吉本ばななさんが
ツレヅレハナコさんの料理本のファンで、
ご自宅に遊びに行くことになったので
それをコンテンツにしませんか?
ついでに料理もごちそうになっちゃいませんか?
と言われたので「ぜひ!」と答えました。
もとはといえば、「ほぼ日の塾」の卒業生、
池田るり子さんがつくった「偏愛の人。」という
コンテンツがきっかけでした。
ツレヅレハナコさんの「異常なたまご愛」を
テーマにしたこの読み物は、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』
という料理本へと発展。
その出版を記念して、
前々からファンだと公言していた
吉本ばななさんをツレヅレハナコさんの
ご自宅の食卓にお招きし、
たくさんの料理でもてなすことになったのです。
そんなわけで、
たのしくておいしい夜のはじまりはじまり。
進行は池田るり子さんにお任せします。
たのしいおしゃべりとおいしい料理。
これ以上のものって、ないんじゃない?
進行&編集:池田るり子
イラスト:カケヒジュン
- ──
- ハナコさんが大皿を持ってきましたよ。
なんだろう、あれは‥‥。
- ハナコ
- はい、どうぞ。
- ばなな
- ヤングなコーンが来た!
- ──
- つまり、ヤングコーン!
- ハナコ
- シンプルにオーブンで焼いて、
オリーブオイルをかけてます。
熱いうちに、お好みでお塩をかけてどうぞ~。
- ばなな
- うわあーー。
丸焼きっていうのかな、丸蒸しかな、
どこまで食べていいかわからなくなるやつ。
- ──
- たしかに、たしかに。
ヒゲと皮と本体が一体になっていて、
これ、どこまで食べていいんでしょうか。
- ばなな
- よく知っている部分を、まずは食べて、
後、その周辺食べられる部分を、探していくの。
ヒゲがおいしいですよね。
- ハナコ
- この、皮の間もウマイよね。
- ほぼ日
- すごい、どの部分もおいしい。
- ──
- おいしいー。
- ハナコ
- おいしいよねえーー。
ヤングコーンの時期って一瞬なんですよね。
お店で「おお、いる!」とチェックして
「来週買おう」って思ってたら、
いつの間にかいなくなる。
- ──
- ヤングコーンの季節に来てよかったです。
- ハナコ
- ヤングコーンと
実山椒(ミザンショウ)は今だけですね。
- ほぼ日
- ミザンショウ?
- ハナコ
- 山椒の実のことです。
昔は枝付きの実山椒から手作業で実を取って、
ってやってたんですけど、最近はもう、
水煮を買うようになりました。
- ──
- お店で売っている山椒の水煮を見て、
つねづね不思議だったんですけど、
あの小さな枝を取る作業は、機械でできるんですかね。
- ばなな
- いや、手でやっているんじゃないかなー。
あ、でも、どんな作業も機械化しちゃいますからね。
ザルのようなもので山椒を
死ぬほど揺らす機械とかあるかもしれない。
「SANSHO M-6」みたいな機械が。
- ──
- 「SANSHO M-6」(笑)!
かっこいい!
- ハナコ
- そのためだけに存在する機械!
- ばなな
- 日本って、
そういう機械がいっぱいあるじゃないですか。
- ──
- 確かに、ネギをみじん切りにするためだけの
「ネギー」みたいな機械とかありますよね。
- ハナコ
- あります、あります。
業務調理用の機械のカタログがあって、
前にそれを見てたんだけど‥‥。
- ──
- そんな楽しそうなものが。
- ハナコ
- そう、すっごい楽しく見てたんだけど、
そばが打てる「しこしこ」って機械があった。
- ほぼ日
- あはははは!
- ──
- 完全にセンスが小林製薬さん(笑)。
- ハナコ
- 私、雑誌編集者時代に、大阪にある
小林製薬さんの取材に行ったことがありますよ。
開発責任者の方が色々商品の説明を
してくださったんですけど、
説明のたとえがぜんぶ野球だった。
しかも、阪神しばり。
- ──
- (笑)
- ハナコ
- 「ナントカ(選手名)が
3回の裏でズバンと打って、
ぶわーっと走ってくる感じでお願いしますワ!」
みたいな。ぜんぜんわかんなくて。
- ばなな
- いる、いる、そういう人(笑)。
- ほぼ日
- うちの糸井重里も野球のたとえを駆使しますよ。
- ──
- ほぼ日さんなら、よく伝わりそうですね。
- ほぼ日
- いや、けっこう、みんな置いてけぼりです。
ほぼ日って、意外に野球ファンが少ないんですよ。
糸井と同じ巨人ファンに絞ると、
球場に行くようなファンは‥‥4人くらい。
- 一同
- すくなっ(笑)!
- ばなな
- 意外。なんか、入社の面接とかで、
巨人の知識を質問されそうと思ってた。
- ほぼ日
- いえいえいえ(笑)。
まあ、他の球団のファンの人もいますし、
そういう意味ではふつうですよ。
- ばなな
- そういえば私、
元祖・糸井さんのところで働いてた人だ。
- ハナコ
- えっ? そうなんですか?
- ほぼ日
- あ、そうですね。その意味では大先輩です。
- ばなな
- 糸井さんのやってたカフェで働いてたの。
- ハナコ
- ええっ? いつくらいのときですか?
- ばなな
- 20代かな。
思い返してみると、面接ありましたよ。
- ──
- 巨人のこと、聞かれましたか?
- ばなな
- 聞かれない、聞かれない(笑)。
私、阪神ファンですし。
- ほぼ日
- 吉本隆明さんを筆頭に、
おうちが全員、阪神ファンですもんね。
- ばなな
- そうなのよ。でも、いまでもたまに、
あのカフェのことは思い出すなぁ。
「孔雀茶屋」ってお店だったんですけど、
今でも、おだんごをつくる夢を見るんですよ。
仕入れたおだんごに、こう、タレをかけて、
完成させる夢を見ます。
- ハナコ
- それ、大学の単位を落としそうな夢を見る、
みたいなことですね(笑)。
さーて、フライあげてこよっと。
- ──
- ウワァァァァーーー!
揚げ物が来る!
- ばなな
- いよいよ揚げ物が!
- ほぼ日
- 揚げ物が来る!
(つづきます)
2022-08-07-SUN
-
ツレヅレハナコ さんが
大好きなたまごを
さらにおいしく食べるための
100個のレシピを考えた本、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』が
発売になりました。
吉本ばななさんもおすすめのレシピや、
かんたんにできる味玉4種、
たまごかけご飯12バリエ、
つまみにもおすすめのゆでたまご珍味のせ12バリエ、
世界中で愛されるごちそうたまごメニュー14種など、
よく知っているはずのたまごが、
「こんなにおいしかったんだ!」と
驚くレシピが見つかるはず。
そして、対談ではふれられなかった、
ツレヅレハナコさんが
たまごの「たまこちゃん」を
アイドルプロデュースするマンガもついています。
暑い夏のおともに、
ぜひ、お読みください。ご購入はこちら。