ジャズやロック、笠置シヅ子さんのブギウギなど
さまざまなジャンルの音楽に挑んできた
演歌歌手の神野美伽さんが、
こんどは「シャンソン」を歌おうとしています。
数千人規模の会場で演歌を歌っていたとき、
人知れず、
数十人の前でシャンソンを歌っていた神野さん。
コロナと手術で「歌」を禁じられたとき、
神野さんを救ったのが「オー・シャンゼリゼ」。
そんな神野さんが歌う「はじめてのシャンソン」、
本番は11月15日、会場は赤坂の草月ホール。
チケットは、まだ、手に入ります。
神野さんのシャンソン、ぜひ聞きに来てください。
きっと、すばらしい会になります。
担当は「はじめてのシャンソン」係の奥野です。
- ──
- これまで、ロックやジャズなど
演歌以外の世界で歌ってきた神野さんですが、
今回の「シャンソン」って、
挑戦として、何かが違ったりしますか？
- 神野
- 歌うということについては一緒だけど、
今回は、自分自身も制作の側にいるというか、
手づくりでコンサートをつくってますよね。 - イベンターさんにお願いしてるわけじゃなく。
- ──
- はい、ぼくら「ほぼ日」が、
神野さんはじめ、演出の高泉淳子さん、
桑山哲也さんなどバンドのみなさん、
舞台監督さんや美術のみなさんなど
プロの人たちの力をおおいにお借りしながら、
「手づくり」しています。
- 神野
- 演歌のコンサートの場合には
「これくらいのお客さんが来てくださるから、
この会場で‥‥」って、
イベンターさん側が動員の見込みを計算して、
わたしをキャスティングしてくれる。 - わたしはただ「歌うこと」に集中すればいい。
でも今回は、そうじゃない。
- ──
- はい。
- 神野
- １から10までぜんぶ一緒にやってますよね。
でもね、それがすごくおもしろいです。
タイヘンだけど。
- ──
- タイヘン‥‥ですよね（笑）。
- 神野
- ふだんは、ぜんぜんちがう畑じゃないですか。
「ほぼ日」のみなさんって。 - でも、シャンソンをいちから聴きはじめて、
ちゃんとハマって、
歌詞の許可取りひとつにしても、
手探りで権利元に当たってくださって‥‥。
何より音楽が好きでいてくれていることで、
こうして一緒にできていると思います。
- ──
- 音楽は好きですね、みんな。
- ぼく自身は、神野さんのコンサートにも、
もう、ずいぶん前からずーっと行ってますし。
最初の最初は、まったく別の企画で
インタビューさせていただいた國村隼さんに
ご紹介いただいたんですけど。
- 神野
- そうなんですよね。そのベースがあったから、
笹尾さんの「むちゃぶり」にも、
こうやって、応えてくださったんだなあ、と。
- ──
- いえいえ、むちゃぶりではないですが（笑）。
- 神野
- ふつう、うまいこと言って断ると思うんです。
- だって、
シャンソンのコンサートを主催するような
会社じゃないわけだし、
失敗してクビになったらどうしよう‥‥と、
ふつうは思いますよ。
- ──
- あの（笑）、でも、笹尾さんって、
これまでもいろんなアイディアをくださるし、
一緒に仕事もしてきたんですが、
ここまで大きなプロジェクトを
「やったほうがいい」って強めに言ったのは、
じつは、はじめてかもしれないんです。
- 神野
- そうなんですか。
- ──
- はい。懇意にしているとはいえ、
笹尾さんも「ほぼ日」の人なわけではないし、
ふだんは
言っても「遠慮」はあると思うんです。 - でも、今回は「やったほうがいい」と言った。
- 神野
- ええ。
- ──
- 最初は、これまで笹尾さんには、
ずーっとお世話になりっぱなしだったので、
「恩返し」みたいな気持ちが、
なかったといえばウソになると思うんです。 - でもいまは、それは違うなと思う。
これは、笹尾さんが
ぼくらにくれた「チャンス」だと思ってて。
- 神野
- チャンス？
- ──
- やっぱり、ぼくら「ほぼ日」も、
ずっとえんえん同じことばかりやってたら、
きっとダメになっていく。 - 笹尾さんは、
有名な外資系広告代理店の日本法人副社長、
実質的なトップまで上り詰めた方ですから、
そういうことを
よくわかっているんだと思います。
- 神野
- なるほど。
- ──
- せっかく与えてくれたチャンスに、
いまは精一杯、応えたいなあと思ってます。
