夕方6時30分ごろになったら、
ほぼ日のキッチンでなにかをつくり、
まわりで適当な雑談をし、
それを生中継するという、
行き当たりばったりな中継コンテンツです。
さぁ、今日はなにをつくって話しましょうか。

中継のある日は、午後6時30分になりましたら、
Twitter(@1101complus)から生中継します。

前へ目次ページへ次へ

3月10日 

ポムフリット

みなさんこんにちは、ほぼ日のスガノです。

夕方の18時30分、ほぼ日のキッチンから
「なにかをつくる」生中継をしております。
本日も、中継があるかもしれません。
18時30分になったら、もしよろしければ
ほぼ日のTwitterをのぞいてみてください。
(↑Twitterアカウントから生中継します)

昨日3月9日は予告どおり、
ほぼ日で私の隣の席に座るお料理大好き乗組員、
武井さんによるフライドポテト、
つまりフレンチフライ、
フランス風に言うと「ポムフリット」デーでした。
悪魔のようにおいしいバージョンです。

これはほんとうにおいしくて、食べすぎて、
糖質と油で幸福値が最高位を振り切り、
頭が爆発しそうになりました。
2度揚げするときに武井さんが
じゃがいもを高温で揚げるので、
じゃがいもの爆発ばかり心配していた私ですが、
自分の頭の心配をするべきだったと思います。

短い史上ではありますが、
ラストは最高の混乱ぶりでした。
本日の動画はこちらから見返せます。

このポムフリット、
武井さんは本場フランスの厨房に入り込んで
どうやって揚げているのかを
訊いてきたんだそうですよ。
おいしいものに対する行動力が半端ねぇです。

▲カラッとほくほく。爆発級うまさ。 ▲カラッとほくほく。爆発級うまさ。

今回用意したじゃがいもは、
「新じゃが」と「男爵」でした。

ほんとうは「○○黄金」という名前のついた、
いわゆる「こがね系」が
フレンチフライには合うのだそうです。
でもいまの季節は、
新じゃがさんが売り場を席巻していて、
こがねさんが渋谷の青果店には
置いてありませんでした。
こがねさん、季節ものなのかなぁ?

▲新じゃがは皮つきで。水分が多いので揚げる前に数分干しました。 ▲新じゃがは皮つきで。水分が多いので揚げる前に数分干しました。

<材料>
じゃがいも(男爵または黄金系、新じゃが)/
お好みの調味塩
(バスク塩・トリュフ塩・サルディーニャ島のハーブ塩)や

ケチャップなど/
グースファット(ガチョウオイル。これはラードでも)/
ひまわりオイル(ピーナッツオイルでも)

【つけあわせ】生ハムやサラミ

【付け合わせサラダ】たまねぎ/トマト/鰹節/しょうゆ

—————–
みなさん。
材料に、見慣れない食材が入っていますね。
そうです、ガチョウオイルです。

▲グースファット。ガチョウさんの油。 ▲グースファット。ガチョウさんの油。

武井さんの悪魔系ポムフリットの、
第1のポイントは、
なんといってもこのグースファットを使うことです。
ひまわりオイル(またはピーナッツオイル)と
ガチョウ油をミックスして、揚げ油にします。

ガチョウ油は通販でも買えますし、
海外の食材をたくさん扱うスーパーマーケット
などでも手に入ることが多いです。
手に入らなければ、ラードで代用できます。

そして、第2ポイントは「2度揚げすること」です。

▲1度めは140度。2度めは190度! ▲1度めは140度。2度めは190度!

