糸井重里の突然のポストが、ことの始まりでした。

「ぼくはCASIOって会社に弱くてさー。
今日も『カシオ最高峰の電卓』って
お知らせメールを真剣に読んじゃった。」

このポストを目に留めてくださった
カシオ計算機株式会社のみなさんが、
「もしよければ、実際にさわっていただけたら」と、
ほぼ日にやってきてくれました。
なんと、約80台の「電卓」を引き連れて!
社内で誰よりも電卓を使っている
経理チームの乗組員たちも、
黙っちゃいられないと集まりました。
電卓を囲んで大いに盛り上がった、
なかなかほかになさそうな、濃い1時間。
技術力や価格だけが理由ではない、
どうにも惹かれる「CASIOらしさ」を垣間見ました。

(カシオ計算機さんより、
「カシオ計算機のサイトでも『ほぼ日』訪問記を書いています。
電卓の詳しい情報も見られます」とのことです!
本記事と合わせて、ぜひご覧ください)

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第6回 番外編・電卓座談会(後編)

──
カシオ計算機のみなさまが
ほぼ日にお越しくださったとき、
「ふだん電卓を使うみなさんに」と
電卓を貸してくださりました。
みなさん、それぞれ電卓を借りて使ってみて、
いかがでしたか。
平野
いま自分が使っている電卓が、押したときに
カチャカチャと手応えがあるタイプなんですが、
今回お借りした電卓は、
手触りがやさしくて、音がしないのがよかったです。
もしかしたら私は
音がしない電卓のほうが好みなのかもしれないと
気づきました。

──
もとから「音がしない電卓が好き」と
思っていたわけではなくて、
今回気づいたんですか? 
平野
はい。
なかなかほかの電卓を試す機会がなかったので。
──
平野さんとは逆に
「キーを押したときにしっかり音がするのがいい」
という方も、きっといますよね。
勝手なイメージですが、佐久間さんは
「音あり」派な気がします。
佐久間
はい、私は音あり派です。
大きく音を鳴らすのが好きというわけでは
ないですが、「電卓で仕事をしている」感じが
気持ちいいです。

──
どなたか「最高級電卓(S100 )」を借りた方は
いらっしゃいますか? 
小林
私、使いました。
重さがちょうどよくて、使いながら動かないのが
ストレスフリーでした。
あと、キーの押し心地がパソコンとほぼ同じなので、
テンキーのように使うことができました。
使いながら「あっ、ここキーボードじゃなくて、
電卓だった」と気づいてびっくりしたくらいです。
──
パソコンのキーボードの
延長みたいに使えたんですね。
和田
私は、いろいろ触ってはみたのですが、
やっぱり自分の電卓に戻ってきてしまいました。
ずっとCASIOの同じ機種を使っているので、
指がもうこの電卓のキーに慣れていて、
いちばん使いやすく感じてしまって。
もちろん、お借りした機種のキーは
押しやすかったのですが、
自分にとって「やりやすい」のは、
慣れた電卓でした。
樋口
それくらい「自分の電卓」に慣れているんですよね。
「人間工学電卓」は、「0」の位置が
ふだん使っている電卓と違ったので、
私はあまり使いこなせませんでした‥‥。
逆に、この0の位置に慣れている方には、
すごく使いやすいのだと思います。
和田
「0の苦しみ」ですね。

