
ある日、ほぼ日に届いた1通のメール。
映画館でよく目にする「映画チラシ」を
30年以上趣味で集めている方からで、
「家に3万枚ほどあるのですが、
よかったら見に来ませんか?」というお誘いでした。
映画チラシが‥‥えっ、3万枚?!
しかも、この方がすごいのは、
ただチラシを集めているわけではなく、
「俳優別」に分類したファイルをつくり、
その俳優のデビューから最新作まで
出演した全作品のチラシを集めるという、
かなり変わった収集癖をお持ちの方だったのです。
誰に見せるでもなく、趣味で集め続けた映画チラシ。
その貴重なコレクションの数々、
ご自宅におじゃまして見せていただきました!
- Tさん
- ニコケイと同じくらい、
私の中でおすすめなのはセガールです。
スティーブン・セガール。
- ──
- 「沈黙」でおなじみの。
- Tさん
- 最初はぜんぜん「沈黙」じゃないんですけどね。
- ──
- ほんとだ‥‥。
しかも、よく見ると名前が、スチーブン?
- Tさん
- スチーブン・セーガル。
「セガール」じゃなく「セーガル」です。
- ──
- これがデビュー作なんですか。
- Tさん
- そこがよくわからないんです。
私の知る限り、
これより古い作品はなかったのですが、
日本で公開されていないだけかも。
- ──
- セガールといえば、
やっぱり沈黙シリーズですよね。
- Tさん
- はじまりは『沈黙の戦艦』ですね。
名前もここからスティーブン・セガールになります。
『沈黙の戦艦』のチラシは3パターンあるんです。
- ──
- おぉ、どれもかっこいい。
3枚目は見覚えがありますね。
- Tさん
- この作品を皮切りに、
沈黙シリーズが次々に登場します。 - 沈黙の要塞。
沈黙の断崖。
沈黙の陰謀。
沈黙のテロリスト。
沈黙の標的。
- ──
- テレビ東京でよくやってた(笑)。
- Tさん
- タイトルに「沈黙」が付くものだけで、
40本以上は製作されたそうです。
- ──
- そんなにあるんですか!
- Tさん
- その中でも
『沈黙の戦艦(Under Siege)』の正式な続編は、
1作品しかないみたいです。
主人公が同じケイシー・ライバックなのは。
- ──
- 逆に、他はちがうんですか。
- Tさん
- 原題が「Under Siege 2」なので、
内容的にはそれこそが唯一の沈黙シリーズ。
- ──
- 邦題だと、どれにあたるんですか?
- Tさん
- 『暴走特急』です。
- ──
- 沈黙、ちゃうやん!!
- Tさん
- 唯一の続編には「沈黙」がなく、
世界観も主人公もちがう他の40作以上には
「沈黙」が付けられています。
- ──
- 沈黙とは一体‥‥。
- Tさん
- こうやって時系列で見ていくと、
沈黙シリーズはちょっと中毒性がありますよ。
- ──
- デザインするほうも、
ちょっとおもしろがってる感じがしますよね。
遊び心があるというか。
- Tさん
- デザイナーの意図が見えますよね。
決まったパターンのなかで、
どうやって遊んでやろうかっていう。
- ──
- これだけ沈黙シリーズがあると、
「沈黙の〇〇」クイズができますね。
タイトルだけ隠してどの作品か当ててもらう。
- Tさん
- できると思います。
- ──
- ちなみに「沈黙」の付く作品を挙げると‥‥。
- Tさん
- 沈黙の脱獄。
沈黙の傭兵。
沈黙の奪還。
沈黙のステルス。
沈黙の激突。
沈黙の報復。
沈黙の逆襲。
沈黙の鎮魂歌。
沈黙の鉄拳。
沈黙の復讐。
沈黙の監獄。
- ──
- 沈黙ゲシュタルトが崩壊しそうです‥‥。
- Tさん
- まだまだありますけど?
- ──
- もう大丈夫です!
- Tさん
- あと、タイトルだけじゃなく、
キャッチコピーにも注目していただきたい。
なかなか味わい深いんです。 - 「オヤジ、死に挑む」
「このオヤジ、無双」
「不況に強いオヤジ」
「このオヤジ、ゾンビ斬る」
- ──
- 呼び方は「オヤジ」で統一。
- Tさん
- 最初に誰かが付けたんでしょうね。
「オヤジにしちゃえ」って。
- ──
- 最初に付けた人、
けっこう勇気ありますね。
だって、ハリウッドスターですよ。
- Tさん
- 最初にオヤジ呼びした作品は‥‥。
ああ、このへんかもしれない。
- ──
- ここから歴代の担当者たちの連携プレーが‥‥。
- Tさん
- セガールのファイルの中では、
一応、これが最後のチラシになります。
このあとは出てないので、
主演作品はこれが最後だと思います。
- ──
- セガール引退。
コピーというより、
もはやニュースの見出しですね。
- Tさん
- 引退宣言のあとに復活するパターンは
他にもけっこうありますけど、
セガールに関しては本気だったんでしょうね。
いまだに新作がないので、
たぶんほんとうに引退したんだと思います。
- ──
- それにしても、すごい作品数です。
ニコラス・ケイジもすごかったけど、
セガールに関しては全作品主演ですからね。
- Tさん
- 製作もプロデュースも本人。
- ──
- いやぁ、圧巻の映画人生ですね。
これだけの映画をつくるってとんでもない。
- Tさん
- ほんとうにそう思います。
こうやって時系列で眺めると、
俳優の生き様にちょっと感動するんですよね。
(明日につづきます)
2026-08-21-FRI

