武井さんは、じゃがいもを思いのほか‥‥というより
思ったとおり、ものすごく太く大きく切りました。
だから、それはそれは、
じっくり揚げんといかんのです。

ガチョウ油のうまみをすって
カラッとあがった太いポムフリットはうまい。
だからこそ「じっくり+カラッ」のダブル揚げは、
大事な過程です。

武井さんはそのうまさを実現するために、
待つところをちゃんと待つのです。
(あたりまえか)

▲まずは油の温度がきっちり上がるまで待つ。 ▲まずは油の温度がきっちり上がるまで待つ。

中継やおしゃべりに気を配りつつ、
その行動はぜったいに
「料理優先」です。
いつだって、いもから目を離さない。
(あたりまえか)

▲2度揚げ時、いもを充分空気にあてます。▲2度揚げ時、いもを充分空気にあてます。

いろんな味の調味塩を用意して、
揚がったいもをまぶす手際のよさったら。
なんだろうこの人は! いったい誰?!
編集者にしておくのはもったいないけど、
編集者に向いているからいいですね。
武井さんとはもう30年の
おつきあいですが(前職から)、
どこからやってきてそしてどこへ
私たちは行こうとしているんだろう。

キッチンに遊びにきてくれたみんなにも
ポムフリットは大好評だったなぁ。
武井さんの底知れなさに、みんなびっくりしてました。

▲「おいしい!」最初に来てくれた、たえさん、とみちゃん、まさきくん。 ▲「おいしい!」最初に来てくれた、たえさん、とみちゃん、まさきくん。

今回の主人公はフレンチフライですから、
つけあわせ的なものを何にしようか、
買い出し担当の私は前日に、
武井さんに訊いてみたんです。

すると武井さんは
「生ハムかなぁ?」と答えました。

いやいやいや、
山ほどのポテトを食べるんだから、
あっさりしたピクルスとか、そういうことを言うのかな?
と思いましたよ、それがですよ、
つけあわせが生ハムぅぅぅ?

そして私は、生ハムやサラミを
ちょっと不思議に思いながらも、買ってきました。

そして中継中、思い立って、
揚げたてのアッツアツのポテトを
生ハムで「巻きずし」のように巻いて食べてみました。
おーい、なんちゅうことするんや! と自分ツッコミ。

これがね、んまかった〜、です。
アツアツのポテトが、
常温の生ハムの油脂をちょっぴり溶かし、
肉の塩気があふれ出て、香りが鼻に抜ける、
そこにポテトの外側の香ばしさがやってきて、
クリーミーガチョウいもペーストが
おくちにひろがる‥‥
なんつぅパラダイスや〜。
みなさん、生ハム巻きずしやってみて〜。

武井さんは
「だってもともとフリットは
ステーキに合うんだもん。
肉がいいってことはわかるよ」
とほほえんでおられました。

そんなふうにみんなが次々と
パラダイスノックダウン状態に
なっているにもかかわらず、
ポテトをひたすら揚げつづける武井さんは、
偉大でした。

▲いつもタイミングを見計らっている。料理は化学変化だから。 ▲いつもタイミングを見計らっている。料理は化学変化だから。

▲揚げたてを逃さず塩を振る武井さん。 ▲揚げたてを逃さず塩を振る武井さん。

▲食べつづけるみんな。うまさとまらず。 ▲食べつづけるみんな。うまさとまらず。

▲みんな食べにきたよ! ▲みんな食べにきたよ!

今日のホットトピックは
「新じゃがの『新』って、いったい何?」でした。
これはいまでも、正解がわからない。
中継中、ググらずに
いっしょに考えてくださったみなさま、
ありがとうございました。

そして
「びっくりした顔のできる人は、
朝いちばんにカーテンを開ける習性がある」
ということも判明しました。
我が社の「びっくりした顔がうまい双璧」のふたりが、
起きてすぐにカーテンを開ける人たちでした。
みんなに同じ質問を続けていると、
いろんなことがわかるものですね。

今回はみんなでお片づけ。
油ものDAYだったのに、あっという間でした。
ほぼ日名物とも言える「撤収のようす」、
撮ってみましたので、
もしよかったらこちらもごらんください。

さぁ、今夜もおそらく中継がある‥‥と思います。
うーん、誰が登場するのかな。

 

3月10日 スガノ記

(今夜もおたのしみに!)

2020-03-11-WED

前へ目次ページへ次へ