何せシャンソン、おもしろいですし。 - まあ、それもこれも、笹尾さんが、
本当に神野さんの歌に感動してるんですよ。
コロナ禍で大きな手術をして、
「生きること」と同義の「歌うこと」を
二重に禁じられた神野さんが、
首に太いコルセットを巻いた状態で
「オー・シャンゼリゼ」を配信しましたが、
笹尾さん、あの動画に大感動して、
涙が止まらなかったってメールをしてきて。
- 神野
- はい。そのことを聞いてね、
「そんなふうに感じてくれる人がいるんだ」
って、わたしも感動しました。 - そういう感性を持った人と、
つながるべくしてつながったんだなあって。
はじめて会ったときから大好きになった。
どこかやっぱり、
松原史明先生と重ねちゃったこともあるし。
- ──
- 笹尾さんは「赤の画家」だし、
神野さんも「赤」がお好きで。
- 神野
- そう！ 笹尾さんの描く絵が気になって、
個展にも足を運んだことがありました。 - さらにわたし、お会いするちょっと前に、
笹尾さんの本を読んでたんです。
奥野さんが、笹尾さんについて、
いろんな人にインタビューしている本を。
- ──
- 『赤の謎』という本ですね。
- 神野
- そのときから笹尾さんに興味津々でした。
- でも、実際に会ってみたら‥‥
がっかりすることもあるじゃない？（笑）
「本じゃよかったけど‥‥」って。
わたしたち歌手だって
「ＣＤのほうがよかったな」とか（笑）。
でも、笹尾さんは、ご本人も素敵でした。
- ──
- みんな大好きなんです。笹尾さんのこと。
- 神野
- だから今度は、
わたしが、ちゃんといいステージをやって、
笹尾さんと「ほぼ日」のみなさんに
お返ししたいなあと思ってます。 - 「どうやっ！」って、ドヤ顔したい（笑）。
- ──
- おお～（笑）、
神野さんのドヤ顔、見てみたい〜！ - でも笹尾さんって、本当に、
新しい扉を開けてくれるような人なんです。
- 神野
- 奥野さんがはじめてパリに行ったときにも、
すごいプランを書いてくださったんでしょ。
- ──
- そうなんですよ。笹尾さんから、
絶対に１度はパリに行ったほうがいいって
ずっと言われていたのに渋ってて、
あるときに、業を煮やした風の笹尾さんが
「おのぼりさんのためのパリ案内」
を滞在日数分、書いて送ってくれたんです。 - 「パリ初日は凱旋門に登って、ルーヴルへ。
その道すがらのシャンゼリゼ通りは、
『オー・シャンゼリゼ』を口ずさみながら」
みたいな、
すごくこまかい「TODOリスト」みたいな。
- 神野
- わたしが２週間３週間パリへ行ったときも、
松原先生が、
まったく同じことをしてくださいました。
- ──
- えええ。
- 神野
- 初日はここへ行って、これを聴いて、
これを見て、これを食べなさい‥‥って。
絶対に見なきゃいけないもの、
絶対に食べなきゃいけないもの‥‥を、
ぜんぶリストでくださったの。
- ──
- おんなじだ一（笑）。
- 笹尾さんも、
「この店ではアラカルトを１品と
ドリンクだけで十分です」
くらいまで書いてくるんですよね。
- 神野
- 同じ！ ほんとに同じ！（笑）
- 本当に生まれ変わりなのかもっていうか、
同じ人だったのかもしれない（笑）。
- （明日へ続きます）
神野美伽デビュー35周年記念
コンサートツアー
（2018年＠新宿文化センター）
恒例の新宿文化センターでのコンサートのダイジェスト版です。演歌はもちろんカッコいいし、演歌以外もカッコいい。クハラカズユキさん、古市コータローさんらとの「あんたの大阪」とか。アコーディオニストの桑山哲也さんもご出演されています。（奥野）
（つづきます）
2025-10-29-WED
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神野美伽さんが歌う
はじめてのシャンソン演歌歌手の神野美伽さんが、はじめて
「シャンソンだけのコンサート」を開きます。
期日は11月15日（土）、会場は赤坂の草月ホール。
大切にしたいのは「自由」ということ。
自由に「歌」を楽しむ会にできたらと思ってます。
この下で歌唱予定曲を発表していますが、
おそらく聴き覚えのある曲が多いはず。
帰り道に「オー・シャンゼリゼ」を歌いたくなる、
そんなコンサートにしたいと思ってます。
どうぞ、お気軽に遊びに来てくださいね。