久しぶりに新竹の北埔 （ベイプー）に。
うちの店のご近所さんのハーベイさんが
お手伝いしている宿「或者山旅」に行ってきました。
リノベのお宿です。

新竹を拠点に、ブックカフェをはじめ、
どんどんリノベの施設をオープンしている
『或者』というブランドのお宿です。

「或者山旅」一階はこんな感じ。

　

1989年の建物なのでそんなに古くはないが、
お部屋ごとにデザインが違いました。

お部屋その１。

お部屋その２。こちらは建物についていた檜の木の扉をベッドの台にして、床は去年の花蓮の地震で砕けてしまった大理石を、タイルのように使っている。

お部屋その３とその４。

お部屋の風呂もそれぞれ。

　

話がとっ散らかるが、
うちの店で爆発的人気のナッツラー油も、
『或者』ブランドの商品です。

食べるラー油。カボチャの種、カシューナッツ、ゴマなど、ナッツがざくざく。うまい！

　

ハーベイさんは迪化街の入口にある
古い建物を利用した「OrigInn Space」という
お宿の主人で、こっちもなかなかいいので、
多分『或者』から白羽の矢が飛んで来たんだと思う。
いま、ハーベイさんは『或者』の
宿部門リーダーっぽいです。
 
北埔はどんなところかというと、
新竹の山間部にある、客家（ハッカ）の文化を
色濃く感じる老街（ラオジエ／古い街並み）。
長年来ていなかったけど、実はかなり好きな場所。
昔書いた『台湾 ニーハオノート』という
本でも紹介しています。

赤い煉瓦の古い建物に、狭い路地がたくさん。これが北埔の街。

　

客家の人って漢民族ですけど、
歴史的に土地を追われることが多くて、
土地の痩せた山間部によく集落を作っています。
そんな背景から、
勤勉、勤労、質素、倹約といった志向が強くて、
世界に名だたる中華系の人たちにも
けっこう客家は多いんです。

とはいえ今回、北埔の街で、
びっくり仰天なことを知りました。
 
建物の角が直角じゃないんです。
もともとの道とは違う角度で道が作られてしまい、
通りに面したところだけ
あとで角度を道に合わせて変えているから。
こちらも客家の倹約ぶりの現れ？なのか。

左の写真はベランダが三角形。隣近所で申し合わせて角度を変えていかないと、この通りの家はみんなずっと菱形のまま？

　

客家の人たちは、擂茶（レイチャー）と言われる、
ごまやピーナツとお茶っぱをすりつぶして
お湯で伸ばしたどろっとした飲みものも有名。
ナッツのほのかな甘味がおいしい！

左：材料。真ん中：粘るまですりつぶす。右：お湯で伸ばしてお米のパフとか枸杞（クコ）を浮かべていただく。

昔、北埔に来ると必ず行ってた「水井茶堂」で今回も擂茶体験。すりつぶすだけですけど、店の人がいいよというまでやるのです。店の雰囲気は少し変わってました。（住所：新竹縣北埔鄉中正路1號　電話：03-580-5122　営業時間：10時〜17時）

　

お店の「水井」の名前は、
北埔には井戸が多いかららしい。

街中の井戸その１とその２。

　

そして自然生態系も楽しめるのが北埔。
５月頭で蛍を鑑賞できました。

（右）人生でこんなに大量の蛍を見たのは初めて。（左）台湾は蝶々が有名なんですけど、北埔は特にここにしかいない蝶がいると聞く。「或者山旅」に泊まった次の日、スタッフが持ってきてくれたレアモノの幼虫。子供が育てているとか。

　

あと、北埔は東方美人茶の名産地なので、
行ったらお茶も買って帰ってほしい。
お茶の農家が直売してるので、
品質のレベルの割に買いやすい価格。

東方美人を「美人茶」呼ばわりしてます。

　

あとはひたすら生活感ある路地を歩いて欲しいです。

　

台湾に来たばかりの頃は、老街ブーム真っ只中で
よく台湾の友人に連れてきてもらいましたが、
当時は日帰りでした。
今回はじめて泊まってみたけど、
ゆっくりできてよかったです。
 
結構真面目に観光案内してしまった
（滅多にやらないです、私）。
ついでに書くと、新幹線で新竹へ約40分、
さらに車で約１時間というルートで行きましたが、
台北から車で行くと１時間ちょいですよ。
ぜひ行ってみて。