──
みなさんはもう、慣れた電卓なら、
キーを見ずに叩けるのですか。
和田
はい、見ないです。
佐久間
えーっ、すごい。
和田
電卓を使う頻度が高ければ、
自然とできるようになりますよ。
高めればいいんです。
佐久間
高める‥‥高める機会、ありますかね。
和田
佐久間さんは法務だから‥‥
開示資料の数値を全部検算するとか。
佐久間
あははは。どこかの企業の資料に
「ここの損益計算が間違ってますよ!」って。
和田
「電卓叩きましたか?」だ。
一同
(笑)
──
こうしてうかがっていると、
「計算のための機械」が独立してある
ということには、意味があるんですね。
樋口
私たちは日常的に計算機を使う仕事をしているから
かもしれないですけど、
「計算機能」が独立してるほうが、
やっぱり便利かな。
小林
「あって当たり前」みたいな感じですね。
経理職は100%持っていると思います。
たまたま持っていない日は「あ、忘れちゃった」と、
落ち着かない気分になります。
──
みなさんは、もちろん計算機として
電卓を使っていると思うのですが、
お仕事では計算をしないけれど、
電卓が好きで持っているという人も
いるんでしょうか。
和田
ガジェットのような扱いで
持っている人はいるかもしれないですね。
私たちは機能性や使いやすさを重視しているけど、
「もっとかっこいいデザインがほしい」
という人もきっといると思います。
佐久間
または、ホテルのフロント係さんや
車のディーラーさんは、
その場所の高級感を高めるために、
電卓のデザイン面も重視されるかもしれないです。
実際、このあいだ
「あ、この人の使ってる電卓、高級そうだな」
と思ったことがあって。
それはデパートの店員さんの電卓でした。
一同
ああー。
佐久間
実際の価格はわからないですけど、
その売場に合わせた色味だったので、
気を遣って選ばれたんだろうなと感じました。
──
そうなると、インテリアみたいなものですね。
みなさんは、電卓は1個持ちですか。
場面によって使い分けたりは‥‥
佐久間
僕は1個ですが、父は2つ持っていました。
ポケットに入れる小さい電卓と、机に置くものと。
父はエンジニアなので、
いつでもさっと計算できるように
しているんだと思います。

──
みなさんは、これからも
電卓を使う予定ですか? 
一同
はい。
──
万が一、電卓がなくなる未来はあるのでしょうか。
和田
ないと思います。
たとえばAIがパッと計算結果を
出してくれるようになったとしても、
そのまま信じるのは難しいかもしれないです。
樋口
計算した実感がないと、「本当に?」と
疑ってしまいそう。
──
「AI、電卓叩いた?」と。
和田
経費精算なども、どうしてもなにかしら
ミスが入り込みますから、
それを正確に直すためにも電卓は必要ですね。
AIにしても、人間にしても、
「絶対に完璧な計算をしてくれるもの」は
いまのところないので、
電卓は存在し続けると思います。

──
最後に、
もし自分の理想の電卓をつくれるとしたら、
どんな電卓をつくりますか? 
たとえば、光るとか。
樋口
いいですね。
結果が合ってると、光ってくれる(笑)。
小林
ただ置いておくだけで、
画面になにか出てくる電卓はどうですか。
「たまごっち」みたいに。
──
「たまごっち電卓」、新しいですね。
佐久間
計算すると、ごはんを与えられるみたいな。
──
ということは、
計算しないと死んじゃうのか‥‥。

──
電卓トーク、いままで知らなかった世界が垣間見えて
おもしろかったです。
ありがとうございました。
一同
ありがとうございました! 

(終わります。お読みいただき、ありがとうございました。)

2025-10-22-WED

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  • 後日、カシオ計算機のみなさんから
    「2025年9月、CASIOの電卓が
    カプセルトイになって全国で販売されます」
    とお知らせをいただきました。
    「電卓をカプセルトイにしてもらえませんか?」と、
    CASIOさんみずから提案し、実現したそうです。
    チャレンジ精神が、やっぱりすごい。
    そして、カプセルトイになった電卓、かわいいです。
    くわしくはこちらのページをごらんください。

    そんなカプセルトイと、ほんもののCASIOの電卓が
    抽選で当たるSNSキャンペーンも実施中とのこと!
    応募期間は、2025年10月20日までです。
    くわしくはこちらです。
    ※10月21日追記:こちらのSNSキャンペーンは終了いたしました。

  • 糸井が興味を持った
    「高級電卓 S100」のサイトはこちらです。
    細かなくふうの数々を眺めるだけでおもしろいです。

    また、カシオ計算機さんの
    「電卓60周年」特設サイトはこちらです。
    あわせてぜひ見てみてください。