
東京藝術大学大学院卒
大学、大学院ではデザインを学び、2022年に
企画職として小舟のインターンに参加。
その後2024年にほぼ日へ新卒で入社。
入社以来、「ほぼ日手帳」の企画チームで
手帳や文具の企画を担当。
- ──
- 今回、インターン採用のコンテンツで、
ほぼ日のインターン経験者が
「インターン大変だったよね」という話も含め、
正直に話そうということになりました。
そこで、私もインターンを経験した当事者として、
みなさんにインタビューをさせてもらいます。
高山さんは、インターン期間含め、いままで
ほぼ日ならではの壁にぶつかったことはありますか?
- 高山
- そうですね、なんだろうな‥‥
ほぼ日手帳チームに入ってから
難しいなと思っていることは、企画にするものは
「自分が興味を持っているもの」だけでは足りなくて、
「みんなが好きなもの」
を考える必要があることです。
自分はもともと、あまりいろんなものに
すぐにハマれるタイプじゃないんですけれど、
「みんなが好きなもの」を見つけるために
いろんなものにハマる努力をしないといけないのかな、
でも努力してハマるってどうなんだろう‥‥とか、
ずっとぐるぐる考えています。
- ──
- 「自分からハマる努力」をする気持ち、
めちゃくちゃわかります。
ほぼ日では「自分が原動力を持っているか」が、
企画を立てるときの必要条件に
なりますよね。
- 高山
- まずは、熱量を持って語れるかが第一関門ですね。
ほぼ日で企画を通すには、
ふたつのパターンがあると思います。
まずは、みんなが好きで、かつ、
自分がものすごく熱量を込めて誰よりもいいものを
つくれる場合。
または、「少ないかもしれないけど、
刺さる人には刺さるから
やったほうがいいんじゃない?」
と、やらせてもらえるくらい、
ものすごく企画者の熱意が強い場合です。
どちらにしても、企画者の熱量は必要です。
- ──
- とはいえ、高山さん自身に熱量があったのに、
通らなかった企画もありますか?
- 高山
- いろいろあります(笑)。
印象に残っているのは、
チームみんなのアイデアが出そろったあと、
糸井さんに見てもらったときのことです。
そのとき、私は個人的にものすごく感動した作品との
コラボレーション企画を提案しました。
ですが、糸井さんから
「これは『おっ』と目を引いたり、
みんなの心を惹きつけたりする力が弱い」と
コメントをいただき、考え直すことになりました。
- ──
- ほぼ日は、けっこう「大ヒット」を狙っているから、
「本当にこれはいける」とみんなが思わないと
企画が通らないところがありますね。
- 高山
- そうですね。
私がこのあいだ出した「collect & collage」という、
日常のなかで集まった「思い出の紙もの」を
気軽にとっておける文具のシリーズも、
企画を出したとき、糸井さんから
「その道のど真ん中を通る人にとっては
おもしろくってたまらないけれど、
一歩外れたら全く伝わらないんじゃない?」と
印象的なコメントをいただきました。
それは「ものを集めたり貼ったりすることが
大好きな人には分かってもらえるけれど、
そうでない人にはいろいろな説明が必要だから
興味を持ってもらえないのではないか」
という意味だと、私は思いました。
そこで、販売スタッフさんが誰でも簡単に
お客さんに説明できて、
または説明がなくても誰にでも伝わって
「これなら私でもできるかも!」と
思ってもらえるようになるまで、
シンプルに要素を絞っていきました。
「熱量が強すぎて、やりたいことがわーっと
広がっちゃってる状態はすごくいいことだけど、
そのままではいけないんだな」
と学びました。
- ──
- たしかに、熱量だけあってもダメで、
伝わる形にしないといけないんですね。
- 高山
- はい。自分しか楽しめないものになっちゃってたんだ、
と反省したりもしました。
- ──
- 「collect & collage」は、
どんなきっかけでつくることになったのでしょうか。
「企画を出してみて」と言われて?
