
糸井重里の突然のポストが、ことの始まりでした。
「ぼくはCASIOって会社に弱くてさー。
今日も『カシオ最高峰の電卓』って
お知らせメールを真剣に読んじゃった。」
このポストを目に留めてくださった
カシオ計算機株式会社のみなさんが、
「もしよければ、実際にさわっていただけたら」と、
ほぼ日にやってきてくれました。
なんと、約80台の「電卓」を引き連れて!
社内で誰よりも電卓を使っている
経理チームの乗組員たちも、
黙っちゃいられないと集まりました。
電卓を囲んで大いに盛り上がった、
なかなかほかになさそうな、濃い1時間。
技術力や価格だけが理由ではない、
どうにも惹かれる「CASIOらしさ」を垣間見ました。
(カシオ計算機さんより、
「カシオ計算機のサイトでも『ほぼ日』訪問記を書いています。
電卓の詳しい情報も見られます」とのことです!
本記事と合わせて、ぜひご覧ください)
- 後日‥‥
- ──
- きょうは、ほぼ日の経理チームの樋口さん、
小林さん、平野さんと、
経営企画管理チームの和田さん、
前職が電卓メーカーで
ご自身も日常的に電卓を使う、
法務担当の佐久間さんに集まってもらいました。
カシオ計算機さんからお借りした電卓のことなど、
お聞きしたいと思います。
よろしくお願いします!
▲左から、佐久間、樋口、小林、和田、平野
- 一同
- よろしくお願いします。
- ──
- みなさん、電卓歴はどれくらいなのでしょうか。
- 平野
- 電卓歴‥‥。
私は、5年くらいです。
経理として働き始めてからですね。
- 小林
- 私は学生のときから使っているから、
20年くらいかな。
- 樋口
- 私もそのくらいです。
ちゃんとした12桁の電卓を初めて買ったのは、
たしか大学に入ってからでした。
- ──
- 勉強のために買ったのですか?
- 樋口
- そうです、簿記の授業に必要で。
- 佐久間
- あと、会計学!
- 樋口
- あーっ、会計学、ありましたね!
▲なつかしの授業トークで盛り上がる、電卓ユーザーたち。
- 佐久間
- 僕も、もう12年は電卓を使っています。
僕の場合はちょっと変わっていて、
初めて自分の電卓を買ったのは、
アメリカでカシオの関数電卓を買ったときでした。
- 一同
- アメリカ‥‥?
- 小林
- なんで、アメリカで?
- 佐久間
- 僕が通っていたアメリカの高校では、
全部の数学の授業で、
計算機や教科書の持ち込みがOKだったんですよ。
だから、試験問題を与えられたら、
解くのに必要な公式を教科書で見ながら、
関数電卓を叩いて計算して、
答えが出たら提出というやり方で。
- ──
- へええー。
- 佐久間
- だから、関数電卓は必須だったんです。
大学に入ってからは、
関数電卓は必要なくなったのですが、
家で使い続けていました。
- ──
- 家ではなんのために使うのですか?
- 佐久間
- ‥‥家計簿をつけるときとか。
- 一同
- 家計簿!
すごい!!
- 佐久間
- つけようとしただけでしたけどね(笑)。
あと、前職が計算機をつくるメーカーだったから、
必然的に持っていました。
- ──
- 佐久間さんが前職から担当なさってきた、
法務のお仕事ではどんなときに電卓を使うのですか。
- 佐久間
- ‥‥損害賠償請求するときとか。
- 一同
- 損害賠償請求!
- ──
- 電卓って、いろんな用途があるんですねえ。
- ──
- カシオ計算機さんから、
「電卓を使うみなさんに
『実際、電卓って必要なものですか?
電卓を使う理由は?』と聞いてみたい」と
伝言を預かっています。
- 佐久間
- 僕は、電卓は明確に必要だと思っています。
仕事上、文書と突き合わせて計算をすることが
多いからかもしれないですが、
作業するとき、ものを横に広げたいんです。
- ──
- 横に広げたい?
- 佐久間
- たとえば、パソコンの画面に資料を出しながら
計算をしたいとき、
画面上で別のアプリを開いて計算するのではなくて、
手元で電卓を使って計算したほうが、
混乱しづらいんです。
すべてを画面のなかでやるよりも、
手元に紙の書籍や資料、電卓を広げて
使い分けたほうが、
僕は頭が整理されます。
複数のアプリを開いたり閉じたりせず、
1回、電卓から画面へ視線を動かすだけで済むのは
ありがたいです。
- ──
- たしかに、スマホで資料を見ながら
スマホの電卓を使うときも、
画面を切り替えるのが面倒なことがあります。
- 佐久間
- そうそう。
なので、「計算」という機能に特化したものが
あってくれたほうが、私は仕事しやすいです。
- ──
- なるほど。
みなさんも同じ意見でしょうか。
- 樋口
- 経理も電卓は必須です。
領収書などの紙を見ながら計算することが多いので、
ほぼ手元を見ずに計算できる電卓は
なくてはならないですね。
- 平野
- 私が前に勤めていた会社では、
上司の口癖が「電卓叩いた?」でした。
- ──
- へえーー。
- 平野
- 絶対に「電卓叩いた?」って訊かれて。
だから、いまもだいぶ叩いてます。
- 和田
- ‥‥私も、前の職場で
「電卓叩いた?」言ってたかも。
- 佐久間
- 言う側の人もいた!
- 一同
- (笑)
- 和田
- 相手の計算結果が、自分の出した結果と
合わなかったとき、
電卓で検算したか確認するようにしていました。
「表ソフトに入力して検算してます」
という人もいたんだけど、
それでは検算としては不十分なんです。
Excelなどの表ソフトに入れた数式自体を
間違えていたら、結果も合わないから。
- 佐久間
- ああ、そうか。
- 和田
- しかも「表ソフトに入れた数式は合ってるから、
表ソフトで検算して出た値が正しい」と
思い込んでいると、
もとの値と検算して出た値が違っていても、
「表ソフトが出したほうが正しい」と決めてしまって、
再検算しないんです。
電卓だったら、もとの値と合わなかったら、
「打ち間違えたのかな?」
「それとも、もとの値が
本当に間違っていたのかな」と、
もう1回自分で検算するじゃないですか。
- 樋口
- うんうん、たしかに。
(後編に続く)
2025-10-21-TUE


