アプリスタートから、まる3年。
授業の数も少しずつ増えて、ただいま400本以上
(毎日見ても、全部見るのに1年以上!)。
さまざまなジャンルの授業が登場し、
じわじわ面白さを増している「ほぼ日の學校」。
とはいえ「動画はハードルが高くて」
「忙しくて」といった理由で見ていない方も、
まだまだ多くいらっしゃるはず。
そこで制作を担当し、特に多くの授業を
見てきているほぼ日の乗組員たちに、
おすすめの授業や、良いたのしみかた、
その魅力を愛情たっぷりに語ってもらいました。
面白いから、とにかくおすすめしたい!
そんな思いで、ついつい前のめりに語ってますが、
なんとなく興味が出てきたかた、
ぜひ、見るきっかけにしてみてください。
8月からYouTubeチャンネルもスタートしました!

話を聞いたメンバー

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第4回 まずはこの授業から見てほしい。

鹿子島
それではここで、
「この夏に見てほしいおすすめの授業」を
教えてもらっていいですか?
ひとりにつき3つずつ、
選んできてもらったと思います。
倉持
いろいろありますけど、わたしはまずは
スーパーボランティアの尾畠春夫さんの授業です。
尾畠さんの壮絶な経験がわかる、濃いインタビューなんですけど、
わたしは「ほぼ日の學校」がなかったら
尾畠さんのお話を聞く機会ってなかったかもしれないので
お聞きできてよかったな、と思っているんです。
尾畠さんがボランティアをしている山に
糸井さんが訪れるという屋外ロケで、
山のなかに座りながら
お話を聞かせていただいたんですけど。
田中
たしかに、椅子があるところではなく
芝生に座ってましたね(笑)。
糸井さんとのちょっとした掛け合いから、
話し始める尾畠さんの様子がすごくいいです。

倉持
「ほぼ日の學校」が大事にしている
コンセプトのひとつに、
「ほんとは『学ぶ』は面白い」というのがあって。
そこに際して糸井さんが
「尾畠さんはシンボルのような人」
と言っていました。
授業のタイトルも
「必死で『學ぶを學んできた』スーパーおじさん。」
というものなんですけど。
鹿子島
見ると「学ぶ」ってどういうことだろう?
というのを、考えさせられます。
田中
「尾畠さんだったらどう考えるだろうな?」
というヒントをもらうような感じなんですよ。
倉持
そして2つめが、作詞家で
音楽プロデューサーの秋元康さんの授業。
糸井さんとの対談のかたちで行われたものです。
秋元康さんってたくさんの人のプロデュースをされてますけど、
自分自身のことを語るイメージはあまりなくて。
実際に授業映像のなかでも、
自身のことを語り始めるわけではないんです。
だけど、秋元さんが糸井さんに
質問をバンバン投げかけていて、
秋元さんがする質問に興味や人柄が表われている。
秋元康という人間に出会える感じがあるんですよ。
あと、秋元さんと糸井さん、おふたりとも
好奇心旺盛ですけど、仕事のやりかたが違うのも面白い。
田中
このおふたりのおしゃべりを聞けるなんて、
「ほぼ日の學校」ならではですよね。
秋元さんのクリエイティブの背景にあるものを
のぞき見できるようので、
「面白いことをやってやりたい!」という
気持ちを持っている人にはいいと思います。
倉持
あとおすすめしたい授業のもうひとつが、
神田のとんかつ屋さん「やまいち」の授業。
カウンターでとんかつをいただきながら、
店主の松井さんと糸井さんが話をするんですよ。
これ、映像のとんかつもすごくおいしそうで、
見るとお腹がすくんですけど(笑)。
下尾
糸井さんが長く通われている、
大好きなお店ですよね。
倉持
そうなんです。
だけどこれまで、
じっくりお話することってなかったんですよね。
ご主人が病気で亡くなられて、いまは奥さまが
お店をついでいるんです。
じっくりお話を聞くと、
よく顔を合わせている人にもさまざまな背景があることが
改めてわかる。
30分くらいの短めの動画ですけど、
お店の店主と常連さんの話を、
隣でこっそり聞いているような授業です。
鹿子島
下尾さんのおすすめは?
下尾
わたしは「夏休みに子どもと見たい授業」という視点で
選んでみました。
まずは、国立科学博物館で
哺乳類の研究をされている田島木綿子さんの
「海の仲間・クジラたちが教えてくれること」。