- 高山
- そう言われたわけではなくて、毎年の春ごろにある、
企画職のみんなが集まって、
やりたい企画を出すミーティングに
自分から持っていきました。
- ──
- 自主的に持っていったんですね。
- 高山
- はい。「自主的になにかやりたい、やらなければ」
という気持ちがずっとあったんです。
それで、そのミーティングまでにコツコツ考えて
持っていったら、みなさん喜んでくれて、
「やってみたらいいんじゃない?」
と言っていただき、進めることになりました。
でも、とくに誰かがやり方を
教えてくれるわけではなかったので、
ふわふわしたまま、
自分なりに紙で模型をつくってみたりしました。
「こんな感じで試作に進んでいいの?」
と不安もありながら、
自分のなかでは詰められたと思っていたけど、
そこで糸井さんにフィードバックを受けて、
「やばい、全部考え直しだ」と(笑)。
- ──
- いまのお話に「ほぼ日ならではの大変さ」が
詰まっていた気がします。
まず、基本的に、自主的にやらないと仕事がなくなる
ということ。
それから「やってみたら?」と言ってもらっても、
前例がないから、
その先のやり方は誰も知らない。
そしてなんとか形にしたら、ひっくり返る(笑)。
新入社員が完全に放置されることはないし、
相談にも乗ってもらえるし、
中途で入っても仕事をつないでもらえるから、
人が優しくないわけではないんですよね。
- 高山
- はい、みなさん優しいです。
- ──
- とはいえ、こう、自分から仕事を掴みに行く
「ソルジャー」みたいな部分がないと、
やっていけない感じはあります。
それで言うと高山さんは、
やり方がわからないなりに手を動かして
模型をつくったり、
自主的に企画を考えて持っていったりと、
根性というか、動く力があるように感じました。
それって、ほぼ日で働くうえで必要だなと思います。
高山さんのその根性はどこから来ているんですか。
- 高山
- 私はもともと負けず嫌いなのと‥‥
先輩方がすごいから、
「がんばるぞ」という力が湧いてくるんです。
- ──
- 私も、まわりの人がすごいから、
その人たちみたいになりたいし、
ここから振り落とされたくない
という気持ちがあります。
- 高山
- 憧れる人が近くにいっぱいいるんですよね。
- ──
- まわりの人を尊敬できなかったら、
着いていこう、食らいつきたいと思わないですもんね。
ほかにも、高山さんがほぼ日ならではの壁や
大変さにぶつかっても、ほぼ日に入社を決めた理由や、
いまもほぼ日で働き続けている理由が
あったら教えてください。
- 高山
- そもそも私がここに来たいと思ったのは、
ものを生み出すための「土壌が豊かなところ」が
気に入ったからなんです。
学生のころ、インターンをしながら気づいたことは、
日常のなかにはいろいろな種が転がっているけれど、
それが育つか育たないかは
土壌の豊かさで変わるということでした。
ほぼ日には、みんなが喜ぶような
「いいこと」を考えたら
「いいじゃん! やってみなよ」と言ってくれる人が
まわりに必ずいるんです。
それをどう進めるかは自分次第なのですが、
自分で考えたことを実現できるって、
すごいことだなと改めて思います。
「このあいだ話していたアイデアの参考になれば」と、
発想が膨らむ種を持ってきてくれる人もいます。
いろいろな会話やご縁が化学反応を起こして
思いもしなかったいい方向へ話が進んだりするのも、
土壌が豊かだからだな、と感じます。
- 高山
- また、「人の心や暮らしを豊かにしたい」という
漠然とした夢があったのですが、
ほかの会社のインターンは期間が短く、
課題をこなすだけでは
そのイメージがうまく持てませんでした。
一方、ほぼ日のインターンは長期的で、
実務を任せてもらえるのが特徴でした。
お客さまと接することのできる
リアルスペースやイベントも多いので、
「喜んでもらえた!」という実感が
リアルに持てたことも入社の決め手となりました。 - それから、
美術大学の大学院でデザインを学んでいたとき、
1から発想したことを
どんな形に落とし込んだら伝わるか、
人に喜んでもらえるかということを
課題ごとに繰り返してきたので、
将来は見た目だけをデザインする仕事ではなく、
根本から企画を立ち上げて誰かに届けるまで
一貫して携われる仕事が
できたらいいなと思っていました。
だから、本当にそれができるほぼ日には、
ほかのなににも代えられない達成感があります。
1年、2年ぐらいかけてやっとお客さんに届く
こともあるから、時間はかかるけど、
すごく得るものが大きくて、
やりがいがとにかくある。
いま取り組んでいることが、1、2年後に
お客さんに届くと思うと、
それも続ける理由になります。
- ──
- 高山さんがやりがいだと感じたのは、
たとえばどんな気持ちでしょうか。
- 高山
- 「collect & collage」では、
「自分でゼロからお客さまに届けるまで
走り抜けた感覚」がありました。
何度もコンセプトやブランド名、
ラインナップやディテールを考え直して、
糸井さんや先輩からフィードバック、
アドバイスをもらいつつ、
決断して納得のいく形にしていきました。
つくるだけではなく、
商品のイメージ写真はどんな雰囲気にするか、
ページデザインはどうしたら簡潔に伝わるかなど
届ける部分までまるごと担当できたことは
とてもやりがいがありました。
最終的に実際に商品として売り出したときは、
店舗に立っていたら、
お客さまから「旅行関係の仕事をしているから、
こんなふうに簡単に紙ものを
とっておけるものができて嬉しい」
「このレイアウトのノートが
いままで世の中になかったから
助かる」と、リアルな声が聞けて
すごく嬉しかったです。
- ──
- そのお客さまのおっしゃったとおり、
ほぼ日ではいままで世の中で売っていなかったものを
つくることが多いから、
その苦しさと嬉しさがありますよね。
- 高山
- そうなんです。
「こういう感じのものをつくればいい」という
前例があまりないから、つくっている最中は
どうなるのか見えなくて。
でも、商品が出たときは
「いままでなかったものをつくってくれてありがとう」
と喜んでもらえます。
- ──
- 最終的にできた商品にたどり着くまでに、
淘汰されたアイデアもあるのでしょうか。
- 高山
- あります。でも、それはもしかしたら
この企画の枠じゃなくて、
また別の部分で出せるかもしれません。
今回はこのラインナップにフォーカスしたけど、
それまでに生まれたアイデアの種は無駄じゃないし、
別の方向に絞ってブラッシュアップすれば
ものになりそうな気はしています。
- ──
- 商品でなく読みものの企画でも、
「このときは形にならなかったけど、
タイミングが来れば」というアイデアは
たくさんあります。
- 高山
- そうですよね。だから、考えたことは無駄じゃなくて、
ほぼ日にいれば、いつか役立つんだと思います。
- ──
- 初回から、核となることを
たくさん聞かせてもらいました。
ありがとうございました。
- 高山
- こちらこそ、引き出してもらって
ありがとうございました。
次の人のインタビューも楽しみにしています。
(次回に続く)
聞き手:松本万季(新卒3期生)
マンガ:松本夏歩(新卒4期生)
2026-10-15-THU