い方は、
ほとんど会社に入ってから学びました。
- ──
- どんなふうに学んだのでしょうか。
- わたこ
- 使い方の大枠はオリエンテーションで
教えてもらいましたが、
やっぱりやってみないとわからないし、
やらないとどこが自分ができないのかも
わからないから、やってみてわからなかったら聞く、
を繰り返して、すこしずつ身につきました。
- ──
- これも「習うより慣れろ」ですね。
社内での仕事はどんなふうに回ってくるのですか?
- わたこ
- インターンのころは、おもに
メンターの先輩のお手伝いをしたり、
メンターさんの仕事を
「ちょっとこれやってみようか」と
割り振ってもらったりしていたので、
自分の仕事は量の管理も含めて
メンターさんが把握してくださっていました。
いまは、チーム全体に来た依頼に
自分から立候補することもありますし、
直接、名指しで依頼が来ることもあります。
たとえばつなひきのページは
「勢いのあるデザインは
わたこさんができそうだから、お願いします」
と依頼されました。
社内のいろんな部署の人たちが
それまでの仕事をいつも見ていて、
それぞれのデザイナーの特徴を
わかってくれている気がします。
- ──
- 「社内フリーランス」のような印象です。
- わたこ
- そうですね。とはいえ、完全な個人作業ではなく、
本当に危なくなったら先輩たちや
同期のみんなが助けてくれたので、
「やばい、けっこう依頼が多くなってきたかも」
と思ったら、先輩に相談して助けてもらって、
私は大丈夫でした。
- ──
- 入社後も、サバイブしてきたんですね。
- わたこ
- はい、サバイブしてきました(笑)。
(次回に続く)
聞き手:松本万季(新卒3期生)
マンガ:松本夏歩(新卒4期生)
2026-10-15-THU