吉本ばななさんが
ツレヅレハナコさんの料理本のファンで、
ご自宅に遊びに行くことになったので
それをコンテンツにしませんか?
ついでに料理もごちそうになっちゃいませんか?
と言われたので「ぜひ!」と答えました。
もとはといえば、「ほぼ日の塾」の卒業生、
池田るり子さんがつくった「偏愛の人。」という
コンテンツがきっかけでした。
ツレヅレハナコさんの「異常なたまご愛」を
テーマにしたこの読み物は、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』
という料理本へと発展。
その出版を記念して、
前々からファンだと公言していた
吉本ばななさんをツレヅレハナコさんの
ご自宅の食卓にお招きし、
たくさんの料理でもてなすことになったのです。
そんなわけで、
たのしくておいしい夜のはじまりはじまり。
進行は池田るり子さんにお任せします。
たのしいおしゃべりとおいしい料理。
これ以上のものって、ないんじゃない?
進行&編集:池田るり子
イラスト:カケヒジュン
- ──
- みなさん、これがハナコさん特製の
タルタルソースです。
このあと揚げ物がやってきますが、
ひとつ、アドバイスです。
これ、ハナコさんの著書には
よく書かれていることなんですが、
揚げ物を食べるのではなく‥‥。
- ばなな
- わかってます。
揚げ物を食べるのではなく、
「タルタルソースを食べる」!
- ──
- そのとおりです!
- ほぼ日
- そうなんだ。了解です!
- ハナコ
- まずは、チキン。ささみのフライですー。
- ──
- ささみフライ、来たー!!
- ハナコ
- フライよりタルタルの方が多いなってくらい、
たっぷりつけて、お召し上がりください。
- ばなな
- これは、おしゃべりしている場合じゃない!
すぐに食べないと! 対談だけど!
- ──
- 対談ですけど、食べましょう!
- ほぼ日
- 対談だけど、いただきます!
- ばなな
- はーー、このタルタルがいいーー、
本当に。かろやかです。
もはや、タルタルだけで食べてしまう。
- ──
- お店だと、タルタルって、
こんなにたくさんつけられないですよね。
- ばなな
- うん、うん。液体部分が具より多かったり、
むちゃくちゃしょっぱかったりしてね。
でもこれは、タルタルだけで食べられる。
- ほぼ日
- そしてもちろんささみそのものも、
身はしっとりころもはカリカリでうまい!
- ハナコ
- はーい、タルタルにははずせない
えびのフライでーす!
- ──
- うわーーーーー!
- ばなな
- えびーーー!
- ほぼ日
- えび!
- ハナコ
- 増えていく揚げ物。
でも、おなかいっぱいなんて言わせませんよ。
- ばなな
- 言いませんよ!
- ハナコ
- つぎは、
ばななさんにリクエストいただいた
ビリヤニも来ますよ。
いま、ビリヤニのために
目玉焼きを8個焼いていますので、
少しお待ちくださいね。
- ばなな
- ビリヤニだけで、たまご8個!
普段、たまごはいくつずつ買うんですか?
- ハナコ
- 20個は必ずあります。
生で10個、ゆでたまごで10個。
それが、半分くらいになると、
猛烈に不安になるんですよ。
前世とかで、なにかあったんですかね、私?
鳥を育ててたとか?
- ──
- あったとしか思えないですよね。
黄色と白のものを見るだけで、
幸せになるんですよね?
- ハナコ
- そう。なんでもたまごに見えるんですよ。
スーパーで、ビニール袋を開ける時に
指先を湿らすための容器があるじゃないですか。
まわりが白くて、
真ん中に黄色いボールがついていて、
アルコール消毒もできるやつ。
- ばなな
- ああ、あれがたまごに見えるんだ!
- ハナコ
- そうなんですよ。
- ──
- それ見ているときって、
ちょっとうれしい気持ちなんですか?
- ハナコ
- そうなの。好きなもの見てるから。
「これは‥‥♡」って。
さて、ビリヤニ、そろそろかな。
ちょっと取ってきますね。
- ほぼ日
- ‥‥いまさらですが、すみません、
ビリヤニってなんですか?
- ──
- ビリヤニというのは、
インドとかパキスタンの混ぜご飯です。
- ほぼ日
- おお、そうなんですね。
それは期待‥‥って、来た来た来た。
- ハナコ
- はーい、ビリヤニですよー。
- ──
- わーーー、たまごもきれい!
- ハナコ
- 一瞬なんだかわからないと思うのですが。
このご飯の下に濃いめのラム肉カレーが入っていて、
混ぜるんです。
そうすると徐々に黄色が出てきます。
- ばなな
- いい匂いがしてきた! 本当に!
- ──
- お米は日本米じゃないですね。
- ハナコ
- はい、バスマティライスって言って、
ゆでて食べるんです。
‥‥ちょっと味見していいですか。
あ、ちょっと薄味だった。塩入れていいですか。
- ばなな
- いやあ、家でこの量を
こんなに完璧な状態に仕上げるなんて、
本当にすごい。
たまごも、8個もあるのに、
どれひとつ固くなったりしていなくて、すごい。
- ハナコ
- うふふ。これは、焼き加減が変わらないように、
フライパンをくるくる回しながら焼いています。
はい、できました。好きなだけビリヤニをよそって、
卵をのっけて、どうぞ。
そしてお好みでヨーグルトも。
- ──
- ヨーグルト?
- ハナコ
- そう。塩ヨーグルトって言って、
水切りヨーグルトに塩とニンニクを入れるんです。
何に入れてもおいしいの。
- ──
- これは、混ぜて食べるんですか?
- ハナコ
- 最初は別で食べて、途中から混ぜ混ぜすると
いいと思います。
- ばなな
- うわあ、おいしい‥‥!
- ほぼ日
- これは‥‥たまらないですね。
- ──
- おいしいいい!
- ばなな
- カルダモンも感じる。
- ハナコ
- そう、そう! カルダモンと
木の枝みたいなシナモンのホールが入っていて、
ガリッとなるので気をつけてくださいね。
- ばなな
- たまごがまた、合う!
- ──
- 見てください、この完璧な、
黄身が流れ出す目玉焼きを。
混ぜ混ぜするの幸せですね!
- ほぼ日
- おんなじことばっかり言ってますが、
これは‥‥たまらないですね。
- ばなな
- うーん、おいしい!
(つづきます)
2022-08-08-MON
-
ツレヅレハナコ さんが
大好きなたまごを
さらにおいしく食べるための
100個のレシピを考えた本、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』が
発売になりました。
吉本ばななさんもおすすめのレシピや、
かんたんにできる味玉4種、
たまごかけご飯12バリエ、
つまみにもおすすめのゆでたまご珍味のせ12バリエ、
世界中で愛されるごちそうたまごメニュー14種など、
よく知っているはずのたまごが、
「こんなにおいしかったんだ!」と
驚くレシピが見つかるはず。
そして、対談ではふれられなかった、
ツレヅレハナコさんが
たまごの「たまこちゃん」を
アイドルプロデュースするマンガもついています。
暑い夏のおともに、
ぜひ、お読みください。ご購入はこちら。