夏休みっぽいかなと(笑)。
「哺乳類って何か?」というところから、
海の哺乳類のいろんな話を教えてくれます。

田中
へぇー、面白そう。
下尾
「哺乳類の首の骨は、みんな7つ。
キリンもイルカも人間も同じ」とか、
「表情筋は、母乳を吸うことから
発達してきたもの」とか、
「サメは一度も陸にあがったことがないから
左右にしか尾びれをふれないけど、
イルカは背腹にふる」とか!
おどろきがいっぱいあってたのしいんですよ。
1時間半ありますけど、先生がつぎつぎと
お話をしてくれるから、あっという間で。
最後は環境問題の話にもつながっていくから、
子どもたちの自由研究のきっかけにもなりそうです。
鹿子島
先生の話し方もいいですよね。
テンポが良くて、動物たちへの愛をすごく感じる。
下尾
次が、
「小学生が親子で考える 自分のキャッチフレーズ」
「ほぼ日の學校」には、
東京コピーライターズクラブ(TCC)と
一緒に作っている授業があるんです。
田中
たぶんこのシリーズ、
コピーライターを目指している人には、
すごくいい教材にもなるのかなと。
下尾
しかも、この授業は、
コピーライター志望じゃない人が見ても面白いです。
ふたりのコピーライティングのプロが
親子に向けてコピーの作り方を教えてくれるんです。
わたし、見ながら泣いちゃったんですよ(笑)。
安木
泣けるタイプの授業なんですか?
下尾
いや、ほかの人がどうかはわからないですけど
わたし、つい共感して泣いちゃうんで(笑)。
この授業、参加者の子どもが最後にみんな、
「自分のコピー」を考えて、
親とペアになって発表するんです。
そのなかに耳が動かせる男の子がいて、
その子が「頑張れば耳で飛べます」と書いたんですよ。
そしたら、その子のお母さんが
「飛べませんが聞く耳あります」
というコピーを作ったんですね。
田中
ああー、いいですね。

下尾
わたし、ここで涙が出てきて(笑)。
親子の息が合ってていいなと、感動しました。
倉持
よく涙が出るタイプ?
下尾
そうなんですよ。「ほぼ日の學校」でも、
よく泣いています。
最後のおすすめが
「おもちゃの技術が月面を探査する」。
この授業、おもちゃメーカーの
タカラトミーの方による、
「超小型変形型月面ロボットSORA-Qには、
おもちゃの変形ロボットの発想と技術が
応用されています」という話なんですけど。
この開発者の方の話にもグッと来て、
子どもの未来のことを考えているなと思って、
ここでもまたちょっと涙が。
全員
(笑)
鹿子島
では、安木さんのおすすめは?
安木
はい。わたしは
「実はこんな授業もあるよ」という
掘り出しものを見つけるような視点で
選んでいます。
まず、鍼灸師の若林理沙さんの
「ペットボトル温灸」の授業
ペットボトルを使ってツボを温めることで
軽い風邪や肩こりを
ケアできるということを学べる授業です。
倉持
この授業、いいですよね。
わたしもペットボトル温灸をときどきやってます。
下尾
わたしもやってます。簡単だし。
田中
へぇー、見逃してた。
安木
お湯を入れたペットボトルを、
首の裏の骨の下に当てることで、
セルフケアができちゃうんですよ。
こんな簡単な方法でいいんだとおどろきました。

倉持
実用的だよね。
ツボのことは知りたいけど、
まずだれに学べばいいかわからない。
最初の一歩としてぴったり。
安木
あと、自分が担当させてもらった授業
なんですけど、
「友だちに伝わる! 怪談の話し方教室」。
怪談家でありお笑い芸人である、
ありがとうぁみさんに怪談を話すコツを
教えてもらったんです。
林間学校とかで、怖い話ができる子は
ヒーローじゃなかったですか?
それができるようになれる授業なんです。
田中
ありがとうぁみさん、怪談家と名乗られてるだけあって、
話し方も見事で、声もよくて、聞き惚れますよね。
安木
そうなんですよ。
だからめちゃくちゃ説得力もあってこわい。
田中
こういった喋りのプロフェッショナルの授業は
動画だからこその凄みがあるから、
「ぜひ見てほしいなあ」と思いますね。
たとえば、伊集院光さんの授業とか、
リリー・フランキーさんの授業とか、
やっぱり動画だからこそ伝わる面白さがあるんですよ。
「ほぼ日」で記事になっている授業もあるんですが、
「これ、動画も見てほしい!」と思う授業は
たくさんある。
記事を読んだものでも、動画を見てみてほしいです。
下尾
うん、ほんと見てほしい。
掛け合いの見事さとか、間合いとか、
会場の雰囲気とか、
伝わってくるものがいろいろあるので。
安木
あと、もうひとつが、
古賀史健さんと糸井さんの対談「勇気の授業」。
これは、10代とか20代とか、
若い人にこそ見てほしいと思ったんです。
「人から嫌われたくない」とか
「自分には才能ってあるのか」とか、
若いときほど悩んで苦しいですよね。
その悩みに対して、古賀さんと糸井さんが、
すごく言葉を尽くして、メッセージを
届けてくれてるんですよ。

倉持
これは「前橋ブックフェス」というイベントのときに
糸井さんの母校の県立前橋高校の
生徒さんたちを前におこなった授業なんですよね。
田中
で、これ、生徒さんたちの質問と、
その答えとかもいいんですよ。
安木
いいですよねー。
わたしもこの授業、自分が高校生のときに
聞きたかった!

(つづきます)

2024-08-16-FRI

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