吉本ばななさんが
ツレヅレハナコさんの料理本のファンで、
ご自宅に遊びに行くことになったので
それをコンテンツにしませんか?
ついでに料理もごちそうになっちゃいませんか?
と言われたので「ぜひ!」と答えました。
もとはといえば、「ほぼ日の塾」の卒業生、
池田るり子さんがつくった「偏愛の人。」という
コンテンツがきっかけでした。
ツレヅレハナコさんの「異常なたまご愛」を
テーマにしたこの読み物は、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』
という料理本へと発展。
その出版を記念して、
前々からファンだと公言していた
吉本ばななさんをツレヅレハナコさんの
ご自宅の食卓にお招きし、
たくさんの料理でもてなすことになったのです。
そんなわけで、
たのしくておいしい夜のはじまりはじまり。
進行は池田るり子さんにお任せします。
たのしいおしゃべりとおいしい料理。
これ以上のものって、ないんじゃない?
進行&編集:池田るり子
イラスト:カケヒジュン
- ハナコ
- おつぎは、かぼちゃのサラダです。
かぼちゃはあまり潰さず、
あえてゴロゴロした状態で。
白いのはクリームチーズです。
- ばなな
- おいしい。あ、意外な酸味!
- ハナコ
- その酸味は、ゆずなんです。
- ばなな
- ゆず!
- ──
- ゆず!
- ほぼ日
- ゆず!
- ハナコ
- 先月、高知に行ったんですよ。
そこで瓶入りのゆずの搾り汁を買ったので、
これはかぼちゃサラダに
酸味をつけるのにいいなあと思って。
- ばなな
- ああ、おいしい‥‥幸せ。
かぼちゃと酸味って、
知らなかった組み合わせです。おいしい。
- ハナコ
- おいしいですよね。
でもこれは、元ネタがあるんです。
吉祥寺に『おでん太郎』っていう、
すごく好きなお店があったんですけど、
そこのおかみさんのつくる
かぼちゃサラダがとってもおいしくて。
最初に食べた時、「この酸味、なんだ?」と思って
「これ、なんですか?」って聞いたら、
そこのチャーミングなおかみさんが
「ハナコさんなら、わかるわヨ♡」って
すごいかわいく言ってくれて。
- ──
- ぎゃあ、かわいい。
- ハナコ
- ちょっとポッてなりながら、
「わかんないっす、わかんないっす」って(笑)。
そしたら、「ゆずですよ♡」って言われて、
確かにこの酸味はゆずだー! って感激したんです。
そこのかぼちゃサラダには
マヨネーズが入ってるんですけど、
今日は、このあとマヨネーズを使った
タルタルソースもたくさんつくるから、
かわりにクリームチーズを入れました。
- ──
- ‥‥ちなみに、このあと出てくる
タルタルソースもやばいです。
- ばなな
- いやぁ、おいしいです。
このかぼちゃのサラダは、
サラダだけど、つまみですね。つまみ万歳。
- ハナコ
- もうひとつサラダがありますよ。
きゅうりのサラダです。
- ばなな
- この味は、なんだろう‥‥ニョクマム?
- ハナコ
- そうです、明石の魚醤を入れていて。
兵庫って、いかなご文化があるじゃないですか。
佃煮とか。そのいかなごで、
魚醤をつくっているところがあるんです。
- ──
- きゅうりにニョクマム、
東南アジアっぽい感じですね。
おいしい~。
- ハナコ
- きょうはライムを買い忘れちゃったから
レモンでやっているんですけど、
ライムをしぼると、もっと現地っぽい味になります。
ベトナムに行ったときにこういうサラダを食べて、
おいしかったので真似してみました。
現地だと、きゅうりみたいな、大きいウリ科のものと、
どくだみみたいなハーブがたっぷり入っていて。
- ばなな
- わかります、わかります(笑)。
「どくだみみたい」としか言いようのない、あれね。
- ハナコ
- そうそう、それが、ライムと、
ニョクマムで和えられていて。
日本のきゅうりでつくるときは、
タネを取ったほうが現地の味に近いかなと思って、
一本一本、タネを取ってつくりました。
- ──
- ああ、それできゅうりが
こういう形になってるんですね!
- ハナコ
- そう。縦に半割りにしたら、
スプーンの裏でガーッと取って。
そうすると、きゅうりの水っぽさが抜けて、
ずっとパリパリしたままになるんです。
- ──
- たしかに、きゅうりの入ったサラダって、
ドレッシングで和えると、
水っぽくなっちゃいますよね。
- ばなな
- なるほど、なるほど。
- ──
ハナコさんって、
旅先で食べたものをすぐつくりますよね。
- ハナコ
- うん、現地で買って帰ってきて、
みんなに現地の食べ物をふるまいながら、
その旅の話をするのが楽しみ。
だから、現地で食材を買って、
帰国の二日後くらいに、
食いしん坊なメンバーを呼んで宴会を設定する(笑)。
- ばなな
- 二日後(笑)。
- ハナコ
- 我ながら元気だな、って思うんですけどね。
まだ時差ボケしてるのに、
朝からひたすら料理をするっていう。
- ばなな
- 本当に、料理が好きっていうことなんですね。
- ハナコ
- やっぱり、向こうの市場で買った食材とかは、
なるべく早いうちにみんなに食べさせたいから。
- ばなな
- いいなぁ~。
(つづきます)
2022-08-06-SAT
-
ツレヅレハナコ さんが
大好きなたまごを
さらにおいしく食べるための
100個のレシピを考えた本、
『ツレヅレハナコの愛してやまないたまご料理』が
発売になりました。
吉本ばななさんもおすすめのレシピや、
かんたんにできる味玉4種、
たまごかけご飯12バリエ、
つまみにもおすすめのゆでたまご珍味のせ12バリエ、
世界中で愛されるごちそうたまごメニュー14種など、
よく知っているはずのたまごが、
「こんなにおいしかったんだ!」と
驚くレシピが見つかるはず。
そして、対談ではふれられなかった、
ツレヅレハナコさんが
たまごの「たまこちゃん」を
アイドルプロデュースするマンガもついています。
暑い夏のおともに、
ぜひ、お読みください。ご購入はこちら。